エロ学生寮日記⑫
他人の観察してる場合じゃない

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私たちが観光ホテルに泊まった二日目の朝、朝食は、またビュッフェ形式でした。
私と先生と双子Aちゃんが食事会場に行くと、四年生同性愛男子とイケメン長男が、小さなテーブルに座って二人だけでご飯を食べていました。
破局男子は、すっかりスポーツ部になじんで、彼女たちの大きなテーブルのど真ん中に陣取っていました。
そして朝からハイテンションで何かを喋りまくって、女子選手たちを笑わせていました。
破局男子は人気者になっていました。
本来のスポーツ部マネージャーの男子は、スポーツ部のテーブルのすみっこでニコニコしながら無言で座っていました。
先生は、テーブルの端に座った男子マネージャーの隣の席にそっと座りました。
私と双子Aちゃんは、四年生男子と長男のテーブルのところに行きました。
「おはよう」
「おはようございます。のぞみさん。
Aちゃん、昨日は素晴らしい演奏をありがとうね」
「他の二人はどうしたの?」
「さあ~?」
「起きたら、二人とももういなくって。
メモがあって、『朝から二人であっちの岬の方まで行ってきます』って書いてありました」
なるほどね。
同性愛三年生男子と一年生クラスメイト男子は、随分仲よくなったようですね。
一方、同性愛四年生男子は、イケメン長男がお気に入りの様子です。
Aちゃんが長男に近づこうとしても、話かけても、すぐに四年生男子が話題をかっさらいます。
長男も、先輩に対しては、就職の情報ももらいたいし、逆らえずにものすごく気を使っていました。
う〜ん。
まあいいでしょう。
朝食のあと、Aちゃんと長男二人だけは、寮に帰ります。
帰り道は二人きりになれるから、いいでしょう。

Aちゃんとイケメン長男は、朝食の後帰ります。
午後からは、四人家族の奥様と、私の夫とお父さんが観光ホテルに来ます。
私は、同性愛四年生男子に尋ねました。
「私、午後からは大人たちと一緒にビーチで過ごす予定なんだけど。
それまで岬を見に行きたいと思ってるの。
あなたはどうする?
一緒に行かない?」
「う・・・ん。
そうですね。
どうしようかな?
でものぞみさん。
あんな岬、大して眺めよくないですよ。
全然綺麗じゃないですよ」
自分の恋人が、置手紙を残して他の男と岬に行ってしまった。
四年生男子は、複雑な気持ちのようでした。
「眺めよくないの?
ここの駅のパンフレットには絶景スポットって書いてあったわよ」
「あんなのウソウソ。
どこにでもあるような岬です。
全く、最初は僕も騙されましたよ」
と四年生男子は言いました。
そして彼は、
「この土地の観光協会の誘い文句に騙されて、初めて遠出デートしたのは、あの岬でした」
と言いました。
「へえ〜誰と行ったの?」
「・・・・・・」
四年生男子は、一瞬言い淀みましが答えました。
「あいつと」
私は、車を出して、四年生男子を無理やり乗せて、岬に向かいました。
運転しながら、私は助手席の男子に言いました。
「ねえ、あの二人に電話してよ。
私たちも今から岬に行くから、どこかで落ち会いましょうよって」
「え?」
四年生男子は、一瞬イヤな顔をしましたが、スマホを出して電話をかけました。
しかし、電話は二人のどちらにもつながりませんでした。
海に張りだした岬は、そこそこ綺麗でした。
何にもないけど、緑の山みたいな中に突然出現した岬。
「すてきじゃない!
天気がよくて、こんな風に海がキラキラしてる日には、充分、絶景観光スポットだわ」
「でも全然、人がいないじゃないですか?
どこが観光スポットなんですか?」
確かに、夏場のこんな時期なのに観光客は数人しかいませんでした。
「ねえ、もっと崖の近くに行きましょう」
しかし、岬の突端で、ピッタリと身体を寄せ合っている二人の人間を見て、同性愛四年生男子はビクッとしました。
それは同性愛三年生男子とクラスメイト一年生男子の後ろ姿でした。
四年生男子は、それ以上、前に進めませんでした。
私は構わず二人に声をかけようと思いましたが、次の二人の仕草を見てやめました。
次の瞬間、一年生男子の髪の毛が強い風で乱されたとき、三年生男子は、優しく自分の手を差し伸べて、彼の髪の毛を整えてやったのです。
一年生男子の照れたような嬉しそうな横顔が見えました。
そして三年生男子は、彼の背中に手をそっと回しました。
一年生男子の横顔は、少し驚いたようでした。
しかし、あっちを向いたあと、一年生男子は自分の手も三年生男子の背中にそっと回しました。
私たちは二人には声をかけずに、車を停めたところまで無言のまま一目散に引き返して、ホテルに帰りました。

午後、四人家族の奥様と、お父さんと夫が観光ホテルにやってきました。
私たちは、砂浜にリクライニングのビーチチェアを並べてゆったり座りました。
四年生男子は、お父さんに捕まって昼間からビーチで宴会状態です。
お父さんは、お酒が入るとマシンガントークを始めます。
でもよかったです。
今は、そういうことが、彼の気分を紛らわせるのに少しは役立つかもしれません。
私も、缶ビールを片手に、お父さんの話を盛り上げました。
奥様と夫は、缶ビールを断り、コーラを飲みながら穏やかに世間話をしていました。
しかし、四年生男子もヤケクソ的に盛り上がり出したころ、夫と奥様は私に、
「ちょっと、ちょっと」
と、手招きをしてきました。
私は立ち上がって、二人のチェアの方に近づきました。
「この前の件ね、今日の夜にね、親父に軽く打診してみようと思うんだ。
今夜はお座敷で三人だけだし」
と、夫は小声で言いました。
奥様は頷きました。
ああ、奥様をお父さんの会社に入社させる件ね、と私は思いました。
「ああ、だからあなたは夕食をお座敷にしたかったのね?」
と私は言いました。
「でも、お父様、昼間からあんなに酔ってて、大丈夫かしら?
夜、真面目な話になるのかしら?」
私は、お父さんの方をチラッと見ました。
夫は自信を持って言いました。
「こういうときの方がうまく行くんだ。
昔、俺が、親父に反対されていた東京の大学に行きたいって希望を認めてもらったときも、こんな感じの日だった」

PM6時の夕食時、三年生男子と一年生男子も帰って来て、私と四年生男子と一緒に4人でビュフェのテーブルを囲みました。
若い男の子に囲まれる紅一点、うらやましい・・・に見えるかもしれませんが、違いますよそれ。
だってこの三人、全員男色家じゃないですか。
三年生男子は、四年生男子にぼそっと言いました。
「ごめんね。
今日、勝手に出かけちゃって」
四年生男子は、平静さを装って、
「ああ別に。
俺も今日はオーナー(お父さん)たちと海辺ですごく楽しかったし」
と言いました。
夕食のあと、私が男子三人を連れて、花火とバケツを持って海岸にゆくときに夫たち三人に出会いました。
夫たちは、これからお座敷にて高級和食コースです。
ご機嫌なお父さんは私に向かって言いました。
「なんだ、なんだ。
のぞみさん〜。若い男の子に囲まれてるのか?
いいな」
だから、違うって。
夫は、男子三人に向かって言いました。
「花火するの?
君たち、どうもありがとね。
若い女の子とじゃなくて、うちのおばさんと一緒に遊んでくれて」
だからあ!違うって言ってんだろ!ボケ!
奥様は笑いました。
そして言いました。
「私はのぞみさんのことうらやましくないわ。
だって、私は今日はこんなステキな大人の男性二人に囲まれているんですもの」
奥様、うまいですね。
あのねえ、花火は、せつない三角関係のこの男の子たちが主役なんですよ。
私は、立会人と言うか、何か不穏当なことが起きないかのための保護者なんですよ。
花火は、きまずくなかったです。
三人とも楽しそうでした。
一年生君も盛り上げてくれたし、三年生男子も四年生男子に対して気を遣ったし、彼も随分元気になっていました。
私が安心して三人を海辺に残してホテルに戻るとき、また夫たちに出会いました。
食事を終え、お父さんと夫はかなり酔ってて、ご機嫌でした。
唯一シラフっぽかった奥様は、私に走り寄ってきました。
「のぞみさん!
私、お父様の会社に入社できることになったんです。
お力添え、どうもありがとうございました」
奥様は、深々と私に向かって頭を下げました。
いえいえ、私は何もしておりませんよ。
奥様自身のお力だと思いますよ。
夫は私に言いました。
「まだ飲み足りなくってさ。
そこにあったバーに行こうと思うんだ。
のぞみも一緒に行こうよ」
お父さんも、
「のぞみさんも来なさいよ」
とおっしゃってくれましたが、私は断りました。
「ごめんなさい。
私は、もう疲れてしまって。
もう大浴場に行って寝ます。
あ、そうだ、そこのカフェバーならスイーツが絶品ですよ。
お父様や、奥様世代の方が好きそうなスイーツメニューが豊富ですよ」
と言ってやりました。

私は、大浴場に行きました。
そこにはスポーツ部の女子たちがいました。
一日の練習も終わって、ホッとした時間でしょう。
みんな、大きな湯船で、楽しそうにおしゃべりをしていました。
「あ、寮の若奥さん!」
と言ってくれたコがいたので、私は、湯船の彼女たちの中に入って行きました。
私は、破局男子のことや、先生とマネージャー男子君の仲についてききたかったのです。
破局男子のことについては、一人の子が、
「臨時マネージャーさんですか?
色々手伝ってくださってとっても助かります。
それに面白い方ですね」
と言ったあと、
「あ、そーだ!
彼の感想はあのコにきいてやってください。
あおい〜!ちょっとお〜」
と言って、洗い場に居た一人の女子を呼びました。
他の女子たちがキャーキャー言いました。
スポーツ部にしては、華奢な身体の可愛いあおいちゃんとやらは、みんなにからかわれてました。
「あおいは、あの人の大ファンなんだもんね~」
なるほど、破局男子は、早くも可愛い女子のハートをゲットしつつあるようです。
あおいちゃんは、切なそうに言いました。
「明日、臨時マネージャーが帰っちゃうのが寂しいです」
そうでした。
破局男子がこの観光ホテルに滞在するのは、今夜まででした。
私は、あおいちゃんに言いました。
「うちの寮は、皆さんのグランドのすぐそばにあるから、今後も長いお付き合いをしましょうね」
男子マネ君のことについての話もきけました。
「ああ、先生の付き人のことですか?」
「きゃははは!付き人言うな!」
「あのコもよくやってくれますが」
「でもあのコ、先生が東京のスポーツ名門高校の監督だったときはどうだったとかああだったとかの解説が、弱冠うざい」
「きゃははは!先生も困ってるときあるよね~」
若い女子たちってのは、残酷なもんですな。
でも、私的には、スポーツ部の女子達からの男子マネージャーの評判はどーでもいいんです。
私的には、先生と男子マネが

3日目の朝食後、お父さんと夫と奥様は、タクシーに乗って寮に帰ってゆきました。
そして公共交通機関で帰る”破局男子”・・・あ、今は”臨時マネージャー”か?
が、スポーツ部女子たちにホテルの前で華々しく見送られたあと、四人家族のイケメン高校生次男と双子Bちゃんが、入れ替わりでホテルに到着しました。
二人は公共交通機関で来ると思ってたのに、次男と双子Bは、なんと二人のバイト先のお魚屋さんの車に乗せてもらって登場しました。
運転して来たお魚屋のご主人は、私に言いました。
「のぞみさん、実はね、うちからもこのホテルにも少しだけ納入してるんですよ。
ここの海で穫れる魚じゃない、他の特別なルートから来る高級魚とかね。
今日はその配達のついでに、彼らを乗せて来たんですよ」
「へえ〜!そうなんだあ!
知りませんでした。
お魚屋さんすごいんですね?」
と私が感心して言うと、ご主人は急に声を潜めました。
「のぞみさん。
あなたにちょっとお話があるんです。
一階のラウンジかどっかで待ってて欲しい」
私は、同性愛カップルとクラスメイト一年生に頼んで、新しく到着した二人を海岸までエスコートしてもらうことにしました。
私は、お魚屋のご主人がお仕事を終えるのを待ちました。
私が待つホテルの一階のラウンジに現れたお魚屋さんは、椅子に座ると同時に、私にこう言いました。
「のぞみさん、腐っちゃいけねえよ」
は?え?
私はお魚屋さんの”話がある”というのは、うちが買っているお魚の値段交渉か何かのことについてかと思っていたのですが。
うちの寮は、当初結構な量のお魚を買っていたので、随分安くしてもらってました。
でも、そのうち、意外に魚嫌いの若者が多いと気づいたことと、あと、うちの寮生の二人がお魚屋さんでバイトを初めてから、彼らが持って帰ってくれるお魚が多くて、私の寮は最近、あまりお魚を購入していませんでした。
ですので、お魚屋さんに仕入れ価格を上げるという値段交渉の話をされるんだろうなあ~と思って、私はご主人を待っていたのです。
しかし、魚屋のご主人が私に言いたかったという話は全然違いました
「のぞみさん、腐っちゃいけねえよ。
俺、のぞみさんはよくやってると思うよ。
うちの女房なんかもさ、嫁に来たとき、慣れない商売だったり俺のおふくろとうまくやれずだったり、一時期、ノイローゼになったりしたんだけど。
そんな風になってほしくないな。
俺たち商店街の者たちは、みんなのぞみさんを応援してるから頑張るんだよ」
は?え?
「でも、今回、ここで楽しそうにしてて安心したよ。
俺の助言も役に立ったんだなって」
「は?」
「おたくの親父さんとは、長い付き合いだ。
実はね、俺、忠告させてもらったんだよ。
たまには、お嫁さんにも遊びに行かせてやりなさいよって。
お嫁さんがノイローゼになって奇行に走らないようにねって」
ちょ、待てよ!!

ラブホの前の道路で、バッタリ会った酒屋の親父~ッ!!
商店街の人たちにばらしたんですね?
そして、私の家族にも伝わったらしいです。
一人でラブホテルにこもってしまうという私の(嘘の)奇行!!
(ホントは四人家族の旦那さんと不倫してたんだけど)
次回、最終回に続く
➡エロ学生寮日記⑬
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