セックスが上手な幽霊の出る宿
夜中にやらしい幽霊が現れる旅館

「その宿に幽霊が出るという噂はきいていました。
ど田舎の古めかしい宿屋でした。
それは、蒸し暑い夜でした。
私はお腹の上にだけ薄いタオルケットをかけて寝ていたのですが、深夜2時頃、何かが私の素肌の脚に触れたので、目を覚ましました。
古めかしい宿屋の、豆電球だけがついているうす暗い部屋の中で、私は人の気配を感じました。
私は起き上がろうと思いました。
しかし、その瞬間、体中がビクッとしたかと思うと私の体は固まってしまいました。
そう、私は金縛りになってしまったようです。
私は以前学生のときに、スポーツを一日中やってとても体が疲れていた日の夜に一度だけ金縛りになった経験はありましたが、この宿屋に泊まったその日は別に特に体が疲れていたわけではありません。
私は怖くなりました。
金縛りで動けない私のお腹にかけられたタオルケットがゆっくりとずらされて、私の体の上を滑りつつ、脚の方に向かって滑ってゆくのがわかりました。
私は目を開けました。
顔も首も動かすことができないのですが、私は目だけを自分の脚のほうに向けました。
何もいません。誰もいません。
なのに、私のタオルケットだけがスーッと脚の下の方にゆっくり滑ってゆくのです。
動けないまま私は、恐怖で再び目をつぶりました。
夢よ!これは夢であって!
そのあと、私はネグリジェの中に人の手の感触を感じました。
怖くて、もう目を開けて確かめることはできませんでした。
その手は私の乳房をゆっくり揉んだ後、私の乳首を擦り始めました。
あっ!いやっ!
何なの?これ?
恐怖と快感が私を襲います。
怖い!いや!やめて!
でも・・・あ・・・感じてしまう・・・。
あ!!
でも私には体を動かすことはできません。
私は唯一自力で動かせる瞼を開けようかどうか迷いました。
でも怖くて、その何者かが私の下半身を触るまでは目を開けられませんでした。
パンツの中にまで何者かの手が入ってきて、動けないはずの私の脚が大きく開かされ、一番感じるところをこすられはじめ、初めて私は目を開ける勇気を出しました。
しかし目を開けても、私の上にも脚の方にもやっぱり誰もいませんでした。
ただただ、見えない何者かが、私のアソコを弄んでいるのです。
また目をつぶると、私の濡れてきた脚の真ん中の穴に、太い何かが入り込んできました。
ああっ!いや!やめてええ!!
姿も見えない何か太いモノに私の膣の中は擦られていました。
ああああ!!
私の穴の中を動く太い何者かに、私はイカされて気を失ってしまいました。
次の朝、起きたときに自分の膣にはポッカリと穴をあけられてしまったようなリアルな感触が残っていました。
男に満足するまでイカされた日の次の朝のような、まったりとした充足感が私にはありました。
あれは一体なんだったんでしょう?
毎年、夏がくると、この宿屋での不思議な体験を思い出す私です」
毎度、おなじみのエロ商売をしている女経営者は、ここまで文章を打ち終わってPCから顔を上げた。
「いいの?こんなこと書いちゃって」
隣に座ってPCの画面をのぞいていた親戚のおじさんに向かって、女経営者は訊ねた。
おじさんは、このところ人気の低迷している観光地で古い宿屋を経営していた。
「かまわない!
どうせ、うちの宿はもう廃業寸前なんだ。
最後の大バクチだ!」
とおじさんは言った。
エロ女経営者は上記のような文章をブログに載せ、おじさんの宿の外観の写真を掲載した。
宿屋名は出さないが、最寄りの駅の写真もそれとなく添えた。
そして女経営者はツイッターにも、
『スケベ幽霊が出る宿屋に泊まったことある』
と書いて、宿の写真を載せて、このブログとリンクさせて、発信した。
エロ女経営者の側近の元ボーイは、自分で作ったアカウントのツイッターから女経営者にリツイートした。
「僕もその宿、泊ったことあります。
僕の場合は女幽霊でした」
「深夜、金縛りにあって動けない僕のアソコを誰かが撫でまわし、舐めまわし、チューチュー吸ってきて・・・」
ボーイはそんなことを書いた。
ボーイの元カノで、今は女経営者の元で働いている女の子が、これまた二人にリツイートした。
「その旅館の噂、私もよく聞きます!!」
女経営者の経営しているセクキャバに勤める女の子たちも、
「私もその話知ってる!
知り合いの知り合いが幽霊に体をまさぐられたって言ってた」
とか、
「うん。有名だよね。幽霊にスケベなことされる旅館って」
とか、
「でも、それってその人の願望でさ、ただの夢なんじゃないの~?!」
とか、
「もしくは従業員がお客にホントにエッチしてるとかさ!あはは」
などとリツイートして話題を拡散してくれた。
2週間後、もの好きな二人組のお客さんがさっそくおじさんの宿にやってきた。
そのお客さんは宿屋の”あるじ”であるおじさんに、
「こちらは幽霊が出るのですか?」
と尋ねた。
おじさんはハッとして急に険しい顔をした。・・・いや、これは演技だが・・・。
「だっ!誰がそんなことを!!
そっ!そんな根も葉もない噂、だっ誰がっ?!」
と、おじさんは大げさに取り乱すフリをした。
おじさん必死の一世一代の演技だ。
二人のお客さんはその様子を見て「ああ、この宿にはやはり何かあるな?」と思い、うなづいた。
二人のお客さんは宿の写真を撮ったり、ブログに書いて紹介することの了承を(渋るフリをする)おじさんに得た。
おじさんはその夜、二人のお客さんの部屋のすぐ外の廊下に、お線香の煙をうっすら漂わせることと、深夜2時ジャストに部屋の外でパキッ!ミシっ!ぱーん!という音をさせてみた。
おじさんは深夜、廊下で木の枝を力いっぱい折り曲げたり、小さな風船を破裂させてみたのだった。
お客さんの部屋の窓のすぐ外を真っ白な衣装を着て、髪を振り乱したボーイの元カノが走ったのは、お客さんには見逃されてしまって、徒労に終わったのだったが。
でも、深夜まで頑張って起きていて、何かが起こることを期待して部屋でスタンバッっていたお客さんにはそれだけで十分だった。
二人のお客さんは次の週に、
「エロ幽霊宿屋に泊ってみた!」
と、宿に泊まった体験レポートをおもしろおかしく自分のブログに書いていた。
そして、エロ幽霊は出なかったが、夜中にラップ現象にあったことを書いてくれた。
そのお客さんはご自分のブログに、宿の写真も最寄りの駅の写真も、また、どうやって宿に行ったかの路線の乗り継ぎの説明まで、この宿の情報を豊富に掲せてくれた。
そのブログを見た、大学生のオカルト研究会のお客さんグループも、次の週に宿に泊りに来た。
このときは深夜、お部屋の前の廊下でエロ女経営者が、すすり泣いてみた。
大学生のお客さんたちが廊下に走り出てくると、エロ女経営者が化粧を落としたすっぴんの青白い顔で、やせ細った体に白い着物をまとって立っていた。
「ぎゃああああ!!!」
大学生のお客さんたちは叫んだ。
「失礼ねえ!!」
と思いつつも、女経営者は急いで、廊下を曲がって逃げた。
次の朝、大学生たちは興奮しながら、宿屋のあるじのおじさんに、
「昨日僕たちしか泊っていないっておっしゃってたけど、白い着物を着た女の人を見たのですが?!」
と言った。
「女の人なんて泊ってないですよ。
というか、お客さんは他に泊っていません。
それ、うちの女房か、娘じゃないかな?」
と、おじさんは、とぼけて答えた。
女将さんは、ふっくらとした人だった。
若女将は、もっとまるまると太った人だった。
「違う!違う!もっと痩せこけた女の人!見たんですよ!」
と大学生たちは言った。
「うちの従業員はあとはみんな男ですよ」
とおじさんは言った。
おじさんの宿屋は、”幽霊スポット”として軽く話題を呼んだ。
今まで、シーズン最盛期でも閑古鳥が鳴いていたというのに、今年は夏休みになると、宿屋にはお客さんが毎日訪れるようになった。
でも噂をききつけたTVの取材をおじさんが受けようとしたことを、エロ女経営者は止めた。
「いつか、絶対に不正がばれるって。
それにこれ以上お客が増えても手がまわらないでしょう?
私たちも、もういつまでもおじさんの宿の手伝いはできないし。
そろそろ堅実な経営に戻ってよ」
「でも~」
とおじさんは言った。
「廃業を免れたこと。それだけで満足しないと、ここは!!」
と、エロ女経営者はおじさんに言った。
でも欲をかきだしたおじさんは、またセクキャバ嬢たちの手を借りて、
「あの幽霊宿は、値段の高い特別室が一番幽霊が出るみたいよ〜」
とのウソの噂をSNS上に流してもらった。
結果、その特別な値段の高い部屋は、常に予約でいっぱい状態になった。
おじさんもその値段の高い三部屋の周りでだけは、毎夜、ラップ音を出すことくらいには一人でも対応できた。
エロ女経営者たちの手を離れても、おじさんの宿は好調だった。

数か月後、久しぶりにエロ女経営者と元ボーイと元カノの3人は、おじさんの宿に遊びに行った。
今回は仕事でなく、今までのお礼として、3人にはゆっくり泊まりに来てほしいとおじさんに招かれたからだった。
経営が潤ってきたので、宿を少し綺麗に改装することにしたそうだ。
その間、商売を2週間だけ休むので、そのときにご招待されたのだった。
エロ女経営者たちは、自然豊富な田舎でゆっくりできるのはよかったけど、しかし、3人にとっては、ここには特に魅力的な観光する場所は何もなかった。
なので3人は、朝から宿で、この地方の名物の魚を食べたりお酒を飲んだり宴会をした。
酔いつぶれて女経営者は、もう午後3時くらいから眠ってしまった。
3人ともおじさんに別々の部屋を用意してもらっていた。
早くから眠ってしまった女経営者は、深夜に自分の部屋に男が忍びこんできたことに気づいて目を覚ました。
「やあねえ。
若いあのコとしないで、私なの?
久しぶりにしたくなったの?」
豆電球もつけずに真っ暗にして寝るのが好きな女経営者は、まっ暗闇の中で男を受け入れた。
男は、暗闇の中で女経営者の乳首を舐めまわし、音を立てて吸った。
「あああ!あん」
早くも感じてしまう女経営者だった。
そのあと、二人はシックスナインでお互いの性器を舐め合った。
元ボーイの大好きなシックスナインだ。
やがて、びしょびしょになった女経営者の中に、びんびんになった男のアソコが突っ込まれた。
初めはゆっくり出し入れされて、だんだん激しくされて、女経営者は声を押し殺して、何度もイカされた。
随分以前にしたときよりも、元ボーイが格段にセックスがうまくなったなあ、と思った女経営者だった。
***
次の日の朝食の席に元ボーイがいないので女経営者は、
「あのコまだ起きてこないの?おねぼうね!」
と笑いながら言った。
(やあねえ!昨夜、頑張りすぎよ!)
と女経営者は思った。
「違うんですよ」
元ボーイの元カノが言った。
「社長は3時頃から寝ちゃったからご存知ないでしょうけど、あのあと、東京の店からトラブルがあったっていう連絡があって、彼は東京に帰ったんですよ。
夕方5時の電車で」
と、ボーイの元カノは言った。
「なんですって?」
女経営者は、元カノをキッと見た。
「あ、ごめんなさい!ごめんなさい。
社長への報告が遅くなってしまってすいませんです!
ただのネットでの予約システムのダウンだったんですよ。
結局、彼が東京に着いた頃には無事解決していたんですよ。
それなので、社長を起こさなかったんですけど。
すみません!
起こしたほうがよかったですか?
すいませんすいません」
と、元カノは申し訳なさそうに一生懸命に言った。
女経営者はそんな元カノを無視して立ち上がると、怒りの形相で宿屋の主のおじさんを探しはじめた。
くそじじい~!!
あいつか!!
昨日、部屋に忍び込んで私を抱いたのは元ボーイではなかった。
なんと、おじさんだったのね?!
許せないわ!!
いろいろ親切に面倒を見てやったあたしをやっちゃうとは!
遠い親戚とはいえ、親戚の私をやるとは!!あのエロじじい〜!!
え?あたしとおじさんって何親等離れているんだっけ?
セックスしていいんだっけ?
ええ??
大体、おじさんの奥さんである女将も同じ屋根の下にいると言うのに!!なんて男よ!
女経営者は怒りながら、宿の中を探しまわった。
しかしおじさんはいなかった。
エロ女経営者はちょっと後ろめたかったが、女将におじさんの行方をきいた。
女将は言った。
「主人は昨日、夕方の6時から旅館組合の集まりで隣町に行って、まだ帰ってきてないわよ」
え?昨夜、おじさんはここにいなかった?
この宿は、今改装中でお客さんはいない。
男の従業員も全員休みだ。
女経営者は青くなった。
(じゃ、じゃあ、私を昨晩、抱いたのは誰なの?!!
や、やっぱり、ゆ、ゆうれい?!
ひえええええ~っ!!!!)
*********
女経営者は、おじさんと二人の部下を連れて、神社にお参りに行った。
「許してください!!許してください!
二度と不埒な商売はいたしません!
神様!!幽霊様!
どうか許してくださああい!!」
と、必死で祈りながら、女経営者は神主さんの”亀頭”・・・違った!”祈祷”を受けた。
女経営者が、宿の改築のために出入りしていた工事業者の男に部屋に忍び込まれて、犯されてしまったのだったという真相に気が付いたのは、随分後のことだった。
-----終わり-----------
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