秘密を守るために迫ってきて腰を振る女①
好きな女が淫乱だった

僕には憧れの女性がいる。
会社の同じ部署にいるHちゃんだ。
Hちゃんは仕事熱心だし、話はおもしろいし、しぐさがキュートだし、かわいい素敵な女性だ。
仕事のことでもいろいろフォローしてくれたり、丁寧に優しく教えてくれるし、飲み会などでは、僕にいつも明るく楽しく話しかけてくれる。
実は『Hちゃん』というのは、僕が心の中で勝手に呼んでいる名前で、本当はHちゃんは年上なので普段は『Hさん』と呼んでいる。
僕は心の中で日頃、「ああ、あんな顔して。Hちゃんかわいいなあ」「Hちゃん、今日色っぽいなあ」などと思ったりしていた。
もちろん、僕は何回もHちゃんのことを想像の中で犯している。
明日からは、僕はHちゃんと出張だ。嬉しいなあ。
いや二人きりじゃなくて、もうひとり技術者の男性も同行するんだけど。
それに、出張先では夜もきっと、先方の人と飲んだりつきあったりしなくてはならないけど。
でも、技術者の男より僕たちは一日早く出張先から帰る予定なので、帰りの飛行機の中では、僕はHちゃんと二人きりになれる。
嬉しいなあ。誰にも邪魔されずに、数時間、Hちゃんを独占できる。
いつもは独り占めできないものなあ。
仕事では、僕はその他大勢の一人だし、飲み会では、僕がHちゃんと楽しく話していてもすぐに他の誰かが割り込んでくるし。
今回はいつもと違う一歩踏み込んだ話がHちゃんといろいろできるに違いない。
出張を明日に控えて、僕はいつもよりずいぶんと早めに仕事を上がった。
帰りがけにHちゃんに声をかけた。
「Hさん。明日、よろしくお願いします」
「よろしく~。 2階の出発ロビーの時計台1に 6時50分ね」
Hちゃんはかわいい顔で笑ってそう言った。
僕が職場を後にして廊下に出ると、男の先輩が追いかけてきた。
「お~い。ずいぶん、早いじゃないか。ちょっと行こうぜ。」
「何言ってるんですか。明日、出張だから早く帰るんですよ。」
「ちょっといこうよ。ちょっとだけ。」
よく僕のことを飲みに誘ってくるO先輩だ。
とても押しが強い。
仕方なく、1時間だけの約束で、社内のラウンジで先輩の飲みに付き合うことになった。
僕の会社の社員食堂の端っこの一部分のエリアは、夜はラウンジとなって、簡単なおつまみと軽いお酒を出してくれる。
社員同士の親睦と交流を深める場所を会社が提供してくれているのだ。
会社帰りに外の店で飲むほどではなく、ほんの30分や1時間だけおしゃべりがしたいときなどに、社員たちはよくそこに立ち寄るのだった。
また、夜遅くまで仕事がある場合は、夜食を食べるためにだけ利用することも可能だった。
僕は今日はすぐに帰りたかったので、外の居酒屋に行きたがる先輩をなだめて、このラウンジで飲むことを提案した。
ラウンジで先輩とチューハイを飲んでいたら、仕事の話しになり、ちょっと意見が食い違い軽くもめた。
「違いますって。それ。先輩の記憶違いですって」
先輩と意見が食い違ったのはつまらないことだったのだが、なんか気持ち悪くてスッキリさせたくて、
「僕、ちょっと資料とってきますよ。見せてあげますよ。先輩、おっしゃってること間違ってますって」
と僕は言うと、自分の部署のフロアに戻った。
この社内のラウンジで飲んでいると、途中で、自分のデスクに好きなときに戻れる、という、こういうことができるのだった。
僕が自分の部署のフロアに戻ると、広いフロアにはまだ、あちこちに人がいたが、僕の部署にはHちゃんと副部長しかいなかった。
Hちゃんと副部長は、二人で立ったまま窓の方を向いて、何か話しているようだった。
僕は自分のデスクのところに行った。
二人は僕に気が付いていないようだ。
二人は小さな声で話しているので、僕には何を話しているか内容は聞こえない。
僕がデスクの引き出しから書類を出したとき、話が終わったのか、Hちゃんが急に大きな明るい声を発しながら、くるーりとこっちを向いた。
「お仕事終わったから、ごほううび~い!」と笑いながらHちゃんは、踊るようにはしゃぐようにくるりとこっちに振り向いた。
副部長も一緒に、ニコニコしながらこっちを向いた。
僕にはそのHちゃんの「ごほうびー」という言葉が楽しそうで、そしてとても甘えているように聞こえた。
僕は、なんだかちょっと嫌な気分になった。
こっちを向いたHちゃんと副部長は僕に気が付いて、急に表情を変えた。
ハッとした真面目な顔になった。
でもすぐ笑顔になると
「おーどうした?帰ってなかったのか?」
「忘れ物ー?」
と二人は僕に話しかけてきた。
「ええ、ちょっとラウンジでO先輩と」
僕はそう答えて、デスクから資料を取り出すとラウンジに戻った。
O先輩に資料を見せ、僕の言っていることのほうが正しかったことを確認したあと、そのあともいろいろ話をしていて、ラウンジを出るのは結局、2時間ほどあとになった。
僕はO先輩に言った。
「僕、この資料戻さないといけないし、あとちょっと忘れ物があるのでフロアに戻ります。お先に帰っててください」
「もうフロア、閉まっているかもしれないぜ。」
とO先輩は言った。
閉まっていればいい。
僕には何か嫌な予感がしたのだ。
まだHちゃんと副部長が二人だけでフロアに残っているような気がした。
僕が自分の部署のあるフロアに再び行くと、まだ一人二人だけが、遠くのデスクに残って仕事をしていた。
僕の部署の上の蛍光灯は消されていて、薄暗く、Hちゃんと副部長はいなかった。
しかし、僕らの部署のデスクの横にある小さな会議室の扉の隙間や天井の隙間から、電気の光がもれていることに僕は気づいた。
「電気、消し忘れたのか?」
僕は会議室のドアに近づいた。
会議室の中から小さな声が聞こえた。
「あ。う・・ん」
女の人の声だ。
絹ズレらしき音もかすかに聞こえる
僕は会議室のドアから離れた。
僕は窓際に移動した。
この会議室は、フロアが造られてから随分後に必要となり、付け足しで設置したものだ。
他の空間と間仕切りをつけただけみたいな簡易に作られた部屋だ。
会議室の壁と窓の間に結構な隙間がある。
窓際で会議室の壁に近づくと、こっち側から会議室の窓ガラスが見える。
つまり、会議室内でやっていることが、窓ガラスにうつるのがこっちから見えるのだ。
僕は見てしまった。
窓ガラスにはHちゃんと副部長が映っていた。
Hちゃんが会議室の机に両手をついて、足を広げ、お尻を突き出すように立っていた。
後ろから副部長がHちゃんの腰を両手でもって密着している。
そして副部長が前後に動いていた。
Hちゃんはお尻の上までスカートをまくり上げられているようだ。
副部長が前後に動くたびに、Hちゃんも前後に動く。
Hちゃんの顔は見えないが、時々首を伸ばして顔を上にそらしているように見える。
「あ・・・う・・・」
Hちゃんの微かな声がする。
僕には二人が何をしているのかすぐわかった。
そのとき、会議室の壁際、窓際にぴったりくっついていた僕は持っていたカバンを会議室の壁にぶつけてしまった。
音を立ててしまった。
窓ガラスの中の二人がビクッとした。
「誰かいる?!」
とHちゃんが叫んだ。
僕は急いで、そこから走り去った。
僕はフロアを出ると、エレベーターホールに逃げるように走った。
しかし、なかなかエレベーターが来ない。
ああこの夜遅い時間は節電対策で、4本のうち1本しかエレベーターを動かしていないんだ。
早く来い!エレベーター!
しかし、僕がエレベーター前でノロノロしていたら、Hちゃんが走ってきたではないか。
急いで洋服を整えて、あわてて僕を追ってきたのだろう。
「お願い!誰にも言わないで!」
とHちゃんは叫んだ。
---------続く------------------
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