女性の飼育にチャレンジ?①

銀河系一扱いにくい地球人女子


シーツに寝転がる
メタタグ星人のルーは、動物園を経営していた。

様々な星のいろいろな動物を集めた自慢の動物園だった。


あるとき、ルーは地球からもいくつかの動物を持ってくることになった。


メタタグ星の国際法では、今まで、長らく学者の研究以外の目的では地球の人間を狩ってはいけないことになっていた。
しかし、ルーは、このたび、国に認められた大学と動物園との共同研究のプロジェクトとして、地球の人間を連れてくることを許可されたのだった。


ルーは、地球で興味を持った象とキリンとライオンを数匹ずつと、人間を数名、捕まえて、星に持ち帰り、自分の動物園で飼育を始めた。


ルーは地球の動物たちには広い敷地を与えて、温度管理等にも気を配り、大事に育てた。

すぐに地球の動物たちは、メタタグ星の動物園の環境にも慣れたようだった。


特に地球の人間には、動物園内を自由に歩かせるようにして、メタタグ星のお客さんの人気を集めた。



が、1名の地球人女性、ミミだけがどうも様子がおかしい。

食事を極端にとらなくなった。

心配したルーは学者と獣医に相談し、精密検査を受けさせた。


その結果、健康には何も問題ないということだった。


しかし、このまま放っておくと、どんどん痩せていってしまい、やがては健康を害するかもしれないというのが学者と獣医の出した結論だった。


「動物園の食事が口に合わないのではないでしょうか」

ルーはやせ細ったミミの腕を握りながら
「よし、僕がミミを元通りにしてみせる」と言った。


ルーはミミを自宅に連れ帰った。


以前、メタタグ星の白熊の母親が、自分の生んだ子をまったくめんどうみないことがあり、そのときに白熊の赤ん坊を自宅に連れ帰って育てた経験がルーにはあった。
そのとき、自宅を白熊にとっての快的な非常な低温度に保ち、ルー自身は寒さの中で耐えて暮らした。
白熊は立派に育った。

その経験の自信から、ルーはミミのことも家での飼育で元気にしてやれると思った。



「でもミミの場合は、そもそも病気でもなんでもないんだよな。元気なんだよな。活動も活発だし。ただ、食事をしないでどんどん痩せていっているだけで」


ルーは、ミミを自宅で飼育する間、地球人の言葉がわかる通訳にも通ってきてもらうように依頼した。


通訳に、ミミのここでの生活を説明させたあと、
「ミミに何だったらたくさん食べられるのかきいてもらえますか」とルーは言った。

通訳が地球人の言葉でミミにたずねると
「野菜サラダ。きのこ類。豆腐。ヨーグルト。お刺身。あと、肉だったらささみ。あと、そうだ。フカヒレも!」

などとミミが言った。

「ご飯やパンはいらない。肉もささみ以外いらない。甘いものもいらない」


「でも、ほんのときどき、パフェとパンケーキも食べたい」

ミミが欲しがったそれらの地球の食べ物に似たものをメタタグ星で探して、ルーは集めた。


1日目、2日目は喜んでミミはそれらをたくさん食べた。

3日目に地球でいうところの「パフェ」に類似したものを朝から用意してやったら、ミミは「いらない」と言った。

「3日に一回は食べ過ぎよ。パフェは2週間・・・いえ3週間に一回でいいわ」

なかなか難しいなとルーは思った。


しかし、ルーが、パフェを片づけようとしたとき、
「ちょっと待って」とミミは言った。

「せっかく用意してくれたから」とミミは言った。
そしてパクパクとそれを夢中で食べた。あっという間に大きなパフェをたいらげてしまった

「なんだ。どうもサラダやささみなんかよりこれが大好きなんじゃないか。」

「もう少し食べるか?」
ルーが予備で用意していたもうひとつの味の違う大きなパフェを出すとそれもミミは目を輝かせて喜んでたいらげた。

でも、次の日の朝、ルーがミミの部屋に行くと、ミミは怒っていた。


「あなたが昨日、無理やりパフェを食べさせるから太ったじゃない!!もう!!」

ミミは一日中不機嫌だった。その日は、ささみや刺身も何も口にしなかった。

ルーはオロオロしてしまった。
難しいもんだな。

何日も試行錯誤して、ルーはようやく、ミミの食の管理ができるようになっっていった。




そんな、ある日、ミミは
「私がいない間、動物園はどうなっているのかしら。みんな元気でやっているかしら。」と言った。

「とっても順調だよ」とルーは通訳に話してもらった。

「特にヨウコはお客さんに人気が大爆発して、動物園は連日、長蛇の列でお客さんの整理するのも大変なくらいだ。経営者としては嬉しい悲鳴だ。本人も実にイキイキ、楽しそうに過ごしている。」

ヨウコとは、ミミと同時期に地球から連れてこられた女性の一人だった。


「そう」とミミは言った。

「ヨウコは素晴らしく美しく魅力的だからね。うん、あの子は素晴らしい!」とルーは嬉しそうに語った。


ミミは、怒って口をきかなくなった。


困った。理由がわからないルーはまた頭を抱えた。


ルーは学者に相談した。

「わかりませんな」

焼きもちや嫉妬や、ましてや拗ねるなどという感情は、高度なメタタグ星人にはわかりにくかった。


「そうだ。地球の愛情表現を試されてはいかがですか」と学者は言った。


ルーは家に帰ると、学者に教わったとおりにミミにキスをしてみた。

ミミは怒ってその日は部屋に閉じこもってしまった。


しかし、次の日、朝、ミミの様子を見ると機嫌がよかったので、少し様子を見てから、また、ときどきルーはミミにキスをするようになった。

何日かすると、ミミは自分からルーにキスをねだるようになった。

ミミの機嫌もどんどんよくなって、ルーにすっかりなついていった。


「これはいい方法を知った」
ルーは動物園の飼育係たちにもこれを伝えて飼育係たちはこれを実践した。


ある日、ルーはミミを動物園に久しぶりに連れて行ってみた。


そこで、動物園の園内を自由に歩き回ってお客に愛想を振りまいていたヨウコに二人は出会った。



「ヨウコ おはよう」とルーは言って、ヨウコを抱き寄せるとキスをした。


もうこれは、この動物園でのメタタグ星人の飼育係と地球人との間ではふつうの挨拶となっていた。


ルーはヨウコに、長い時間、ディープキスを繰り返した。
ヨウコはキスの合間にときどき、目を開け、うっとりとした顔をしてまた、ルーにキスされていた。

ルーもなついてくるヨウコがかわいくてしょうがないらしく、ヨウコをぎゅっと抱きしめてキスを繰り返した。


しばらくそれを見ていたミミは、怒って、走って動物園から飛び出した。



その後、ミミを探し回って数時間後に、やっと家に連れ帰ったルーはまた頭を抱えた。


ミミは、口を聞かなくなり、またあまり食事を食べなくなった。


-----続く----------------------------
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