生まれ変わっても私を見つけてくれる 前半
私と絵とエロブログ
私は世間でいうところの大きな企業で激務をしていたのですが、残りの人生でどうしてもやりたいことがあって、給料が今までよりもはるかに安くはなるけれど、自分の自由な時間が比較的とれる会社に就職しなおしました。
そしてずっとやりたかったこと。
絵の勉強を始めました。
以前の会社にいたときにはできなかったこと、毎日、会社が終るとまっすぐ家に帰り、机に向かって絵の勉強をしました。
そして、自分で描いた絵をあちこちに送っては評価してもらったり、ネットに掲載して数千円という安い価格で買ってもらったりしていました。
私は安い価格でも構いませんでした。
はじめは自分の絵をお金を出して欲しがってくれる人が一人でもいるということが大きな喜びでした。
また、そのうち、きっともっと絵が評価されるようになりもっと高い価格で売れるようになると希望を持っていました。
しかし絵が売れることはめったになく、厳しい評価を受けることのほうが多いという状況が続きました。
それでも私は厳しい評価に従って、真摯に自分の絵を改善すべく、日々、勉強、修行を続けました。
毎日、何時間も絵筆を手に取りました。
そんなある日、私のもうひとつの趣味であるブログを息抜きにまた書いてみたいなあと思いはじめました。
ブログは昔から時々やっていました。
毎日、誰かのために食事を作っていた時期は家庭料理のブログ、他、趣味のスポーツについて特化したブログなどを書いた経験が私にはありました。いずれも友達以外の読者はほんの少ししかいないブログでしたが。
私はちょうどそのころ、エロいことでいっぱい話したいこと、人に伝えたいことをたくさん抱えていたので、『エロ』をテーマに新しいブログを立ち上げました。
絵を描く合い間に息抜きでパソコンに向かってブログを気まぐれに書いていこうと思いました。
昔、いくつかやったブログはリアルでの知り合いの人以外の読者は一日に数人しか来なかったのに、新しく始めたブログにはすぐに知らない人がたくさん来るようになりました。
普通、ブログを始めたばかりでは、読者はなかなかつかないものですが、大きなブログのランキングサイトのようなところに二つ登録していたからか、最初からある程度、露出があり、ブログ開始3日くらいで何十人も人がくるようになりました。
ある程度、いくつも記事を書きためてからブログをオープンにし、来た人がすぐに何記事も読めるような状態からはじめたこともそういうことに繋がったのだと思われます。
しかし以前やっていたブログもいずれもこの二つのランキングのサイトに登録していたのにこれほど人は来なかった。
ましてやブログのアクセス解析ツールを見ると、今度のブログはリピーター率がとても高く、1時間もいていくつもいくつも記事を読んでくださる方が大勢いることを知り驚きました。
私はもっと読者を増やしたくなり、ランキングサイトで目立つように画像をブログに載せることを思い付き、自分の写真を撮影して、ブログに載せるようになりました。
しかしブログの内容が内容なので、実際の知り合いや家族にはブログの作者が私だということがバレるわけにはいきません。
パソコン上での絵を描くときに使っていたツールを使い、自分の写真の背景や家具がわからないようにバックをピンク一色で塗りつぶすことにしました。
顔を写さないのは当然のこととして、ネット上では、着ている洋服から身バレすることも多いので洋服も着ずに、私は自分の画像を撮りました。
画像によりランキングサイトで目立つようになったのか
ブログを初めて二週間も立たないうちに1日100人以上の人が訪れるようになりました。
以前のブログは1年やっても一日十人とかそんな感じだったのに、たった二週間で毎日100人の人がくる。
もう止められなくなりました。
私はこの数字を落としたくなくなり、1日に何記事もアップするようになってゆきました。
絵を描いている時間中も手をとめて、『そうだ。ブログの画像を少し撮りだめておこうかな』と考えることも多くなり、私のパソコンの絵を作成するためだったツールは、自分の半裸の写真を加工する道具に変ってゆきました。
またブログの記事も、はじめは何年も前から紙のノートなどに書きためていたことを、ちょっと書き直してブログに書き移すだけの作業でよかったのですが、毎日、2記事もときには3記事書いたりすると、だんだんストックがなくなっていきました。
そうなると時間的に私は絵を描く修行をストップせざるおえなくなってきました。
新しい文章を考えるだけで時間がなくなってゆきました。
気が付くともう3日間も一枚も絵を描いていない・・・という状況になっていました。
だめだ。このままではだめだ。
ここ1年くらい、毎日何時間も絵を描いてきたのに。描かない日は1日としてなかったのに。
せっかく練習してきた絵の腕が落ちてしまう。
私はあせりました。
あせるとがんばってまた絵を数日は描くのですが、また数日するとブログの記事が足りなくなり、そちらにかかりきりになると絵を描かない日々が増えます。
絵に戻らないと絵に戻らないと。
せっかく1年も練習してきた絵の腕が・・・。
絵のことを思うと胸がきりきり痛みました。
またなんのために高給を捨てたんだと思うとますますあせりました。
でもエロブログをはじめてから1か月もたたないうちに1日180人くらい人が来るようになり、もうやめられなくなりました。
もっと読者にこたえたい、読者を増やしたい、よりいい記事を書きたいという欲求が強くなってしまい、とうとう私は絵の修行を完全に中断してしまいました。
そして、私は自分の書いたエロブログに夢中になりながら、自分の絵に対して受けてきた酷評の数々が頭にはよみがえってくるのでした。
今はいわゆる『萌え絵』や女性のネットゲームなどでよく採用されているあごの細い『イケメンイラスト』などの需要が多く、それに対して私の絵は古い、需要にあっていないとよく言われたものです。
一生懸命、真摯に評価や要望に応えるふりをしてましたが、本当はいつしか私は自分の絵を評価してもらうことを嫌うようになっていました。
一生懸命勉強しても描いても描いても
『新しい絵を勉強しなさい』
『全然、進歩しない。改善するつもりがないならもう教えをこうのはやめなさい』
とさえ言われてしまいました。
私はいつしか
『萌え絵』や『イケメンイラスト』を推奨する人々に対して、
「萌え絵好きのこのクソおたく童貞野郎どもが!!」
「ソシャゲ好きなこの喪女おたくどもが!」
と思うようになっていました。
(すいません。別に萌え絵好きが童貞野郎でもないですし、ソシャゲー好きな女性が喪女でもないです。おたくとも限りませんです)
リア充の力を見せてくれるわ!と思うようになってしまいました。
現物の私が裸になってあなたたちの前に立って見せてやるよ!ひれ伏すくせに!!
というとんでもない勘違い野郎のぶち切れ気分でした。
いやいや本当はそういうことじゃないんですけど。
絵の下手さをそういうことにすり替えてはいけないのですけど。
もっと真摯にならないと、そんなことを思ったら、それ以上、絶対に絵は向上しないのですが。
それも自分ではわかっていました。
でも絵を描きたいけど、時間がない。
でも絵を描きたい。
でももう二度と、ケチをつけられたくない。
そこで私は思いました。
自分の無料ブログであれば、誰かにケチをつけられることもあるまい。
絵の先生に『古い』とか怒られることもあるまい。
私は自分のエロブログの挿絵を自分で描こうと思いつきました
そうすれば、ブログを続けることと、絵を描くこと、誰かに絵を見てもらうことが両立する!と思いつきました。
でも、ブログの開設3か月目までは、毎日、文章を2記事を投稿しようと思っていたのでとても絵を描く時間はありません。
実際、昼間、仕事をしながら毎日ブログに2記事描くだけでも大変でした。きつかったです。
実際、子供のころから髪の毛の量が多すぎて、人生ではいつも髪のうすい女性がかわいくて、うらやましいなと思っていた私のぶ厚い髪の毛がこのブログを一日に2記事描いていた時期、実際はげたんです。
この時期、はげまくって、頭の脳内ははいっぱいいっぱいで、禿げまくり、結果、ルックス的には私の好みの薄いサラサラ髪の人になったのでした。
それくらい髪に影響がでるくらいまでに3か月目まではエロブログに手いっぱいで絵を満足に描くことは無理でした。
でも、4か月目になったら、文章の記事は1日1記事に減らそう。
そして、あいた時間で挿絵を描いてブログに載せようと私は誓っていました。
4か月目になりました。
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