独り者君 女よりどりみどり?
ひとりもののエッチ計画

いつも流れるままにというか、流されるままに生きてきた。
偶然、エッチしちゃったことはあるし、あまり気にもしたことない女の子から告白されてつきあってみたことはある。長続きしないで別れちゃったけど。
ちゃんと自分の強い意志で女性にアタックしたのは学生の時までさかのぼる。社会人になってからない。
仕事納めのあと、夜、考えた。
このままではいけない。
来年に向けて俺は決意をした。
来年は明確にターゲットを絞って行動しよう。
まずはエッチだ。
エッチをする相手だ。
ターゲットねえ。
隣の旦那さん単身赴任中なんだよね。
奥さん、俺が独身の一人暮らしだと思って、なんやかや世話焼いてくれたり、いろんな食べ物くれるし、よくおしゃべりするんだよね。
去年の年末も、力仕事手伝ってあげたらすごい喜んでたし。
今年もそろそろ大掃除してるよな。
旦那は大晦日まで帰ってこないって言うし。
こっちから声かけてみようかな。
「去年、大変だったあれ、また手伝いましょうか」って。
で、部屋に上がり込んで・・・・・。
俺は隣の奥さんとセックスしているところを想像してオナニーをした。
そしてイッたあと、そのまま眠ってしまった。
次の朝、目を覚まして、だめだ。だめだ。
ちゃんと考えようともう一度決意した。
同僚のミカもいいんだよなあ。かわいいし、きれいだし。恋人とうまくいってないみたいな噂もきいてるしなあ。
ここでまた、考えを止めて、俺はミカの大きいおっぱいを想像してオナニーをしてしまった。
さっぱりしてから思った。
だめだ。
だめだ。
またこうやってバラバラととりとめもなく、妄想してそれだけで終わるのはもうおしまいだ。
もっときちんと論理的に考えないと。
周りのエッチできそうな可能性のある人、
もしくは可能性は度外視しても自分がしたい人、
リスク
など、多方面から考えないと。
俺は紙に書いてみた。
・隣の奥さん
可能性 9
魅力 6
恥かき度 10
危険度 10
・同僚のミカ
可能性 4
魅力 10
恥かき度 5
危険度 3
一体、俺は何を書いているんだ。
もてもての男が、自分がセックスした複数の女たちを「顔」「スタイル」「アソコのよさ」などに分けて採点しているのを見たことがあるけど、俺はまだなにもしていない女性たちにわけのわからない点をつけている。
俺は何の根拠もないとらぬ狸の採点をしている。
いや。いいんだ。
こういうことが明日につながる!
さ、続きを書こう。
・得意先のよくお茶を出してくれる鈴木さん
可能性 7
魅力 7
恥かき度 6
危険度 9
近所の定食屋件居酒屋の香織ちゃん
可能性 6
魅力 8
恥かき度 4
危険度 4
可能性というのは、俺が誘って、彼女たちがのってくる可能性だ。
隣の奥さんはひよっとして向かうから誘ってくんじゃねえかと思うくらい可能性大だ。
魅力は、いうまでもなく、俺がどれくらいタイプかということ。
ミカは一応、彼氏はいるし可能性は低いが、魅力的だ。
恥かき度は、もし俺がアタックして失敗した場合。
ミカには振られてもまあしょうがないんじゃないかな。真剣な振りして迫って、真剣に振られれば、きっと何も問題なし。
同年代の同僚の女性に惚れるなんて世間に実によくあることだしな。
ちょっと恥ずかしいけどよくある話。
ミカは、さっぱりしたやつだし、ましてや自分のことをあちこちに言いふらすやつじゃない。失敗しても危険は少ないと思う。
危険度とは、二人だけの問題じゃなくいろいろな意味でね。
得意先の鈴木さんはお茶を出してくれるだけで、この子と仕事をしているわけではない。
ただ、懇親会でおしゃべりをしたときやたら俺を気に入って、べたべたしてくれた。好感度大だと思う。
それにあそこの得意先より、俺の会社のほうが給料いいことを鈴木さんは知ってるからな。
鈴木さんには振られてもその後、あまり顔を合わせないようにすればいいので、きまずくないと思うけど、危険度やや大だ。
あの子がおしゃべりかどうかわからないものな。
俺が得意先中の笑いものになったりしないか。
いや笑いものになるくらいだったらいいけど、鈴木さんが自意識過剰な女で大騒ぎして、出入り禁止とかややこしいことになったら大変だよな。会社同士の問題に発展するよな。
また遊びでは済まないことになったら大変だよな。俺の給料目当てであっちが本気になってくるかもしれない。そこまで俺が彼女に真剣になれるか?
そして隣の奥さんに振られたらどえらい恥ずかしいことになるぞ。
明日から会えないし、旦那に言いつけられたら大変だ。引っ越さないとならなくなる可能性がある。危険度大だ。
魅力度6の人にそこまで、危険を冒してアタックする価値はあるのかどうか。
居酒屋の香織ちゃんはルックスもそこそこだし、もし振られても、二度とあの居酒屋に行かなきゃいいだけだし、何も問題なさそうだな。でも俺に気があるのかないのかいまいち、わからない。
よく俺だけにって言ってサービスしてくれるけど、もしかしたら誰にでもそうしてんのかもしれないしな。
あーあと、もしも香織ちゃんと気まずいことになったら、町内の草野球大会にはもういけないな。香織ちゃんよく応援にくるもんなあ。
あの居酒屋には二度と行けなくても全然かまわないけど、草野球大会は捨てたくないよなあ。
ここまで紙に書いて、俺はため息をついた。
俺が真剣じゃないから問題なんだよな。
俺が真剣に恋しているのだったら、たぶん、可能性とか危険度とか恥とか考えずにまっすぐにあたって砕けられるんだけど、
ただエッチがしたいだけだから、問題なんだよな。
そうするとやっぱりご商売の人でいいじゃんってことになるかな。
そしてまた来年も流されるままに生きてゆきそうな俺だった。
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