生き残った三軍選手たち㉑

北西部の火山を爆発させたサフラン国


ボンテージ姿で膝を立てて机の上に座っている

前回までの話➡生き残った三軍選手たち①                                       

国の北西部の山、南東部の山、南部の山が噴火し、人工物と混じわった。
その結果、有毒ガスが生成されて、なぜか、国民の中の①トップレベルのスポーツマン、②トップレベルの美人、③トップレベルの美声の持ち主たちが亡くなってしまった。

*******

総務部長により、大勢の人が動き出した。
というか、総務部長が、本社役員の佐藤本部長とシステム部長に連絡を取ってくれたことにより、動きだした。

この日は休日。
佐藤本部長は、自宅のリビングでゆったり、昼間にやったゴルフのプレイを振り返っていたところだった。
佐藤本部長は、総務部長の突然の電話に驚いた。

総務部長が説明すると、佐藤本部長は言った。
「『大喜利のネット』を経営をしている私の友人は心配していたんだ。
ドウリョウ君はこんな風にあちこちのシステムを荒らしてるんじゃないかと。
それで、いつか痛い目に合うんじゃないかと。
でもなあ。
友人や私が心配したのは、そんなことしていたら、いつかどこかに訴えられてしまうんじゃないかということだよ。
そんなことで誰かに誘拐されるなんていうのはちょっと信じられないな。
でもわかった。
ちょっと友人にもきいてみるよ」

「お願いします。佐藤本部長。
出来たら、そのご友人もご一緒に、私と一緒に警察にご同行いただきたいのですが」
総務部長は、そう頼んだ。

総務部長は、企業の役員が頼めば、もしかしたら警察も動いてくれるのではないかと思った。
そして、ご友人がドウリョウさんのやっていたことを警察に説明してくれたら信憑性がある。

「ステキよ♡総務部長」
と秘書さんが持ち上げてくれた。

はりきった総務部長がシステム部長に電話すると、システム部長は、午後から、いくつも部下たちからの問い合わせを受けていたそうだ。
システム女子が流したグループLINEによってのことだった。

「ドウリョウは行方不明なんですか?」
「ドウリョウさんはどうしたんですか?」
「コンプライアンス研修で何があったんですか?」

総務部長とシステム部長が話し合った結果、大勢いるシステム部員たちは、終電に乗って、コンプライアンス研修合宿所に向かってくれた。
警察が動いてくれない可能性が高いので、自分たちで動こうと。
研修合宿の周囲に聞きこみをするということで。
合宿所の管理人さんに電話して部屋も用意してもらった。

でも、オズボーンは、総務部長に言った。
「システム系の人って、”聞きこみ”とそういうの不得意なんじゃないすか?
もっとネットとかでなんかする方が得意なんじゃないですか?
刑事みたいなマネをするのは、きっと僕の方が得意だ。
僕も、もう一度、合宿所に行きます」

総務部長は、
「まあ待て。
システム部長は、ネットを使った聞きこみもしてくれると言ってくれたよ。
誰かドウリョウが連れ去られたのを見た人はいませんかとか?
この人を見かけた人は教えてくださいとか、そういうのをSNSで拡散してくれると」
と、言ったあと、
「オズボーン。
君は、私と佐藤本部長とご友人と一緒に警察に行こう。
そこで説明をしてくれ」
と言った。


赤と黒のボンテージで机を跨いで大股開きをしている


(場面変わってタケシ君)

火山ガスで、一軍の投手の多くが亡くなってしまったアナコンダズ。
三軍の山村が、昇格して活躍し始めたシーズン。
ようやく山村が、プロ野球ファンに認知されてきた頃だった。

最近、中学のラグビー部の練習が忙しくなって、お父さんのテレビの野球観戦にさえタケシ君はつき合ってくれなくなった。
土日も練習があるので、スタジアムに行くことなど、もっと無理だった。

ビビちゃんも山村と結婚して忙しくなったのか、球場に来れなくなってしまった。
お父さんは少し寂しかった。

そんなお父さんに向かって、お母さんは言った。
「ラグビー部の顧問の先生が亡くなっちゃって、あんなに落ち込んでたタケシだけど、すっかり元気になってよかったじゃないの。
教頭先生のおかげよ。
タケシは以前より生き生きしてるわ」

頷いたお父さんにお母さんは、
「お父さん。
さ来週の日曜日には、タケシのチームの練習試合を応援しに行きましょうよ。
タケシは多分出場しないって言ってたけど、見に行ってみない?」
と言った。

お父さんが、
「タケシが出ないのに見に行くの~?」
と言うと、お母さんは、
「そうよ。
日曜日にラグビーの試合に一緒に行ってくれるのなら、平日の夜のアナコンダズ戦に私、つき合ってあげるわ」
と言った。

ある金曜日の夜、タケシ君がお友達の家に泊まるというので、お父さんは初めてお母さんと二人きりでアナコンダズのナイターの試合観戦に行った。

試合が始まる前、スタジアムの外野席でお父さんとお母さんは、焼き鳥を食べ、ビールを飲んでいた。
風がとても気持ちよかった。

「なんか昔、こんな雰囲気の夜、あったよな」
とお父さんは言った。
「そうそう。
結婚する前に一回だけ、スーパーキャッツのナイター見に行ったわよね。
そのときも風が気持ちよくって。
で、そのときも、やっぱり焼き鳥食べたわよね」

「確か、あのとき、会社から無料チケットもらったんだよな~」
「でもいくらタダだからって、あんなに遠いスーパーキャッツの試合をどうして見なきゃいけないのって思ったわよ。私」
とお母さんは笑った。

お父さんはもう酔っていた。
「そりゃ、お母さん。
お母さんを帰れなくさせる理由を作るためじゃんか」

確かにその日、大延長になってしまったスーパーキャッツの試合。
終電がなくなった若き二人は、その日にホテルに初めて泊まったのだった。

お母さんが恥ずかしそうな顔をしてお父さんの発言をわざと無視したとき、お父さんたちの前の席に、女性アナコンダズファン三人組が座った。

彼女たちは、きゃーきゃーとはしゃいで話をしていた。
ようやく山村が、プロ野球ファンたちに認知されてきた頃だった。

「じゃああん!」
「あ、山村ユニ買ったんだ?」
「ウン♡」
「でもさ、知ってた?山村って結婚してんだよ」
「うそ~!!してないでしょ?」
「してるよ。何かに書いてあったよ」
「うそ?いつよ?!去年は間違いなく独身だったはずなのに?」
「あはは。あなた、もっと早くに目をつけてればよかったのにね」
「いいもん!
私、別にそんなの狙って応援してるわけでもないもん!」

女性客たちのそんな様子を見て、タケシ君のお父さんとお母さんは笑った。

しかしだった。

この日、アナコンダズ優勢の試合の中盤、中継ぎで出て来た山村が倒れた。

相手のバッターの打ったピッチャーライナーを受けるときに山村は倒れた。

タケシ君のお父さんとお母さんの席の前の女性客たちは、つんざくような悲鳴をあげた。

最初、ボールが当たったのかと思ったが、違った。
スローモーションが球場のスクリーンに映し出されると、ボールは山村にはぶつかっていなかった。
山村の脇をすり抜けていた。

山村はボールにぶつかったわけではなく、ただ倒れたのだった。

そしてしばらく起きてこなかった。


ボンテージ衣装で片膝を立てて座っている


国や大学や研究機関や企業が協力して、火山毒ガスの仕組みを解きかけていた。
実験の結果、火山の噴火ガスと、いくつかの産業廃棄物を組み合わせてみると、今回のような有毒ガスが生成されるということがわかってきていた。

一方、医者たちは有毒ガスによる患者の症状を調べていた。
亡くなってしまった人たちの他に、軽い症状で入院している人も後遺症が残っている人たちもいたからだ。
この人たちは、トップレベルで肉体が強じんな人ではなかったが、それに次ぐような優れた身体をしていた。

この人たちは静養してすぐに治った人もいれば、元気にしていたかと思うと、突然倒れてしまう人もいた。


もう一方、火山学者・地震学者たちは、ガスについてではなく、なぜ、突然に火山噴火が立て続けに起こったか?ということを考察していた。

南東部の山は、もともと小さな火山噴火を数年に一度、たびたび繰り返していた。
そして、南東部の山と南部の山は地面の下で、プレートが影響しあっているので、今回、南部の山が南東部の火山に影響されたことは理解できた。

問題は、一番最初に火山噴火を起こした北西部の山だった。
北西部の山も、一応分類は活火山ではあるが、ここ40年ほどはおとなしかったからだ。

しかし40年なんて地球の歴史に比べたら、ほんの一瞬。
そういうこともあるのだろうという結論を出すしかなかった。


********
(合宿所のそばのビジネスホテル)

ドウリョウさんは、ビジネスホテルの部屋で、バスローブ姿で、SM嬢に強めのムチで叩かれていた。

「ああん!痛いっ!やめてえ!
僕、そういう趣味ないからやめてえ!」

裸の上にバスローブを着させられて、無理やりニッコリ笑わせられて、SM嬢とのツーショット写真を取った後だった。

ここで拷問され、もし口を割らなかったら、過剰なSM趣味による事故ということで処理されてしまうのだろうか。

SM嬢のムチがしなった。
ビシッ!!

「痛ーい!やめてえ!」

「あなたが誰の指図で動いてたのかを吐けばやめてあげますよ」

「ウソだああ!吐いても殺すんだろ?」

システム女子の兄を名乗っていた男は、
「そんなことないですよ。
うちの国は、あなたみたいな技術を持った人間をたくさん必要としています。
我々が知りたいことを教えてくれたら、殺しません。
国に連れて行って働いてもらいます」
と言った。

「冗談じゃないよ!
注射を打たれて箱に入れられて連れていかれるのかッ?」
と、ドウリョウさんは涙目になって言った。

「そこはすいません。
我慢してもらいます。
でも国に帰ったら大事にしますよ」

ドウリョウさんはぞーっとした。

SM嬢は今度は縄を取り出して来た。


胸がブカブカのボンテージ衣装の全身奢侈な


どうしたらいいのだろうか。
吐くも何も、このドウリョウさんを拉致ったどっかの外国の男たちが、何の組織なのかもわからない。
数々のシステムに潜入したきたドウリョウさんには、検討がつかなかった。

男の一人は、SM嬢から縄を受け取ると、ドウリョウさんの首に巻き付けた。
「首を絞められると、セックスのときに最高の快感を得られるというマニアはある一定数いる。
そういうプレイ中に死んだ事例は、過去、”過失致死罪”で処理されたことがある」

「やめてえ!」

男は、縄をグイッとひっぱり、ドウリョウさんにすごんだ。
「ああん?
おまえらの組織はどこなんだ?
いつから我が国に目をつけていた?
お前が北西部の研究所に勤め始めたころからか?」

それはヒントとなった。

ドウリョウさんは、首と縄の間に手を突っ込み、縄が首に食い込まないように必死で耐えながら考えた。
(研究所がやっぱり関係あるのか?
いや違うな。
うちの会社は関係ないな。
こいつら、うちの会社のことは疑ってないもんな。
僕の親分が誰か?とやたらと知りたがっているんだもんな。
親分なんていないんだけどさ)

ドウリョウさんを脅していた男が、ロープから手を離して少し下がると、SM嬢が、またムチでドウリョウさんを叩いた。
「誰の指示で火山に近づいたかお言い!!」
と叫びながら。

そしてSM嬢は、ドウリョウさんの上に跨って、細い両手で首を締めようとした。
「誰の指示でシステムに侵入したのかお言いっ!!」

「ぐぐぐぐ!」

ドウリョウさんは、軽く苦しみながら、一生懸命考えた。
(こいつら、北西部の火山噴火に関係あるのか?
うそでしょ?
うそでしょ?
うそでしょ?)

オズボーンやシステム女子やドウリョウさんたちは、当初、火山の毒ガスを作ったのは、自分たちの会社の研究所なんじゃないかと疑っていた。
それで、会社内のことを色々調べていた。
しかし、結果、それは全くの検討ハズレだったわけだが。

国の研究でも、『火山ガス+産業廃棄物』で、あんなガスが生成されてしまうことがわかってきていた。
あの有毒ガスは、誰かが故意に作った物ではなかった。
誰も意図せずに、有毒ガスは生成されてしまった。
言い換えれば、人類が、意図せずにというか、何も考えずに垂れ流した産業廃棄物のせいで有毒ガスは生成されてしまったのだった。

このドウリョウさんを拉致った男たちの国が関わっていたのはそこではなかった。
男たちの国は、毒ガスではなく、北西部の火山爆発自体に関わっていたのだった。

首絞め責めと、ムチ責めでフラフラになる頭でドウリョウさんは、考え、そして思い出した。

(ローズ国じゃなかった。
言語が似ているので間違った。
ローズ国の隣の隣の国だ。
こいつらサフラン国か。
確かに、僕はサフラン国のなんかのシステムも一度のぞいたことがあった。
飛行機みたいのや、爆弾の設計図とかいろいろ見た。
ああそう言えば。
なんか小さな山を爆破する実験の動画もあったような気がする。
でも、僕、そういうのに興味ないから、つまらなかったからすぐに閉じたんだけどなあ。
字も読めないし)

そう。サフラン国が北西部の山を火山噴火させたのだった。
そして、その計画をドウリョウさんが探っていると疑っていたのだった。
サフラン国の軍事のシステムに入り込んで来たドウリョウさんのことを。


ボンテージ衣装のお股がアップなやつ

次回に続く
➡生き残った三軍選手たち㉒    







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2Comments

ダンディー?  

No title

鞭で打たれてるわりには、色々かんがえるね👍かれの運命は如何に?

2021/05/13 (Thu) 19:07 | EDIT | REPLY |   
huugetu

huugetu  

Re: No title

SM嬢の拷問って喜ぶ人もいるだろううな

2021/05/13 (Thu) 22:35 | EDIT | REPLY |   

コメント