パパ友殺人事件⑤
捜査開始!

これまでの話はこちら➡パパ友殺人事件① ② ③ ④
●私が仲がよかったパパ友の友野さんが殺害された。なぜか私の名刺を握りしめて。
●私は、友野パパの殺害時間に、不倫相手の上司と一緒にラブホにいたので、自分のアリバイを話すことができなかった。
●友野パパが殺されたのも、そのラブホ街だったらしい。
●私は、警察にも、友野ママにも、ネット民にも疑われているようだった。
●一方、友野パパの昔の浮気相手のひよ鳥ひなこの夫婦も疑われているようだった。
次の日から、私たち家族は走った。
証拠もなく、あれこれ憶測で考えるのをやめた。
警察が何も教えてくれないのであれば、自分たちで証拠を調べるしかない。
保育園時代からのママ友も協力してくれることになった。
彼女は、同居の姑さんに家のことを全てまかせて、今日は一日、私に全面的に協力してくれると言ってくれた。
息子も学校を休んで捜査(?)をしたい!、と言い張った。
息子は大きなデイパックを背負い、保育園のママ友と一緒に、パートをさぼった私について来た。
私たちは北町ファクトリーに向かった。
ひよ鳥ひなこさんはほとんど会社を休まないと言っていたので、アポを取らずに突然行くことにした。
旦那さんには知られないように。
ひなこさんと会って、ドアの修理の件を調べに。
出かける前に、夫は私たちに注意した。
「くれぐれも、こっちがひなこさんの旦那を疑っているとは気づかれないようにしてね。
ドアの修理会社の名前は何気な~くきいてね。
他の話に織り交ぜて」
夫も会社を休んで、友野パパの亡くなった日のひよ鳥さんの旦那のアリバイを調べに出かけてくれた。
北町ファクトリーの前で待ち伏せて、私たちは出社してくるひなこさんに会うことができた。
「まあ!また来たんですか?
しかも今日は大勢で!」
でもひなこさんは迷惑そうな顔をしていなかった。
もうあきらめたような顔をしていた。
そして、私の息子の姿を見ると、何だか柔らかな表情になった。
私はひなこさんに説明した。
「ごめんなさい。
実は、今回の話をしたらね、息子が、ひなこさんは絶対に冤罪だって言い張って。
僕が色々調べたいと言ってきかないんです。
なんかね、コナン君気取りなんです」
息子はぺこりとお辞儀をした。
ひなこさんは、微笑んだ。
「私はこれから仕事です。
お昼休みに会いましょう。
一緒にお昼ご飯を食べましょう」
と、ひなこさんは言ってくれた。
お昼に会う場所を約束して、別れる前に保育園のママ友が、思い出したように声をあげた。
「あ!」
保育園のママ友は演技をした。
「そうだわ!
ひなこさん。すいません。
あのお、こんなときに、誠にどうでもいい話なのですが、ドアの修理屋さんを教えていただけませんか?
実はうちの玄関のドアも、なんかやばそうな感じで。
頼んだらその日のうちに来てくださる修理屋さんをひなこさんが知っているって、この前、この人からきいたんです。
速攻で直してくれる修理屋さん」
ひなこさんは、自分のハンドバックを開けて、ガサガサしたあと、ドアの修理の伝票を出して見せてくれた。
そこに書いてある修理会社の電話番号を、保育園のママ友はメモに取った。
「ありがとうございます。えーっと、ゼロサンの・・・」
私と息子は、伝票に書いてある、ひな鳥家の住所を必死で暗記した。

ひなこさんと一旦別れて、私たち三人は、ドアの修理会社に向かった。
そこでわかったこと。
あの日、修理会社に電話したのは確かにひなこさんだった。
そして、別にひなこさんに時間を指定されたわけではなく、あの日は本当に忙しくって、修理に行くのが午後3時になってしまったということだった。
ここまでは、問題なかったわけだ。
しかし、ドアの壊れ方に問題があった。
不自然だったようだ。
保育園のママ友が、新規のお客さんのようにふるまって、修理屋さんから話を聞きだしてくれた。
修理屋さんは、保育園ママに向かって、語った。
「湿気で歪んでしまって、ドアが締まらなかったり開かなくなったりすることはよくありますが、その場合は徐々に歪んでいきますね。お宅様の今のドアの状態のようにね。
なんか開きづらいな~、しめづらいなあ~って思ってると、ある日、ホントに閉まらなくなっちゃう、というような感じですね。
でも、ひよ鳥さんのあそこのおうちのドアは、明らかになんか急に外部から圧力がかけられて歪んじゃった感じでしたね」
「ありがとう。
家で相談して、ドアを丸とっかえするか、修理してもらうか、考えることにするわ」
と保育園のママ友は、修理屋さんに向かって言った。
私たちは修理屋さんを出た。
「ひなこさんは、不自然なドアの壊れ方を見て、誰かに故意に壊されたとはどうして思わなかったのかしら?」
「そのことは、直接、お昼に本人に聞いてみましょう」
そこで息子は言った。
「よし!
お母さんは、お昼にひなこさんに会ってそのことをきいて。
僕らは、ひよ鳥家に行って、実際にドアを見てみる!」
息子は、現場百回主義者だった。
保育園のママは、驚いた顔をした。
「僕ら?
僕らって?
え?私もひよ鳥家に行くの??」
私は、保育園のママ友に頭を下げた。
「すいません。息子と一緒にひよ鳥家に行ってやってもらえませんか?
今、あの家には誰もいませんから。
じっくりドアや、他を色々観察できると思うの」

私は一人で、お昼にカフェレストランでひなこさんと会った。
「あら?坊やは?
帰っちゃったんですか?
残念だわ。
ここのランチ、デザートが美味しいから食べてもらいたかったのに」
と、ひなこさんは言った。
随分と私にうち解けて来たひなこさんだった。
なんか話しやすそうな感じだったので、私は、さっそくドアの話をふってみた。
「どうして玄関のドアが、突然壊れちゃったんでしょう?
ひなこさんは、あの日、誰かにドアを壊されたとは思わないですか?」
ひなこさんは、少し考えた後、答えた。
「うーん。
確かに。
もしかして、また誰かにやられたのかな?とは少し思いましたが」
「え?
また誰かにとは?
どういうことですか?」
と、私がたずねると、ひなこさんは、言った。
「ときどきよくやられるんです。
ドアを蹴られたり、庭に置いてある植木鉢を壊されたり。
でもそれは、私のご近所では、あるあるの事なのです。
私の家は、繁華街にもラブホテル街にも近いし、治安が悪いのです。
酔っ払いか、不良かわかりませんが、夜中に人の家のドアを蹴飛ばす人がいます。
だから別に気にしてなかったんです。
それが積み重なったり、湿気が重なったりの合わせ技で、あの日、ドアが壊れたのかなと?」
ご近所あるある?
あるいは、もしかして、ひなこさんは誰かに恒常的に嫌がらせをされていたんじゃないのか?
と、私は思った。
そのとき、夫からスマホに電話があった。
「ちょっとごめんなさいね、ひなこさん、主人から電話だわ」
私はそう言って、テーブルに座ったまま、少し横を向いて夫の電話に出た。
夫は、電話で報告してきた。
「夜、詳しく話すけど、ひよ鳥の旦那には鉄壁のアリバイがあったよ。
完璧。
彼は、事件に関わっていないな」
「そうなのね。ありがとう。詳しくは後で教えて。
私、今、ひなこさんと話している途中だから。
そうだ、そのこと、みつおの携帯にも電話してやって。
今、別行動中なのよ」
そう夫に言って、私は電話を切った。
私がひなこさんの方に向き直ると、ひなこさんは、驚いた顔をしていた。
「あなたの旦那さんも、この事件のこと調べているんですか?
すごい。
本当は私の冤罪を晴らしてくれるというより、多分、ご親友の友野さん一家の事件解明に、みなさん一生懸命なんですね。
人望あるんですね。
友野さんって」
私は、ひなこさんに対して、申し訳なくなった。
いえ、ひなこさんの冤罪を晴らすためでもなく、友野さんに人望があるわけでもなく、ただ、私の冤罪を晴らしたいだけなんですよ。すみません。
次にひなこさんは、すごいことをぶっちゃけてきた。
「友野さんは、やはり、素敵な人だったんですね。
こんなに仲間の方たちから慕われて。
警察もそこをわかってほしいわ。
私だって、あの人を尊敬していたし、好きでした。
友野さんをそんな残忍な方法で殺すことなんて、私にはできるわけないんです
私に果物のナイフで喉を”ひと突き”なんかできるわけないんです」
ひなこさんは、ぶっこんできた!
警察が私には教えてくれなかった情報だ!
友野パパがどうやって殺されたかの情報だった!
ひなこさんは、多分、友野ママの親友の私なら、当然殺害方法を知っていると思って、別にこの前は話してくれなかったのだろう。
友野パパは果物を切る小型包丁で、首を刺されて殺されたのか?!

ひなこさんと別れると、私はすぐに、夫と息子と保育園のママ友のLINEに、今得た情報を流した。
電話しているヒマはなかった。
私は、走った。私は、タクシーを飛ばした。
私の家から突然なくなった果物の小型包丁。
うちからそれを盗み出せる人!!
かつ、友野パパ以外で、私の名刺を持っていた可能性の高い人。
かつ、友野パパを許せず、
かつ、私を陥れようとした人。
かつ、ネットに私の詳細情報を流せる人。
私は、友野さんのおじいさん、おばあさんの家に向かったのだった。
今、そこに友野ママはいる。
証拠をチマチマ調べるなんてやってられないわ。
要するに、自白させればいいんでしょ?
自白!!
私にはもうわかってしまった。
友野ママが犯人だ!
友野ママはまだ、パパのことを許せていなかったんだ。
私と友野ママは、お互いの家に、時々お茶を飲みに行った。
友野パパと一緒のこともあったし、子供たちが一緒のこともよくあった。
ご飯を一緒に食べることもあった。
食べものを大勢で食べるときに、お互いがお互いの家のキッチンに立つこともあった。
友野家の夕食によばれたときには、友野ママは言った。
「みっちゃんママ。
餃子は全て任せる。
勝手にフライパン使って。
あなたは餃子やって」
「了解!」
と私が、勝手に友野家のキッチンの冷蔵庫を開けたり、冷凍庫を開けたり、フライパンを出したリすることもあった。
一方、うちに友野家みんなが来たときには、私は友野ママにフルーツを切る作業をたくしたことがある。
「私、お茶入れるから、友野ママ、デザート切ってえ。
そこの引き出しに包丁類が入ってるから」
友野ママがうちのフルーツナイフを盗んで、それで友野パパを殺したんだ!!
友野パパをラブホに連れて行って殺したんだ!!
友野さんのおじいさんとおばあさんの家に着いた私は、家に飛び込んだ。
玄関で私を迎えてくれたおばあさんの脇をすり抜け、私はおじいさんとおばあさんの家の中に飛び込んだ。
友野ママは、玄関のすぐ脇の居間にて、テレビの前でこたつに入って、お茶を飲んでいた。
一郎君と二郎君は学校に行って不在らしいことを確認してから、私は言った。
「私の家から果物ナイフを盗んだり。
久しぶりに友野パパをラブホに誘ったリ。
私の名刺を友野パパの手に握らせたり。
パパの浮気相手の、ひよ鳥ひなこのご近所に嫌がらせしたり。
ひよ鳥ひなこの家のドアを壊したリ。
私のことをネット情報に流したリ。
そして、一郎君のエースの座をうばったうちの息子をグチグチいじめたり!!」
我ながら、めちゃくちゃなことを羅列して叫んでしまった私だった。
意味不明で、おろおろするおばあさんだった。
しかし、友野ママは、割と冷静な表情で答えた。
「何を言ってるの?」
私はもう一度、自分の言いたい主旨を叫んだ。
「やめてって言っているのよ!
自分がやったくせに!
私や、ひよ鳥家を犯人に仕立て上げるのをやめてって言っているのよ!」
しかし友野ママは、もう一度冷静な表情で言った。
「いい加減にして。
あなたたちは、いつもいつも、どこまでも私を傷つければ気が済むの?
警察にきいてごらんなさい?
いや学校関係者にきいてごらんなさい。
すぐにわかることよ。
私はその日、ずっとPTAの仕事で学校にいたのよ」

夕方、私が家に帰ると、息子と保育園のママ友はすでに家に帰って来ていた。
夫も、夜7時には帰って来た。
夜、皆で、本日の報告をしあった。
保育園のママ友と息子は、報告してくれた。
「僕たち、ひよ鳥家のドアを見に行ったんだ。
もちろん、しっかり閉まるような形にはなおされてたけど、ドアの表面は、ところどころ凹んでた」
「締まる部分に関係ないところは、でこぼこのままだったわね」
二人は、そのあと家に帰って、インターネットを調べたそうだ。
私と友野夫妻の三角関係のデマ情報について調べてくれた。
ネットには、私のことを疑う意見が、たくさんあったらしい。
『いつも友野夫婦と一緒に行動をしていたママ友が怪しい』
『彼女は被害者と二人だけで行動していたこともよくあったみたい』
他に友野ママ犯人説まであったそうだ。
『旦那さんには多額の保険金をがかけられていたので、三角関係のもつれもあり、奥さんが殺したんじゃないのか』
友野のパパがたくさんの生命保険に入っていたことは、私も知っているけど。
そんなことまで、ネットに流出しているのか?
私は、友野パパに直接きいたことがあったのだ。
「うちには子供が二人もいるし、自分がいつ倒れてもいいようにたくさん保険かけているよ」と。
無料掲示板には、全く関係ない人々が憶測で色々なことを書いていたが、ツイッターの裏アカみたいなやつでは、私のプロフィールをわりと細かく書いている人もいたそうだ。
私の行動についてはデマばかりだったが、私のプロフィールについてはわりと正しい情報が書かれていたそうだ。
息子と保育園のママ友は、私のプロフィール情報を流しているその発信源の発信源の大元をさぐるべく、調べようと思った。
二人はネットをどんどん、たぐってくれたそうだ。
しかしよくわからなかったので、二人は作業をやめた。
息子は言った。
「結局、ネットは、三角関係と保険金の噂話ばっかりだったよ。
どんな風に殺されたかなんかの事件の核心にふれることは何もなかったよ。
お母さんの名刺の話さえも出てなかったよ」
保育園のママ友も言った。
「よく考えたら、ネットのこれらは、今回の事件に直接は関係のない人、ただ面白おかしく思っているようなママ友たちの誰かが噂の発信源だと思うの。
あなたには、みっちゃんのスポーツチームと学校関係者を合わせると、約50人近いママ友、パパ友がいる。
そして、友野夫婦には、その3倍くらいのママ友パパ友がいるわ。
だってあそこは二人兄弟だし、二人は文科系の習い事もしているから、そっちのママ友もパパ友もいるし」
私は、二人の報告を聞きながら、ぼんやりと思った。
そういうのって、一括りで、”ママ友、パパ友”と、称するわよね。
ただの子供関係の知り合いってだけなんだけどね。
ホントは、全然、友達じゃないのにね。
夫は言った。
「そうか。
じゃあ、ネットの誹謗中傷については、あとでゆっくり名誉棄損で訴えることにすればいい。
落ち着いたらその道のプロに調べてもらおう」

ひよ鳥の旦那さんのアリバイを調べていた夫の報告はこうだった。
「ひよ鳥の旦那の会社の人にきいてみたら、あの日は、間違いなく旦那は出勤してたようだ。
朝から晩まで、ずっと会社にいたって」
「よくそんなことがきけたわね」
と私が言うと、
「君がうちに来た刑事の名前を教えてくれただろ?」
と夫は言った。
「え?ええ」
夫は得意気に言った。
「僕は、その刑事の名前をかたって電話したんだ。
ひよ鳥の旦那もアリバイをしつこく確認されたって怒ってたんだろ?
きっと、刑事は旦那の会社にも行ったんだろうと思って。
ひよ鳥の旦那の会社に電話して、上司に電話をつないでもらって、『以前、うかがった警察の●●ですけど、もう一度、確認したいんですけど』って言ったんだよ。
ひと鳥の旦那の上司の人は、僕のことを刑事だと思ってくれた。
上司は見事にだまされてくれた」
保育園のママ友は言った。
「さっきお昼に電話でその話をきいたときほんとに感心したわよ。
みっちゃんパパはすごいなって。
でもそれって罪にならないのかしら?」
夫は肩をすくめた。
夫は話を続けた。
「みつおたちには昼にも電話で話したけどさ、僕は上司の人に、ひよ鳥の旦那の性格や勤務態度なんかもきいたんだ。
その人の話では、
『以前も刑事さんに言ったように、酒を飲むと少し問題発言をすることはあるけど、昼間は基本は真面目な男です』
とのことだった。
それで酒の話が出たんで、ひよ鳥の旦那がよく行く飲み屋などないかも教えてもらって、僕は会社の近所のその飲み屋にも行って、評判もきいたんだ。
一軒目にたずねた和食屋のおかみさんは、ランチの開店の準備中だったけど、話をしてくれたよ。
ひよ鳥の旦那のことは、
『酔っぱらうと、人が変わっちゃって超おもしろくなるのよ、あの人。
飲むまでは真面目なのに、飲んだ途端にスケベな話とかも始めるの。
昼食時は無口なのに、夜にいらっしゃるときは放送禁止用語連発!!』
ということだった。
そして僕が二軒目にたずねた居酒屋の大将は、仕込み中だったけど、ひよ鳥さんの名前を出すとクスクスと笑いだしたよ。
『一度酔っぱらって隣のお席のお客様と喧嘩をなさったので、ひよ鳥さんは、うちは出禁にしました。
そのとき、大騒ぎになったんですよ』
だって。
しかし、なんと友野パパの死んだ日の夜は、ひよ鳥の旦那が久しぶりに居酒屋に来たんだってさ。
手土産を持って、以前に店で大騒ぎしたことの謝罪にきたんだってさ。
居酒屋の大将、笑ってたよ。
『あの日は、出禁のひよ鳥さんが突然来たんで、よく覚えてますよ。
もう二度とあんなことしないので、許してほしいって謝って来たんですよ。
こっち側も許す気になっちゃってさ、その日は、私もつきあっちゃって遅くまで店で飲んでもらったんですよ』
だってさ」
「よくそこまで調べたわねえ」
と、私は、夫の行動力?取材力?に感心した。
昼にその話をすでにきいていた息子と保育園のママ友は、大きく頷いた。
夫は、
「彼の周りの人の話を総合すると、結論、ひよ鳥の旦那はただの酒乱?かね?
彼のアリバイは完璧だよ」
と言った。
夫の報告は終わった。
突然私のスマホが鳴った。
その音に、みんなは飛び上がった。
私が、スマホに出ると、ひなこさんだった。
「どうしましょう!どうしましょう!」
ひなこさんは、私に向かってそう言った。
「どうしたの?ひなこさん。
今どこ?」
「うちです!一人です!
夫はまだ帰っていません!
どうしましょう!
どうしたらいいの?!」
ひなこさんは、うろたえていた。
「ちゃんと説明して!ひなこさん?」
と、私が言うと、ひなこさんは答えた。
「今日、家に帰って、いつもあまり使わない庭の物置きを久しぶりに開けたら、そこに血のついたタオルがあったんです!
どうしましょう!どうしましょう!」

次回に続く
➡パパ友殺人事件⑥ ⑦
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