生き残った三軍選手たち⑥
火山毒ガスの秘密に迫るのか?

前回までの話➡生き残った三軍選手たち① ② ③ ④ ⑤
国の北西部の山、南東部の山、南部の山が噴火し、人工物と混じわった。
その結果、有毒ガスが生成されて、なぜか、国民の中の①トップレベルのスポーツマン、②トップレベルの美人、③トップレベルの美声の持ち主たちが亡くなってしまった。
世間のネット民の中の一部には、火山のそばにある研究所が怪しいと噂する人もいた。
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火山毒ガスにより、自分の事務所の主力女優や歌手たちを失ってしまった芸能事務所の社長は、生き残った整形美人アイドルA子ちゃんと、新人タレントのアリスちゃんと一緒に頑張っていた。
それまでもソコソコ売れていたA子ちゃんは、今回自分に突然巡ってきたチャンスを生かして飛躍しようとしていた。
A子ちゃんの歌唱力は三軍選手ではなく四軍選手だったので、社長と彼女は歌手の道は捨てることに決めた。
その代わり、大物女優でありながらテレビで司会もしていた故・マキマキ子の後釜も務めたし、自腹を切って演技の勉強もしてお芝居の仕事にも取り組んだ。
A子ちゃんは整形していたことが世間にばれてしまったが、人気をどんどん獲得していった。
知名度ゼロだったアリスちゃんにもファンがつきだした。
でもA子ちゃんみたいに器用ではなかったアリスちゃんは苦戦していた。
A子ちゃんのバーターで出るテレビや、事務所の人が獲得してきた仕事を次々にこなすだけでせいいっぱいだった。
ある夜、仕事帰りにマネージャーと一緒に車に乗った時、アリスちゃんは涙を流した。
「このままじゃ死んじゃう」
マネージャーはハッとした。
「ごめんよ。仕事を詰め込みすぎて。
さ来週は休みを作ったよ。
それまで頑張って」
「今までは学校にも通えたし、休みもあって、演技のレッスンやダンスのレッスンや日本舞踊のお稽古なんかもさせてもらっていたのに・・・・・・。
今はそれもなく、馬車馬のように働かされて」
マネージャーはすまなそうに言った。
「ご、ごめんよ。
うちの会社、今ピンチで・・・・・・」
アリスちゃんは、涙を拭くと顔をあげた。
「いえごめんなさい。
ワガママを言って」
アリスちゃんは、涙で目をウルウルさせながら言った。
「わかってる。
本当は自分でもわかってます。
今までは、先輩の皆さんが頑張ってくれていたし、皆さんがお金も稼いでくださっていたから、ど素人の私が贅沢にお勉強させてもらえてたんだって知ってます」
マネージャーも少し涙ぐんでいた。
「ごめんよ。
君もご両親も、芸能界入りを全く考えていなかったのに。
僕が街でスカウトしてして、ごり押ししてしまったばっかりに」
アリスちゃんは、
「いいえ、いいえ!」
と言った。
「事務所に入ってから、私、マキマキ子さんの自伝読みました。
あの方が、昔どんなに苦労していたか知りました。
10代のころから社長と二人だけで小さな事務所で頑張っていたって。
たった二人でフル回転して。
今の私なんかより大変な時期を経て、マキマキ子さんは大物になっていった。
社長も事務所を大きくしていった」
アリスちゃんの言葉に、マネージャーは少しホッとした。
「泣いちゃってごめんなさい。
今日は弱音を吐いてスッキリしました。
大丈夫です。
明日から私も頑張ります!」

アリスちゃんのマネージャーは、一応、次の日に社長に報告した。
「アリスはこんな状況で、わりとギリギリの感じで大変そうですが、きっと頑張ってくれると思います」
社長はマネージャーに言った。
「君が彼女を連れて来たときに、いい子を連れて来たなと僕は思ったんだよ」
「ありがとうございます」
と、マネジャーは頭を下げた。
社長はこうも言った。
「もしかしたら、この状況はアリスにとってはいいかもしれない。
この今の苦労の体験が、彼女を将来、大物女優に育ててくれるかもしれない。
あの子は将来、マキマキ子以上の女優になるような予感をさせてくれるんだよ」
アリスちゃんは、次の日、舞台の楽屋にて、A子ちゃんがガムテープで腰をグルグル巻きにしているところに遭遇した。
「ははっ、かっこ悪いとこ見られちゃった」
とA子ちゃんは言った。
アリスちゃんが心配そうに
「腰が痛いのですか?」
とたずねると、
「だいじょぶ、だいじょぶ。今日の舞台はずっとやりたかった舞台だし。頑張る」
と言って、A子ちゃんは衣装を着直すと、舞台に元気に出て行った。
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その次の日だった。
アリスちゃんから事務所を退所したいと申し出があった。
社長とマネージャーはのけぞった。
アリスちゃんは説明した。
「私、自分のことをわかったんです。
元々、芸能界に興味のなかった私ですが、こちらにお世話になってから、先輩たちを見てから憧れるようになりました。
そしていつか、私も先輩たちみたいになりたいと思ってました。
でも、今回、よほどの覚悟がないと無理だとよくわかったんです。
A子さんを見ていてもそうですし。
私には、A子さんの真似は絶対できない。
私は、自分には無理だとを理解しました。
というか、そこまでしてやりたくない。
タレント活動はやめます。
普通の女子高生に戻ります。
私はクラスのアイドルやってるほうがいいです」
アリスちゃんが部屋を出て行ってから、社長はガックリするマネージャーの肩に手を置いて言った。
「まあ、そういうことって、あるよね」
誰しもが、別に一軍選手になりたいわけでもない。

三流漫画家オズボーンと、研究所のシステム系女子との付き合いは続いていた。
お互い、仕事の空いた時間にたびたびカフェでお茶をした。
システム女子は、オズボーンに心を許し始めていた。
もう少しで、身体も許してくれそうだった。
「あはは!ホントくだらな過ぎるう!
ばっかみたーい!
バカすぎてウケるう!」
彼女は、オズボーンの漫画もいくつもいくつも楽しそうに読んで、褒めて?くれた。
オズボーンの方は、システム女子に、
「研究室の中の絵が描きたい。
研究室が見たい」
と言い続けたので、ある日彼女はカフェに、研究職の桜田さんを連れてきてくれた。
オズボーンが前にナンパしようとしていた、サラサラ黒髪のメガネ美人の研究者の桜田さんだ。
カフエの席で、システム系女子は、まず桜田さんに説明してくれた。
「オズボーンさんはうちの警備員さんだけど、実は本業は漫画家なんです。
研究室の絵を描きたいんですって」
次に、オズボーンに向かってシステム女子は言った。
「桜田さんに研究室の写真を撮ってきてもらうようにお願いしたらいいんじゃないかと思って?」
三流漫画家だが、絵においては一応リアリティを追及したいオズボーンとしては、自分の目でナマの研究室を見たかったけど、まあ写真でもいいか、ありがたいかと思った。
オズボーンは桜田さんに頼んだ。
「すいません。
差しさわりのないところだけでもよいのですが、研究室の中をスマホで写真を撮っていただけたら嬉しいんですけど?」
しかし、黒髪美人の桜田さんは思わぬことを言った。
「いえ。
研究室の中に入っていただいても結構ですよ」
「え?僕が、研究室の中に入ってもいいんですか?」
桜田さんは、メガネの中の美しい切れ長の目を吊り上げ、真剣に表情になった。
そして言った。
「でもそれは規則違反なので、あなたたちも腹を決めて、覚悟を持ってほしいのですけど」
システム女子は慌てた。
「か、覚悟?
腹を決める?
そんな重大な規則違反なんですか?
いや、そんな大それたことをしてくださいとお願いしたいわけではないんですけど」
オズボーンも言った。
「ご迷惑になりそうだったら結構です。
写真だけでいいです」
桜田さんは、フッと穏やかな表情に戻った。
「覚悟を決めるって言っても、そんな難しいことを言っているんではないわ」
桜田さんは、オズボーンに向かって、
「オズボーンさんには、研究室を見てもらいたいだけ」
と言ったあと、システム女子の方を向き、
「そしてあなたにお願いしたいことは、逆に、私をあなたの部署の部屋に入れてほしい。
私が研究室を見せてあげる見返りに、私にもあなたのオフィスを見せてほしいだけ」
と言った。
システム女子は、言った。
「はあ?
私も桜田さんもお互い規則違反をするってことですかね?
そういう覚悟があればいいってことですか?
でもうちの部署への入室は別に、そもそもそんなに規制厳しくないですよ。
新しいネットシステム構築のときは、普通に人事部門や経理部門のリーダーの人や担当者にも部屋に入ってもらうし?」
桜田さんは、オズボーンに研究室を見せてくれると約束をしてくれた。
でもその前に、もう一度三人で明後日、綿密な打ち合わせをしたいと桜田さんは言った。
カフェから桜田さんが帰っていった後、オズボーンとシステム女子は話をした。
「桜田さんは、昔から結構規則違反的なことをする割には、小心者で細かい人なのよ。
以前もそんなことあった。
一つしか持っていっちゃいけない昼食のお弁当を二つも持っていっちゃったの。
すごい偽装工作してまで、お弁当を二つ食べようとしたのよ。
あの人は少しケチなの。
今回も、自分が一人で会社の規則に違反をするのは怖いから、私にも規則違反をしろってことなんだと思うんだけど?」
オズボーンはそのエピソードに思わず笑ってしまった。
でもそのあと、
「なんか僕、迷惑かけてる?
やめようか?」
とオズボーンは言った。
「別に。
私は迷惑じゃないわ。
桜田さんも迷惑ってほどではないからOKしてくれたんだと思うし」
そしてシステム系女子は言った。
「ね、もうそんなことよりも。
早くお食事に行こ♥」

その夜、オズボーンはシステム系女子を抱いた。
夕食のあと、自分の小さな部屋に彼女をよんだのだった。
マンガの原稿や画材道具を見てシステム女子ははしゃいだ。
「わあすごい!おもしろい!
そばで原画を見ると、ものすごく綺麗なんだね―ッ!
本や電子書籍で見るとそうでもないのに」
と女子は褒めて(?)くれた。
飛び回って部屋の中のものを観察する彼女を捕まえると、オズボーンは彼女のメガネをはずした。
そしてキスをした。
その後、システム系女子の肉感的な身体を抱いた。
オズボーンは彼女の張りのある胸に顔を埋めた。
彼女のスベスベの肌を撫でまわした。
ふっくらした太ももをこじ開け、薄茶色の毛をかきわけ、そこに口をつけた。
オズボーンは透明の蜜があふれてくる穴や、ピンク色の小さな突起を舐めまわした。
「アアッ!やだっ・・・ああっ!」
システム女子は、可愛い顔を歪めて、身体をくねらせた。
「あん!あん!あん!」
やがて彼女の声が激しくなってきたとき、オズボーンはピンクの突起物から口を離した。
そして蜜のあふれる穴に自分のモノをズブズブと押し込んでいった。
「あああん!!」
*******
2日後に打ち合わせとやらで、桜田さん指定の居酒屋の個室に三人で集まった時、桜田さんは、オズボーンとシステム女子が思ってもいなかったことを話し出した。
「私が会社に対して疑っていることを確認したいとずっと思っていた。
私が間違っているのか、間違っていないのか」
桜田さんは、そんなことを言った。
「ずっとこの疑念の答えを知りたかった。
でもできなかった。
そんな私の前に、一昨日、好都合なことにあなたたちが登場した!」
そう言いながら桜田さんは、真剣な顔でオズボーンとシステム女子の顔を代わる代わる見た。
オズボーンとシステム女子は意味がわからずポカーンとした。
桜田さんは真剣な美しい目でシステム女子を見つめながら言った。
「あなたが少しだけ頑張って、かつ規則違反をしてくれれば、多分閲覧できるだろう、社長や重役や研究所所長たちの社内メールを私に見せてほしいのよ!!」
そのあと桜田さんは、オズボーンの方を向いた。
「オズボーンさんの役割は三つ。
ひとつ、あなたの警備員ならではの力が必要なの。
ふたつめ、あなたはここの社員ではないので、第三者として、この会社の不正を見届ける立ち会い人になってほしい。
みっつめ、もしも、私が途中で消されてしまったとしても、あなたは漫画という手段で世間に発信し、訴えてほしい!」

次回に続く
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