生き残った三軍選手たち①
不思議な毒ガス

災害により、国民がたくさん亡くなった。
国民の約5パーセントの人が亡くなった。
火山から噴出された特殊なガスが原因だった。
●●●●年、国の北西にある山と、南東にある山と、南にある山が、ほぼ同時期に噴火した。
一か月の間に次々に3つの山が噴火した。
一つ目の噴火は、近くにあった工場を巻き込んだ。
火山から出たガスは、工場から出た有害物質と混ざり、大変、有毒性の強いガスを発生させた。
ガスは風にながされ、住宅街まで届き、大惨事が起こった。
国民は、それまで誰もが経験したことのない状況を目撃する。
黄色と黒の煙に巻き込まれた人々がバタバタと倒れる映像が、多くの一般市民のスマホで撮影され、テレビやネットに流された。
『未曾有の有毒ガス災害!』
国を挙げて、北西の火山の近隣県の人々の救助にあたっていたとき、今度は国の南東の山も噴火してしまった。
南東の山の噴火は、最初は周りの人工物を巻き込まむことはなかったが、ゆっくりゆっくりと溶岩が街まで流れていった。
その頃には住民は既に避難していたので、溶岩に巻き込まれることはなかったが、溶岩は街にあった施設たちをゆっくりと巻き込んでいった。
溶岩と人工物の合わせ技で、オレンジ色の有毒ガスが発生した。
国や軍は、北西地方と南東地方の両方の救助に追われることになった。
そして、この数日後、この国の南に位置する首都も被害を受ける。
首都の隣の県にある、国で一番に大きな山も噴火してしまった。
こちらは大して大きくない噴火だったのだが、ブスブスと長いこと煙を吐き続け、それが、人口の密集した首都に流れて行った。
信じられないくらい人口が密集した首都にあった自動車や様々な建物が排出する空気と、山から出る煙が混じると、また有毒性の高い毒ガスが生成されてしまったようだった。
今度は無色透明なガスで、徐々に徐々に都民は倒れて行った。
首都は、静かにガスに汚染されていった。
三つのガスは、どんどん国中に広がっていった。
3つの火山の溶岩や噴火物のせいで直接亡くなった人はほとんどいなく、直接に人命を奪ったのは、火山のガスと人工物から出る気体が混ざった有毒ガスによるものがほとんどだった。
そして、このガスは不思議なことに、動物たちや植物、昆虫、魚たちのことは殺さなかった。
ガスは人類だけを殺戮した。
しかも人間の中でも、ある特徴を持つ人たちだけを死に至らしめた。

本当に不思議だった。
なぜか、健康的な人がこのガスにやられてしまった。
筋肉のついた強じんな肉体を持った人や、優れた身体能力を持った人たちが、主に亡くなった。
痩せこけた人や、逆にぽっちゃりさんや、まだ肉体の出来上がっていない子供や、肉体が衰えだした中年・老人には、死者はほとんどいなかった。
どういうことだろうか?
他の病気でも、免疫が高すぎると、逆に外部からの敵に身体が過剰に反応するということもあるようだけど、そういったようなことなんだろうか?
2カ月ほどかけて、ガスが消えてゆき、少しずつ皆が冷静さを取り戻して来たときに、そのことが判明してきた。
報道番組で、国のトップの会見が流れたあと、学者が語った。
「このデータを見てください。
プロスポーツ選手にやたらと死亡者が多いのです。
それと、大学生と高校生の中で亡くなった人は少ないのですが、数少ない学生の死者は、やはり、身長が高かったり、もう大人の身体になっていた人、常日頃から身体を鍛えていた若者たちです」
「そうなんですね。
先生、ありがとうございました」
そう言って、報道番組の司会者は、学者に向かって頭を下げたあと、画面の正面を向いた。
司会者は、視聴者に向かって話しかけた。
「悲しいお知らせです。
いつもこの番組のスポーツコーナーにご出演いただいていた●△さんがお亡くなりになりました」
●△さんというのは、昨年、プロスポーツを引退したばかりの解説者だった。
現役は引退したが、強じんな肉体を持っていた人だった。
おうちの居間のテレビで報道番組を見ていたタケシ君は、テレビのチャンネルをバラエティに変えた。
「おいっ何すんだ!ちょっと!」
と、一緒に報道番組を見ていたお父さんは言ったが、お母さんはそれを制止した。
涙を目に一杯ためてバラエティ番組の画面を見つめるタケシ君を見て、お父さんもタケシ君の気持ちを理解して、黙った。
お父さんとお母さんの直接仲が良い人の中には、入院した人はいたが、亡くなった人はいなかった。
が、都内名門中学に通うタケシ君の知り合いにはいた。
タケシ君は悲しくて報道番組を見ていられなかった。
タケシ君の中学も、激しい毒ガスに包み込まれた。
しかし、タケシ君の中学では、生徒は全員無事だったし、国語の先生や、英語や数学や社会科の先生は無事だったのに、体育の先生が亡くなってしまった。
そして、専門は美術だけど、昔とった杵柄で、タケシ君のラグビー部の顧問をしてくれていた先生も亡くなってしまっていた。
タケシ君は悲しかった。
そうだ。
政府や学者さんに説明されなくっても、国民たちもわかっていた。
それぞれ自分の近しい人たちの中で、スポーツマンが亡くなっている確立が高いことには、みんなも気づいていた。
ただ、タケシ君がもう一つ不思議だったし悲しかったのは、中学の音楽の先生の舞子先生も亡くなっていたことだった。
舞子先生は、タケシ君の憧れの人だった。
タケシ君は考えた。
「舞子先生は、前に、自分は運動音痴だって言っていた気がするんだけど?
本当は、強じんな肉体で、身体能力が高かったのかな?
舞子先生は、子供のころから音楽ばかりやっていて、スポーツの経験がなかったから、自分では自分の身体能力の高さに気づかなかっただけなのかなあ?」

数日後、毒ガスについて、もっと色々なことがわかってきた。
朝の情報番組で、タケシ君のお母さんは、毒ガスについての他の説をきいた。
「この恐ろしい毒ガスが、身体能力が高い人の次にターゲットにしたのは、なぜか、素晴らしい美声の持ち主と、美人だったのです!」
こっちの被害者たちについては、スポーツマンというわかりやすいカテゴリとは違って、多くの国民もすぐには気づかなかったが、徐々に気づいている人は気づいていた。
タケシ君のお母さんは思った。
「女優のマキマキ子さんって、身体能力が高いから亡くなったのかと思ったけど、違ったのね。
そうよね。
私、昔、意地悪なネット情報で見たことあるもん。
『マキマキ子って、いつもテレビで、自分は学生時代に陸上選手だったって自慢してるけどさ、知り合いにきいたら本当は彼女は陸上部の練習さぼってばっかりだったんだってさ』
って。
あの人は美人枠の方で亡くなったのね」
マキマキ子の芸能事務所の社長は、そのことにもっと早くに気づいていた。
自分の抱えるタレントたちが、ほぼ壊滅していたからだ。
全く運動したことがないようなふっくらした女優も、拒食症ぎみでガリガリだった歌手も亡くなっていたからだ。
社長は、数日前までの政府の会見や、テレビや新聞報道などを見るたびに、憤っていた。
「違う!
あのガスでは、身体能力の高い人だけが亡くなったわけではない!
他の被害者についても目を向けてほしい!」
社長は、国よりも学者よりも先に、毒ガスと『美人』と『美声』の関係について気づいていたのだった。
国中で毒ガスで亡くなった人は5パーセントだったが、この社長の事務所の所属タレントは80パーセント亡くなってしまった。
その中で、わずかに生き残っていたタレントがいた。
生き残った一人は、歌は下手くそだが、顔が超可愛いことで人気を博していたアイドル歌手のK子ちゃんだった。
え?顔が美人なのに生き残った?
では社長の説とは異なるのでは?
いや、違う。
そうだ。社長は知っていた。
実は世間には内緒だったが、K子ちゃんは、元々、
いや、肌は美しいし、スタイルなどはいいので、全体的に見れば、雰囲気的に見れば、一般の人よりは断然に綺麗なほうだったが、ただ、全国民の中の上位5パーセントに食い込めるほどの美人ではなかっただけだ。
社長も了承の元、お顔のアチコチを少しずつ整形して、超美人になったのがK子ちゃんだった。
また、社長の事務所の若いタレントのアリスちゃんも生き残っていた。
アリスちゃんは、まあ可愛いが、決して超美形ではないし、まだ子供だし、事務所の中では三軍選手だったので、彼女が今回生き残ったのは、社長的には納得だった。
社長は、悩んだ。
「今後は、K子とアリスだけでやっていかないといけないのか?」
政府は、『火山&人工排気ガス』の合わせ技により発生した毒ガスが、『ランキング的に国民のかなり上位の方の身体能力の高い人と、美人と、美声の人を殺した』と正式発表した。
まあ実際には、ランキング上位っぽい人でも、ガスを吸った状況や、様々な条件下で生き残った人もたくさんいたし、ランキング下位っぽく見える人でも、煙の状況によりなのか、亡くなった人も少しいたが、亡くなった人たちをせめても慰める意味で、国はそのように発表した。
タケシ君は、自分の憧れの音楽の先生の舞子先生が亡くなったことについて納得した。

主力美人女優や、美声歌手の多くを失った芸能事務所の社長が、残ったタレント二人と今後は事務所をやっていかないといけないと頑張っていたとき。
そのころ、タケシ君のお父さんは、スポーツ新聞を読んでいた。
お父さんは、プロ野球のアナコンダズの大ファンだった。
アナコンダズの一軍と二軍の投手の半分以上が、今回の有毒ガスで、死んでいた。
タケシ君のお父さんは、アナコンダズの三軍の投手の山村が、一軍に昇格したことを知った。
「ああ、甲子園では輝いていたが、プロに入った途端に通用しなかった山村が一軍か」
****
アナコンダズの三軍の練習場で、三軍の監督から、一軍昇格を告げられた山村は、とまどっていた。
「チームのピンチだ。
急なことだが、明後日から一軍に合流してほしい」
「わ、わかりました」
山村の高校時代のチームメイトの犬田先輩もアナコンダズの一軍にいたが、今回の毒ガスで亡くなっていた。
他、毒ガスで何人かの友人を失っていた山村は、悲しみと混乱で、何がなんだかわからず、ここ三か月、地に足がついていなかった。
(ここで急に、俺に一軍に行けと?)
山村は三軍のグランドを後にし、昨年街でナンパしてからの付き合いのビビちゃんのマンションに向かった。
ビビちゃんは、見方によれば”個性派美人”と言えなくもないが、国民の上位5パーセントには入るほどの美人ではなかったので、無事に生き残っていた。
ビビちゃんは、山村をマンションの玄関で迎えたときに、いつもと表情の違う山村に気づいた。
「何かあった?」
そうビビちゃんが訊ねると、山村は、
「うん?」
と言った。
ビビちゃんは語った。
「あなたの表情はよく変わる。
私はずっとその変化を見て来た。
街で私と会ったときのあなたは、やさぐれていた。
その後しばらくして見た、練習やトレーニングをしているときのあなたは必死の形相だった。
そして、最近のあなたは、悲しみに打ちひしがれていた。
でも、今日のあなたは、何か、奥に静かに燃えるものが見える」

その夜、山村は、熱く燃える身体をビビにぶつけた。
ビビの大きな真っ白な乳房を掴み、薄茶色の乳首を口に含んだ。
「ああっ」
敏感なビビは身体を震わせた。
山村は、ビビの乳首を口の中で転がし、白い乳を揉んだ。
「ウンッ、アンッ」
ビビは、可愛い顔をゆがませながら、感じていた。
そして山村は、乱暴に力強くビビの乳首を吸い込んだ。
「やア―ンッ!」
軽い悲鳴のような声を上げたビビだった。
その後、山村は下半身に下っていった。
柔らかいビビの腹にキスを繰り返しながら、山村の片手はビビの股間に向かっていった。
ビビは自ら、脚を少しひろげ、山村の指を受け入れた。
山村は、透明なヌチャヌチャとした液体を垂れ流すビビの股間の穴をいじり、ビビをアンアン言わせた。
そして、ビビの脚を大きく開かせ、自分の熱く大きくなったモノを押し込んでいった。
「うう〜ん」
ビビの中にメリメリと山村の大きなモノが入ってゆくとき、ビビは小さな唸りみたいな声を発した。
山村は、ビビの中いっぱいに入り込んだあと、ビビの両脚を抱え、腰を振った。
「アッ!あっ!あっ!」
山村は激しく腰を振り、ビビの中を擦った。
「あん!あんっ!あんっ!」
山村の動きが激しくなるにつれて、ビビの声も大きくなっていった。
次回に続く
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