夢の宇宙ステーションでのエッチ
いろいろお世話します

エベクス(EBEKUS)は、宇宙の開発に携わる国家の機関である。
このたび、エベクスの隊員が数10名、1年間の計画で 火星の宇宙ステーションに居住することになった。
隊員たちは、1年間、火星の探索、研究をするのだが、
この計画は、彼らが実際に宇宙ステーションの中で居住してみて、将来的に人類がそこで地球上での生活と変わりない、快的で健康な生活を営めるかなどの検証実験も兼ねていた。
配偶者や恋人のいる隊員はそれらの人を連れていってよいということであった。
本当かどうかはわからないが、宇宙生活でもちゃんとセックスが正常に行われるのか試すためだという噂が職員の間には流れた。
独り者の恋人のいない隊員、W部とP井は、二人でエベクスの食堂で昼食をとっていた。
P井は言った。
「僕はおふくろを連れてくよ」
「はあああ!?」
とW部は叫んだ。
「君、一体、何歳だよ。
母ちゃんつれてくってマザコンか?
大体、そんなの許されるわけないだろが」
とW部は言った。
P井にきくと、女手ひとつで自分を育ててくれた年老いた母とは、忙しくてもう何年もゆっくり過ごしていない。
今後も、きっと母が亡くなるまで、親子でゆっくり過ごすこともできないだろう。
母は昔から宇宙にゆくのが夢だったし、せっかくのまたとないチャンスだから向こうで1年間、親子でゆっくり過ごしたいそうだ。
実は、この話は、先にエベクス側から持ち掛けられたという。
「お母さんの体、大丈夫なのかよ。
それは心配じゃないのかよ」
とW部は言った。
「母は非常に頑丈で健康だ。
エベクスは実は、そういう実験は願ったりかなったりだそうだ。
年をとった人が宇宙の居住空間で快的に過ごせるかどうか、何か問題があるかどうか、確認したいそうだ」
とP井は答えた。
「ひでえな。
お年寄りを一種の人体実験にするってことだぞ?
わかってるのかそれ?」
とW部は言った。
「いいんだよ。
僕たち親子もそれを望んでいるんだし。
君も誰かひとり連れてけよ」
とP井は言った。
W部は考えた。
自分には特定の恋人はいない。
なじみの風俗のわっこちゃんのことも考えてみた。
彼女なら大金を渡せば、1年間の出張仕事だと思って、きっとついてきてくれるような気もした。
今回の1年間のステーションの仕事で、大きな報酬をW部は手に入れられることになっていたし、同行する人にも、その人の1年を拘束する対価ということで、かなりの金銭が出る。
でもわっこちゃんは、本番はやらせてくれないしな。
とW部は思った。
「うーん。連れてゆく人か・・・」
W部が考え込んでいると、そこに女性職員の和貴が来た。
「W部さんにP井さん。
こんにちは」
和貴は言った。
「あのね。きいてください。
私も宇宙ステーションに行くことになったのです」
「えー君も?」
W部は思った。
難関な試験や、かなりの準備期間を経て、宇宙ステーションに滞在する隊員は選ばれたはずだ。
特にこれといった活動もしていなかったような事務職の和貴が選ばれるとは信じられない。
「びっくりしちゃった」
と和貴は言った。
和貴は朗らかで優しく、誰とでもすぐ仲良しになれる性格で、 職員の間でもとても人気のある女性ではあった。
和貴が去った後、P井は言った。
「ああいうコもつれていって、ステーション内を和ませるとか、そういう狙いなのかな?」
次の日、エベクスの上司に呼ばれたW部は次のようなことをきいた。
「宇宙ステーションに連れてゆく家族がいない君のような者には、エベクスで選んだ人を一人、お世話係としてつけることにした」
「お世話係ですか?」
W部が上司にきくと
「そう。
ステーションのなれない生活の中での精神の安定を考慮して」
と上司は言った。
「それで、君には和貴君をつけようと思う」
W部はびっくりした。
お世話係ってなんだ?
もしかして、あんなことやこんなことのお世話もしてもらえるのか。
エベクス、気がききすぎているだろ。
「和貴くんは、実はここに来る前に、一般の大手企業でメンタルヘルスケアカウンセラーとして働いていたこともある。
彼女には君のメンタルの管理を命じた」
W部たちが宇宙ステーションに旅立つまでの半年間、お互いのことをよく知るためにということで、W部の宿舎であるマンションに和貴が引っ越してきた。
このマンションはエベクスの隊員だけが、男女30人ずつくらい住んでいた。
和貴はW部の部屋のすぐ下の階に越してきた。
毎日、仕事のあと、和貴はW部の部屋にきて、1時間ほどメンタルヘルスの講義をした。
最初のうちは、講義が終わると和貴はすぐ部屋に帰っていったが、そのうちに、W部の部屋でお茶を飲みながらおしゃべりをして過ごしたり、二人で映画のDVDを見たりするようになった。
でもいつも11時ころには、和貴は自分の部屋に戻っていった。
W部はすっかり和貴のことが好きになっていた。
和貴も多分、同じ気持ちだとW部は思った。
あるとき、いつものように11時に和貴が帰ろうとしたときにW部はひきとめた。
和貴のことがどんなに好きかを告白したあと、W部は和貴を抱き寄せた。
W部に口づけされると、和貴はしばらく、体を固くしていたが、やがてW部に体を預けてきた。
自分も口づけに応えながら、W部の腰に手をまわしてきた和貴だった。
服を脱がせると和貴のきれいな体をW部はまさぐった。
和貴は「あん・・」と言いながらW部にしがみついた。
W部が和貴の女性器を触り始めたとき、数10秒だけ「ああ・・・あん」と言っていた和貴が急に上半身を起こした。
「和貴ちゃん?」
和貴はW部の手を自分の股間からどけると、言った。
「ごめんなさい」
「このことは私は忘れます。」
和貴は言った。
「W部さんも忘れて」
W部は和貴の言葉に不満そうに
「何言ってんだよ」
と言いかけると、それを制して和貴は
「忘れて!そして誰にも言ってはだめよ!」
と強く言った。
「社内恋愛禁止なんて就業規則ないだろ?
俺たち大人だろ?なんでそんな・・・」
とW部が言うと
「いいから。今は忘れて。
お願いだから私のいうことをきいて」
と和貴は言い続けた。
「ダメだよ」
とW部は言うと、和貴を再び押し倒した。
「ああっ」
和貴は口で「だめ・・・」と弱々しく抵抗していたが、ほとんどW部のされるままになっていった。
二人はとうとう、一つになった。
W部は「好きだよ」と言いながら、夢中で和貴を抱いた。
和貴はまだ、「だめ・・・」と言いながらも自分も腰を動かしていた。
******
その後、二人はベッドの上で少しうとうとした。
突然和貴が目を覚まし、がばっと起き上がった。
「大変!
もう午前3時だわ。
帰らないといけないわ」
和貴はW部が止めるのもきかずに部屋を飛び出した。
「なんだよ。
門限なんてないだろ?」
W部は取り残された感で、少し寂しかったけど、まあいいと思った。
明日から、楽しい和貴との生活が始まる。
W部の部屋を飛び出した和貴は、廊下の少し先で待ち構えていたエベクスの職員を見つけると下を向いた。
次の朝、上司に呼び出されたW部は
「君の宇宙ステーション行きは取り消されることになった」
と通告された。
「どういうことでしょうか?」
「我々は君に最後の試験をしてみたのだ」
「君が女性に弱いということがよくわかった。
そういう者は、狭い宇宙ステーションの中で共同生活を送ることに向いていない」
上司は言った。
「残念だったが、これにめげずに、今後は通常の職務で力を尽くしてくれ」
W部はエベクスの上層部のやり口にとても頭にきた。
W部は上司の部屋を出ると、自分のデスクで何かを書いて、再び上司の部屋をノックした。
「これ」
と言って、W部は辞表を上司の机に叩きつけた。
「そういう気の短いところも失格だな。
よかった。
君の欠点にぎりぎりのところで気が付くことができて」
と上司は冷たく言った。
「あ~。
夢の宇宙ステーション生活どころか、世間にうらやましがられるエベクスの職員から、一気に無職になっちまった。
まあいーや。
なんとでもなるだろう。
あんなところこっちから願い下げだ。
なんだよ。
お世話係なんて気の利いたことすると思ったら、罠かよ!」
エベクスを辞めてやったのはすっきりしたが、和貴のことを考えるとW部の胸は傷んだ。
「まったく、ひどいことするぜ」
宿舎のマンションに帰って、W部は荷物の整理をさっそく始めた。エベクスをやめたからには、ここもすぐに退去しないといけないだろう。
1時間ほど片付けをしてから、急にW部は動きをとめた。
手にしていたものを放り出して、ベッドに転がった。
なんだかむなしくなったのだ。
和貴と過ごした楽しかった日々。
昨日も、ここで和貴と過ごした。
なんだったんだよ。あれは。
W部が、ベッドの上でぼーっとしていると、玄関のチャイムが鳴った。
ドアを開けると和貴が立っていた。
「W部さんが辞表を出されたと聞いて・・・。
私もエベクスをやめてきちゃいました」
と和貴は笑いながら言った。
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