セックス一回で女を虜にできるらしい悪魔①
女は俺と何回もしたくなっちゃうみたい

私が”悪魔”と同居していたときの話です。
いえ、同居と言ってもエロい関係ではありません。
私は子供だったし。
例えてみれば、私と悪魔は人気漫画の”伸び太郎くん”と”虎衛門”みたいな関係の同居でした。
父も母も一緒に私たちと暮らしていたし。
大人の話を聞きたがりの耳年増の私に、悪魔はいろいろな話をしてくれました。
悪魔は一度でもセックスさえすれば、人間の女程度なら、誰でも虜にできると豪語していました。
悪魔のセックスはすごくいいんだそうです。
私はセックスをしたことがなかったので、その時はそれがどういうことなのかよくわからなかったのですが。
以前に、悪魔がご商売の女性にめんどくさそうにフェラチオなどをしてもらっていたときに、いざ悪魔が挿入した途端にその女性の目の色が変わってしまったそうです。
それまでは業務上の態度だったその女性が、セックスのあと、すんごい色っぽい目で悪魔を見つめ、抱きついてきたそうです。
「なんで?なんで?なんで?」
私はききました。
「うーん。
みうちゃんに言ってもわかんないと思うけど。
俺が出し入れすると、人間の女性にとってはとっても気持ちいいみたいなんだよ」
「何で?何で?何が?何が?」
私は意味がわからず、でも夢中で訊ねました。
「なんか、人間の女の人は、一回俺とすると、また俺と何度でもしたくなっちゃうくらい気持ちいいみたいなんだよ。
俺にまた入れて欲しくなるみたいなんだよ」
その、ビジネスライクで悪魔に対応していたはずの女性は、もう商売そっちのけで悪魔と離れられなくなってしまったそうです。
女性は悪魔にしつこく執着し、ご自分のおうちにたびたび悪魔を連れ込んだそうです。
そしてあるときに、家にたずねてきたその女性のホントの彼氏に見つかり、悪魔は足腰がたたないくらいボコボコにされて、やっと別れられたそうです。
また、昔、悪魔が私のうち以外の人間の家に居候していたときに、そこの娘さんが17歳になったときに
「友だちのグループで処女なのって私だけなの!
みんなの話にいつもついていけないから、あなたがバージンを奪って」
と言われたことがあったそうです。
「そういう理由でするのはよくない」
と悪魔は断ったそうなのですが
「だって、他にいないんだもん。
友達の変な男とセックスしたら、男の子が言いふらして、すぐにみんなにばれちゃうし。
バカにされちゃうし。
安心して処女をあげられる人がいないのよ。
みんなが存在をよく知らないあなたが最適な相手なのよ!
年上とセックスしたっていうのも自慢になるし!!」
と17歳の女の子は言ったそうです。
「そんなアホな理由で俺はしないよ」
と悪魔は、あくまでも言い続け、断り続けたそうです。
しかし、とうとう女の子に
「漫画の”虎衛門”は、”伸び太郎君”が困っているときにはいつも助けてくれるのに、あなたはなんで、何も助けてくれないの?
あなたなんて、ただの大飯食いの居候の役立たずじゃないの!!」
とまで言われたそうです。
そこまで言われるなら、じゃ、いいかと思って、悪魔は17歳の女の子とセックスしてしまったそうです。
そうしたら、そもそもはただバージンを失いたかっただけのはずの17歳の娘さんは、突然、悪魔に夢中になってしまったそうです。
17歳の娘さんは悪魔と結婚する!と騒ぎだしたそうです。
娘さんがあんまり騒ぐので、セックスしたことが親御さんにバレて、お父さんから悪魔は
「今までうちに世話になっておきながら、この恩知らずがああ!!!」
と言われて半殺しの目にあったそうです。
お母さんからは警察に訴えると言われ、娘さんが留守のときに悪魔は家を追い出されたそうです。
「へーえ」
私は言いました。
「すごいわね。
一回のセックスで女を虜にしちゃうなんて」
悪魔は恥ずかしそうに、でもちょっと自慢気に笑いました。
ただこの悪魔には問題が二つありました。
ひとつは、悪魔はセックスをする前には、人間の女にあまりもてないという問題でした。
この悪魔のルックスが、あまり人間の女性の一般的な好みと合致していないこと、あと、とても口下手なので、なかなか女性と付き合えないとのことでした。
「そうかあ。
一回でもセックスさえできれば、あとは安泰なのにねえ」
と私は言いました。
「そこまで持ち込むのが難しいんだよ」
「無理やりやっちゃえばいいんじゃないの?
だって、やってしまえば女に惚れられるんでしょう?」
と私は言ってみました。
「そういうことをするのは俺の趣味じゃない」
悪魔の持っているもうひとつの問題は、悪魔はホントに好きな人間の女とはセックスができないんだそうです。
いえ、物理的にできることはできるのですが、悪魔界ではタブーとされているようです。
悪魔は本当に好きな人間の女とセックスすると、逆にその女に魂を吸われて奴隷になってしまうんだそうです。
「難しいわね?
セックスをすると人間の女を虜にできるのに、その人間のことを大好きだと逆になっちゃうって??
難しすぎる?よくわかんない」
と私が言うと
「つまり、執着や愛情みたいな感情の強さが、そもそも俺≦女だと、女がセックスによって俺に夢中になってくれて、最初から 俺>女だと、悪魔のほうが負けちゃうってこと」
と悪魔は言いました。
悪魔が魔界の女とセックスしてもそんなことはないそうですが、人間の本当に好きな女とセックスすると魔力が失われて、二度と悪魔界には戻れないそうです。
「その魔力って何?
あなたが魔力を持っているって、私、あんまり知らないんだけど。
一体どんな魔力持っているの?
セックスすると女を虜にできるってのも魔力のひとつなの?」
と私はきいてみました。
「うん。
そのことは俺の個性なのか、魔力なのかわからないけど。
あとは、他に俺の持っている魔力は空を飛ぶことができるとか、水中でも5分息ができるとかさ、魔界と人間界を行き来できることとかさ」
「ふーん」
あんま大した能力じゃないな。
そんなの失ってもよくね?と私は思ったけど、悪いから口には出さなかったけど。
「好きな女を無理やりやって、その女の奴隷になって、空も飛ばずに人間界で普通に一生くらせばいいじゃん。
そんなの人間界の男のデフォルトよ」
とセックスをしたことも、男とろくに付き合ったこともない、ガキの私は生意気にも言いました。
悪魔は苦笑いをしていました。
そんなある日、悪魔が大汗をかきながら家に戻ってきたときのことでした。
玄関の鍵を開けて迎えた私の顔を見ると
「今さあ、商売女性とセックスしてたんだけど、終わった後、つかまらないうちに大急ぎで逃げてきたんだ!」
と悪魔は汗を拭きながら、言っていました。
「ちょっとお!
下品なこと言わないでよ!
今、友達が来ているんだから!」
私は悪魔を怒りました。
そのとき、家に遊びに来ていた私のお友達が玄関のほうに出てきました。
「こんにちは~。
お邪魔してます」
「こちらがいつも話していた遠い親戚のお兄さん?」
と友達は私にききました。
「そうよ」
私は、悪魔のことは、『仕事関係でこちらの地方に来ている、遠い親戚のお兄さんがうちに下宿している』と友達には話していました。
悪魔は流れる汗をふくのも忘れ、大きく大きく目を見開き
「こ、こ、こんにちは」
と私の友達に向かって言いました。
その日から悪魔の様子が変わりました。
そうです。
勘のいい皆さんならおわかりですよね。
悪魔は、私の友達に一目惚れしたのです。
私の友達の女の子は、年齢の割に大人っぽく、そして私にはどこがどうとはうまく言えないのですが、なんとなくすんごくエロっぽい子でした。
その女の子は、男子のいない私たちの高校では、あけすけに冗談で『袋とじ』と呼ばれていました。
いじめではないのです。
本人に向かって何かにつけてみんなが
「マジでミキってエロいよね~。
よっ!さすが”袋とじ”!」
と、私の友達のミキちゃんは、よくからかわれていました。
ミキちゃんは、まっ黒なそれほど長くない髪、細い顎に、ふっくらした頬に、ほんのちょっとだけ吊り上がった目をしていました。
体は決して豊満ではないのですが、体に派手な凹凸があるというタイプではなかったけども、なんかなめらかなやわらかな細長い曲線が不思議にエロっぽかったのです。
そんなミキちゃんに、うちの悪魔は一目ぼれしたようです。
-----続く-------------------
★続きのお話 はこちら → ★セックス一回で女を虜にできるらしい悪魔②→ ★セックス一回で女を虜にできるらしい悪魔③
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