他意はなく、月が本当に綺麗でした
私は勘違いロマンティスト

今回はエロくない話です。今、エロエロ気分の人は飛ばしてください。
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今まで、自分のことをあまりそう思ったことがなかったのですが、
実は私は、結構焼きもち焼きで、しかも過去のことを思い出して焼きもちを焼くというか、今さらそんなこと言っても言われてもしょうがないことだろうが・・ということにも嫉妬するんだなと気が付きました。
すんだことには怒ってもしょうがないのに私は怒る。
しかし、しょうがないです。機嫌が悪くなってしまうのはどうしようもないのですから。
私は彼とお話がしたくなくなりました。
私は自分の心にウソをついて、ニコニコすることができません。
私は機嫌悪いのを隠して、ニコニコ話をすることができません。
でも、もし私が何に怒っているかを口にしたら、彼はきっとあきれてうんざりする。嫌われる。
ですので、もうこういう時は、相手とお話をしないというだんまり方法しか私にはとれませんでした。
私は、ある夜に彼からきたメールを無視しました。
上記のような理由で、私には何も返事できなかったのです。
そうしたら、その次の朝、まだ太陽の昇る寸前のころに彼からメールがきました。
彼は時々、早朝出勤をするのです。
「おはよう。今から仕事に行きます。月が綺麗です。」
とそれだけメールがきました。
私は太陽が全然のぼった後にのんびりと起きて、彼のメールに気がつきました。
私があったかい布団でぬくぬくしていたときに、寒々した明け方の夜空の下を一人で歩いている彼が想像され、悲しくなりました。
彼は数日前に風邪をひいたと言っていたのに私はそれを全然いたわりもせずに、ただ自分が不機嫌で。
彼は具合が悪いのに寒い早朝に独りぼっちで歩いている。
私は悲しくなりました。
そして彼は一生懸命、私に一言だけ『月が綺麗』って言ってくれたんだなと思うと彼がいとおしくてしょうがなくなりました。
私は機嫌がすっかりなおり、彼と今までどおり、お話するようになりました。
おわかりですか?
「月が綺麗です」って言葉に「I LOVE YOU」という意味があることを。
その昔、夏目漱石が教師をしているときに、英語の「I LOVE YOU」をストレートに日本語に訳した生徒に、日本人はそんなキザなことは言わないだろ的なことで、「月が綺麗ですね」くらいに訳しとけって言ったとか言わなかったとかって話。
私は彼のメールの『月が綺麗』を『I LOVE YOU』だと思ったのですね。
機嫌の悪い私を思った彼が寒空の下から一言、『I LOVE TOU』と言ってくれたんだなって思ったんでした。
それ以上何か言うとまた、私が不機嫌になってつっかかってきかねないし、それだけにしたんだなと。
まあお上手ね。
一言『月が綺麗だ』とは。
やるね。
・・・・・・・・と思ってたのですが、
ちょっとしたら、んんんん?でも、待てよ?
と私は思いました。
彼には本当に『月が綺麗』の意味がわかっているんだろうか?
私は急いでネットで月の満ち欠けを調べました。
2017年の何月何日は、新月だとか、満月だとか三日月だとかが書いてある月の満ち欠けカレンダーがネットにあるのよね。
彼が『月が綺麗』と言った日は見事な満月でした。
あっ!これは完全に彼はただ、自分の見たままの景色を述べたのに違いない!!
I LOVE YOUじゃないよ。この日の明け方は、本当に満月で綺麗だったんだよ。
数日後に、私はそのことを彼に聞いてみました。
彼は
「ええ?月が綺麗ってそういう意味なの?ぜんっぜん知らなかった!」
だそうです。
やっぱりね・・・。
まあいいか。しょーもないことで怒っても、またしょうーもないことで私の機嫌が直るのであればそれでいいよね。
次の日の彼のメールにはあらためて『月が綺麗だよ』って書いてありました。
その日の本当の月は太った変な楕円みたいな形でした。
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