日本人の交尾①

まぐわることを強制される


裸ワイシャツ 立って片足を軽く曲げている

『彼』がうちに泊りに来た翌朝、コンビニに行こうと思って、門を開けようとして私は驚いた。

門の向こうに急にカメラを持った人が飛び出してきたのだ。
テレビカメラのようだ。

マイクを持った金髪の女の人も私の目の前に飛び出してきた。

「ランちゃんです!ランちゃんが出てきました!!
不機嫌そうです。不機嫌そうです。
・・・性交はうまくいかなかったのでしょうか?」

マイクを持った女の人は私の顔を見るとマイクに向かってわめきたてた。

私と行動をともにしていた警備の人が、彼女とカメラマンを追い払ってくれた。

私はもうコンビニに出かけるのをやめて、家のほうに引き返した。

「なんなのよ、もう~!性交がうまくいかなかったって!」

確かに本当に昨日はそうだったので、恥ずかしいやら悔しいやらで私は憤りながら、大きな庭を家のほうに向かって歩いた。


日本に伝染病がはやり、ほとんどの日本人が死んでしまった。

ほんのわずかしか生き残らなかった。

今、日本はアメリカによって統治されていた。

生き残った日本人は九州、四国、関西、関東、北海道の5箇所に少しずつ分散されてアメリカ人に管理されながら暮らしていた。

日本人が分散されているのは、気候の変化や自然災害などが日本人に与える影響を考えたリスク管理のようだった。
つまり、何か災害があっても、日本人が全て一度に死なないようにと、分散されていたのだ。

アメリカ人は今や絶滅危惧種の日本人を大事に大事に飼っていた。

日本人一人一人に大きな快適なお屋敷が用意された。

お屋敷は警察や警備員に守られ、日本人のためにお医者さん、看護士さん、栄養士さん、コックさん、運動のトレーナー、勉強を教える先生なども常駐していた。
日本人の日常の生活の世話をするメイドさんなどもいた。

数少ない生き残りの日本人が、なんとか健康で無事に今後も生き残るようにアメリカ人は考えた。

日本人のお屋敷の広い庭には梅、桜、あじさい、柿、椿などが植えられ、季節ごとに日本らしい風景を見せるように工夫されていた。

お庭の大きな池には立派な錦鯉や金魚が飼われていた。

大きな庭には秋田犬や柴犬も日本人のなぐさめのために飼われていた。
それを世話する人も屋敷には常駐していた。
ちなみに伝染病は人間にしか影響がなく、日本犬やお魚は大丈夫だったのだ。

アメリカ人は日本人の人権を尊重してくれているようでいてくれていなかった。

日本人は純粋な日本人の子孫を残すことだけを求められていた。

日本人という人種を残すために、私たち日本人は、アメリカ人や他の人種と恋愛することは許されなかったのだ。

いや日本人同士でさえも自由につきあうことも許されていなかった。

数世代あとまで近親相姦にならぬように、うまくペアリングがアメリカ人によって考えられているようだった。

昨日、テレビのニュースでやっていた。

日本人の生き残りの●●さんと◇◇さんのカップルがとうとう結婚したと。

二人が新婚初夜を過ごしたホテルの前には報道陣が集まり、生き残りカップルが顔を見せるのを待ち構えてその姿を撮影していた。

「ああ。仲睦まじそうです。
昨夜は無事、性交が行われたようですね。」
とアメリカ人のリポーターが伝えていた。


私は結婚はまだしたくなかった。

代わりに私のお屋敷には月に何日か日本人の男性が泊まりに来る。

私の排卵日の前の6日間、日本人の男性が泊りに来る。

私のベッドルームは屋敷の3階なのだけど、この6日間の間だけは、メイドさんもお医者さんも家庭教師の先生も3階には上がってこないことになっていた。

3階にはベッドルーム、バスルームはもちろんのこと、大きな居間も音楽室も運動のトレーニング室もあり、キッチンもダイニングもあった。

この6日間においては、もしも私が自分で料理をしたければ、下から小さなエレベーターで食材を送ってもらい、自ら料理をすることも許されていた。
もし自分で料理したくなければ、小さなエレベーターでコックさんの作ったお料理をあげてもらえばよかった。

この6日間は、屋敷の3階は日本人男性と私の二人きりにされて、誰も邪魔をしないので、日本人同士好きなように好きなときにまぐわるようにと言われていた。

「日本人はデリケートだから、気をつけないと」
というのがアメリカ人の意見だ。

本当にそう思っているのであれば、じゃあ、ああいう報道もやめてほしい。

昨日からが私の排卵日前の6日にあたるわけだが、昨日、私がセックスをしたかどうかの確認に、さっきの金髪の女レポーターは来てたのだろう。

私の『彼氏』と決められた日本人男性が初めて私の屋敷を訪れた時は
「セックスしなくちゃいけないのかなあ?」
と私は言った。

「うーん。ランちゃんは嫌なの?」
と彼はきいた。

「今すぐには無理よ」

「まあ、いいよ。ゆっくりつきあっていこう。
でも、僕は日ごろ、禁欲生活を送らされているから今すぐにでもランちゃんとセックスしたいけど」

「そうなんだ?」

最初の6日は二人で話をしたり、庭を散歩したり、警備付きで外に遊びに行ったりして過ごした。
寝るときは彼には1階の客室で寝てもらった。
出会ったばかりの人とセックスする気には、私はなれなかった。

彼が、次の月の排卵日前6日間に来た時の最終日にはじめて私たちはセックスをした。

つきあってみて、私も彼のことがだんだん好きになってしまったのだった。

そして、3回目の今回は私は彼が泊りに来るのがとても待ち遠しかった。

しかし、昨夜ふとした話から私は怒ってしまって、私はセックスを拒否したのだった。

昨日、
「いつも禁欲生活って大変ね。
オナニー禁止なんて、男性はそんなの耐えられるの?」
と私が彼にきいた。

「いやいや、普段はオナニーはもちろん許されているって。
ただ、日本人女性と会う直前はオナニーは我慢しろとは言われているだけ。
でも普段はアメリカ人女性とは二人きりだと食事でさえすることは禁止されてて。
それは辛いよね。
まあそれは君も一緒だよね」
と彼は言った。

「私たちまるでパンダよね。
決められた相手と性交することを皆に待ち望まれて・・・。
うまく妊娠することだけを望まれて・・・。」
と私は笑った。

でも私はそのパンダ状態が今では少し嬉しいと思ってしまっていた。

私と会わない間、彼を私以外の女性から遠ざけてくれるんだもん。
アメリカが国をあげて、私の彼の浮気を防いでくれているのだと思ったのだ。

しかし、そうではなかったようだ。

「でも僕、実は先月は、結構日本人女性とセックスしたな。
生理が25日周期の短い女性の相手をすることになって、先月は結構しちゃった。
あと、君とも1回したし」
と彼は言った。


その彼の言葉をきいて、私は固まった。


「なんですって?」


私は耳を疑った。


「カンちゃん。
今、なんて言ったの?」
と私は彼に言った。

彼は
「え?生理が短い周期の女性っているでしょ?」
と言った。

「そこじゃないわよ!!
カンちゃん、先月、私以外の日本人女性とセックスしたって?」
と私はもう一回彼にきいた。

「そ、そうなんだけど・・・あれ?なんか変?」

平気でそんなことを言う彼に私はびっくりした。

彼は私だけの『彼』じゃなかったのだ。


よく考えてみたらそれはそうなのかもしれない。


結婚もしていないし、子供もできていない場合、何も日本人をいつもいつも同じペアで、1対1でまぐわらせる必要はないわけだ。

もしかして、私たちだっていつまでも妊娠しなかったら、私の排卵日前の6日間に来る人だって、カンちゃん以外の他の男性に変えられてしまうこともあるのかもしれない。

純血種の日本人を繁殖させることだけが目的なのであれば、そんなのはよく考えればありうることだった。

でもそれよりも、私は彼が・・・カンちゃんが、平気でそんなことを言うのが驚きで、悲しくて、頭にきてしまったのだった。

そういうことで、昨夜は私はカンちゃんとのセックスを拒否したのだった。


---------続く----------------
★続きのお話 はこちら → ★日本人の交尾②★日本人の交尾③


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2Comments

ダンディー  

種牡馬みたいに 種付けの セックスしてたんだね?

でも それを 平気で言うのは おかしな話だね…

次の展開に 注目やね(^O^)

2017/03/08 (Wed) 19:54 | EDIT | REPLY |   

huugetu  

Re: タイトルなし

パンダっていつもセックスを注目されてかわいそー・・・というのと。

浮気が心配な彼氏って国家レベルで取り締まってくれないものかなあ・・・という別々の発想から書きました。

2017/03/08 (Wed) 21:46 | EDIT | REPLY |   

コメント