パパ友殺人事件②

容疑者になる


大股を開いて座っているミニスカポリス
これまでの話はこちら➡パパ友殺人事件①


息子の友達の友野君のパパが亡くなった。
友野さんご夫婦は、お二人とも私にも息子にもよくしてくれた人たちだった。

友野パパの死を私が知ったそのすぐ次の日に、警察が家に来たのでおどろいた。
刑事の二人組だ。

死因はなんだったのだろう?
不審死だったのか?

しかし、友野さんと親しかった私から何かを事情を聴きに警察が来たのかと思ったら、いきなりストレートに私のアリバイを聞かれたから、仰天した。

私は一瞬頭が混乱したが、警察が来たその理由はすぐにわかった。

「友野さんは、あなたの名刺を握りつぶすように握って倒れて死んでいたのです」
警察はそう言った。

「え?!」

なぜ、友野さんが私の名刺を持っていたのか?

私はパートで営業ウーマンをやっていたので、ちゃんとした名刺を持っていた。
でも、ママ友やパパ友には渡したことはない。

「あ!」
私は思いついた。

私は、名刺入れに名刺をたくさん入れていたが、いつもお財布にも数枚だけ入れていた。
仕事を離れたプライベートの機会でも、もしかして仕事につながることが万が一起こることもあるかもしれないと思って、常にお財布にも名刺を少し入れていたのだ。

私は、自分の考えを整理しながら、警察に話した。

「私は、よく友野さんの車に乗せていただきます。
友野さんの車の中で、食事代金の割り勘や、なんだかんだで、お財布を開くこともありました。
そうだわ。
ガソリン代200円を受け取っていただいたときもお財布を開いたわ」

それに、子供のスポーツチームの応援に行くときは、荷物がたくさんだ。
着替え、飲み物、日傘、ブルーシート、レインコート、タオル・・・・・・鞄の中はごっちゃごちゃだ。

鞄から何かを出したリ入れたり、鞄の整理も友野さんのワゴン車の中でしたり。

「友野さんのワゴン車の中で、私のお財布から名刺がこぼれたことはありえます。
それを友野パパが持っていた?」

警察は言った。
「問題はそこじゃないんですよ。
なぜ、友野さんがあなたの名刺を所持していたかではなく。
なぜ、お亡くなりになる間際にあなたの名刺を強く握りつぶしたのか」


ミニスカポリスの恰好で膝をついて手を地面についている


とにかく、私は、〇月●日✖時とやらに、自分がどこにいたかを警察に話さなければならなかった。

無理だ。

「その時間にどこで何をしていたですって?
数日前のそんなピンポイントの時間のことなどよく覚えてません。
少し考えさせてください」
と私は言った。

本当は考えなくても自分でわかってた。
その時間には、会社の上司と一緒に、自分の営業担当エリアにあるラブホテルに私はいたのだった。

これは言えない!!

いや、いずれは言わないといけないかもしれないが、今は言えない。

いや、浮気が発覚することと、警察に疑われることとどっちがヤバいことなのか?

でも私は、友野さんの死には関わっていないのだ。
いずれそのことはわかってもらえるだろう。
ここは、ウソをついても、きっと大丈夫だろう。

私は、こう答えた。
「ああ。思い出しました。
その時間は、パートの勤務を終えて、ちょうど家に戻って来た頃だと思います」

警察は、畳みかけて来た。
「ということは、その時間はお一人でおうちにいらっしゃったわけですね?」
「ということは、どなたも、あなたがおうちにいたと証言できるような方はいないのですね?」

う、うん。
今は、そうとしか答えられない。

その後、「友野さんとは、随分お親しかったようですが」などの質問をされ、私は、一生懸命答えた。

警察が帰ったあと、私は考えた。

友野ママは、友野パパが私の名刺を握って死んでいたことを知っているわよね?

昨日、私が会いに行ったとき、彼女はどう思ったのだろう?
警察と同じように私を疑っていたのだろうか?
そんな!そんな!

でも、どうして友野パパは私の名刺を握って死んだのだ?
私がワゴン車に落とした名刺を拾ったとして、なぜそれを握って死んだの?

わからないことだらけだった。
警察は、友野パパの具体的な死に方は教えてくれなかった。
犯人のみが知っている情報は、教えてくれないのだろうか?


ミニスカポリスの恰好で下品に股を開いている


お葬式の日、ますます憔悴した友野ママを見た。
一郎君と次郎君は、おばあ様、おじい様だろうか、年配のご夫婦にぴったりと付き添われて座っていた。

友野ママとは、直接話せる状態ではなかった。
彼女は喪主なのに、お葬式の途中でヨロヨロと倒れてしまった。


その頃から、ちらほら噂が流れだした。

お葬式の帰り道、他のママ友たちとファミレスに行った私はきいた。

「不審死だったみたいね?」
「そうだね、今だにちゃんとした死因を教えてくれないし」

「友野ママ、大丈夫かしら?」
「心配ね。
私、昨日電話したんだけど出てくれなかったわ」

「刑事がウロウロしてるわね。
友野さんのよく行かれていた商店街で、私、刑事っぽい人を見たわよ」
「うっそお!!」
「ええ?」
「なに?なに?友野さんは誰かに殺されたってこと?」

ママ友情報でも詳しいことはわからなかったけど、どうも警察が動いていることだけは、よくわかった。
私の情報は出ていないようだった。

しかしファミレスを出てから、みんなが三々五々散った後に、息子の保育園からの付き合いのあるママ友は、私と二人きりになったときに私に言った。
「みっちゃんママのおうちにも警察来た?」

私は、どう答えていいかわからなかった。

そのママ友は言った。
「みっちゃんママって、友野パパと二人きりでよく車に乗ってたって本当?」

よくじゃない!!
たった一回だけだ!


しかし、私と友野パパがワゴン車に二人だけで乗っていたその姿は、誰かに目撃されていて、そこに着目している人もいるのか?

このママ友が、直接それを見ていたとは思わない。

ということはもしかしたら、私がいない席では、ママ友たちの間では、既に私と友野パパのことが噂になっているのか?

私は愕然とした。


ミニスカポリスの恰好で高くこちらに向けてお尻を突き出している


相変らず、友野ママとは直接話せなかった。

私がお悔みを伝えたLINEの返事には、『ありがとう』を示す絵のスタンプが、ひとつ返ってきたきりだった。

私は自分の子供にたずねた。
「みつお、一郎君と二郎君は大丈夫かしら?」

「昨日、久しぶりに学校に来たから話したよ。
で、そのことなんだけど」
息子は言った。

「お母さんが具合悪くなっちゃったから、みんなでしばらくおじいさんの家に行くらしいんだけど、一郎君たちは行きたくないんだって。
おじいさんち遠いから、学校にも電車とバスで来ないとならなくなっちゃうし。
スポーツチームなんかには通えなくなるし」

「そうなのね」

息子は言った。
「ねえ、お母さん。
一郎君と二郎、うちに泊めちゃだめ?」

「え?」

「お母さんはおじいさんとおばあさんのおうちで、ゆっくり休んで。
一郎君と二郎は、うちから学校に通えばいいじゃん」

それは友野さん一家が望むなら、よい考えだ。
今まで散々お世話になってきたのだから、私もそうしてあげても構わない。
私たち夫婦の部屋を子供たち三人の寝室にして、私と夫が息子の狭い部屋に寝ても構わない。

しかし、友野ママがどう思うか?が問題だ。

私の名刺のことは、友野ママの中ではどういうことになっているんだろう?

「私もそうしてあげたいけど、でも、それは本当にいいことなのかしら?」
と、私は曖昧に息子に返事をした。

すると、夜、夫が帰って来ると、息子は同じ話を夫にした。

「お父さん。
一郎君と二郎をうちに泊めちゃだめ?
二人とも来たがっているんだよ」

話が進んだ。

夫と私と息子は、友野家に行った。

おばあ様とおじい様が、玄関で私たちを迎えた。
一郎君と二郎君も出て来た。
出て来るときは、元気のない顔だった。

しかし、一郎君と二郎君は、うちの息子の顔を見ると、少しだけ明るい顔になった。

私たちは、居間に通された。
友野ママは、奥の部屋で寝ているという。

おじい様は、おっしゃった。
「それはありがたいご提案ですけど、そんな図々しいお願いは・・・・・・」

息子は、
「僕は、一郎君と二郎に泊まりに来てほしいんです」
と言った。

息子の言葉をきくと、一郎君と二郎君も、すかざす言った。
「泊まりたい」
「みっちゃんちに行きたい」

「そうなのね?
でも、ママにも相談しないとね」
と、おばあ様は言った。

そのとき、居間の外で、人が歩いてくる音がした。

友野ママだった。

やつれきった顔で、ヨレヨレの部屋着を着ている友野ママが、居間に飛び込んで来た。

「ダメよ!」
部屋に飛び込ん出来た友野ママは叫んだ。

友野ママは、一郎君と二郎君を抱えるような仕草をすると、私たち家族を睨みつけながら、
「あなたたち、うちの子たちまでどうにかしようと言うの?!」
と叫んだ。

おばあ様にとりなされて、騒ぎ立てる友野ママと、怯えた顔の一郎君と二郎君は、向こうに連れて行かれた。


居間に残ったおじい様は、私たち家族に向かって言った。
「すみません。
突然婿が死んでから、娘は少しおかしくなってしまって。
申し訳ありません。
お心遣いは感謝します。
どうか今日はお引き取りください」


ミニスカポリスの衣装で片膝を立てて、股の黒いパンツを見せて座っている


家に帰ると、息子は震えながら言った。
「僕のせい?」

その意外な言葉に、私と夫は驚いた。
「友野君のお母さんがおかしくなっちゃったのは、僕のせい?」

私は言った。
「あなたのせいじゃないわよ!
何言ってるの?
どうしたのよ?
あなたのせいじゃないのよ!(多分、というか、きっと私のせいよ。私の名刺のせいよ!)」

夫も、言った。
「一体、何を言ってるんだ?みつお?」

私は、警察が来たことは夫にも息子にも話していたけど、私の名刺のことについては話していなかった。

息子は話を始めた。
「僕、前に言われたことあるんだ。
一郎君と二郎のお母さんに言われたことあるんだ」

息子は言った。
「僕のせいで、一郎君がレギュラーを落ちたって」

息子の話はこうだった。

息子と二郎君より二つ年上の一郎君は、それまでスポーツチームのエースだった。
でも息子がチームに入ってから、立場が変わってきたというのだ。

「本当は一郎君の方がエースであるべきはずなのに、みっちゃんのせいでレギュラーを落ちたって、一郎君のお母さんに言われたことあるんだ。
僕の登場で、うちの子は傷ついてるって。
僕は一郎君も二郎も大好きなのに」
息子は悲しそうに言った。

驚いた。

まさか、私によくしてくれていた友野ママが、私の息子にそんなことを言っていたなんて。

私は、息子を抱きしめた。
「バカね!そんなことで恨んでるわけないじゃない!
違うのよ。
さっき、友野ママが言ったのは、私のことなのよ!
私の名刺のせいなのよ!」

仕方ない。
私は、夫と息子に、名刺の話をした。
友野パパが亡くなったときに、私の名刺を握っていたことを。


息子が寝たあと、私は夫に責められた。

「どういうことなんだ?」

「なぜか友野パパは、車で拾った私の名刺を握って死んだのよ」

「なんでそんな大事なことを今まで話さなかったんだ?と聞いているんだ」

「だって、本当に濡れ衣なんですもの!
私には全く心当たりがないことなんだもん!
どうでもいいことかと思って、あなたには話さなかったのよ!」

「君はもしかして容疑者なんじゃないか?
友野さんが亡くなったときも家に一人でいたからアリバイがないし。
友野さんの奥さんは、君を疑っているのか?」

夫は、頭を振りながら言った。
「それにしても、家族にはちゃんと何でも話してくれないと困るじゃないか!」

「ごめんなさい。
これからはあなたにも、みつおにも何でも話すわ(自分の浮気以外のことは)」

そして、私は夫に説明した。
「でもね、友野ママが、友野パパの女性関係にピリピリしていたのは本当のことなのよ。
私にはね、心当たりがあるの。
友野パパは浮気をしていたことがあるのよ」


ミニスカポリスの恰好で股に手を入れて片足あげて座っている


刑事が2回目にうちに来たとき、私は思い切って言った。

「あなたたちが情報を得ているかどうか知りませんが、友野さんのご主人は、浮気をなさっていたんですよ」

二人組の刑事は顔を見合わせた。

私は言ってやった。
「私は友野さんの奥さんから数カ月前に直接きいたのです。
友野さんの旦那さんは浮気をしていたのです。
私なんかをチクチク調べてないで、そちらを調べたらどうですか?」

二人組の刑事は無言だった。

私は、ドヤ顔で言ってやった。
「あなたたたち、知らないのね?(無能ね)」

しかし、刑事の一人が口を開いた。

「そちらは当然調べてます」

もう一人の刑事が言った。
「あなたが、南町付近(私の営業エリア)のラブホ街で、ガタイのいい固太りの男性と一緒に頻繁に目撃されていることも調べていますが」

私の不倫相手の上司は、身長178センチ固太り。

そう言えば、友野パパも、身長が180センチくらいある固太りだった。



次回に続く
パパ友殺人事件③        




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2Comments

ダンディー?  

No title

偶然にも一致することもあるあるだね。今回いろんな所で、知られてない事情が出てきそうな予感。

2021/02/21 (Sun) 23:48 | EDIT | REPLY |   
huugetu

huugetu  

Re: No title

久しぶりに自分では、ノリノリ気分で書いてます。

いつもは素行の悪い疑われがちな側が、探偵活動をする話

2021/02/22 (Mon) 05:46 | EDIT | REPLY |   

コメント

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