エロ学生寮日記⑥
まともなパターンじゃない入が多い寮

★これまでの話➡エロ学生寮日記① ② ③ ④ ⑤
先生のファンだと宣言した、新入学生の男の子。
先生は、戸惑っていました。
そこでお母さんが、
「まあまあ!
あらあら!」
と嬉しそうに言いながら、二人の会話に入っていきました。
「すごい人だったんですね、先生~。
あなたも先生を追って、お勉強を頑張ったのね~。
そんな二人が、うちの寮で巡り合うなんて、なんてステキなことなんでしょう」
と、二人に声をかけました。
お母さんのその言葉で、先生は落ち着きを取り戻して、新入学生の男の子に言いました。
「高校推薦の入学が広き門なんて言っちゃだめよ。
生徒会活動をしたり、自分の高校の先生の信頼と評価を得ることは大変なことだし、素晴らしいことですよ」
あ、何か教師ッぽいこと言っているな、と私は思いました。
男の子は顔を輝かせました。
「でもさ・・・」
先生は続けました。
「私が面倒みるスポーツ部は、女子だけだよ?」
私とお母さんは、ずっこけました。
先生は、憐れみを含んだ目で男の子を見つめていました。
しかし、男の子だけは、相変わらずキラキラした目で、
「先生のスポーツ部には、僕みたいな男子マネージャーが必要だと思うのです!」
と言うじゃあありませんか。

高校からの推薦で大学に入学する人たちからは、私たちの寮への問い合わせや、内覧の申し込みがありましたが、一般入試の合格発表はまだです。
本格的に入居者が決まってゆくのはまだまだ、これからだと思っていました。
なのに、次の週に一階の開いていた三室は、バタバタッと契約が決まりました。
うちの妙な料金システムに納得してでも来てくれた一人は、何と留年確定っぽい4年生の学生さんでした。
(うちの妙な料金システムとは=最初は、二人部屋に一人住まいで一人分料金をいただく。
半年たっても、仲よしさんを見つけないと(相部屋になる人を探して来ないと)、二人分の料金をいただくようになる)
「僕は、恐らくこの3月に卒業できると思ってて、今住んでいるアパートとは3月半ばまでの契約になってたんです。
僕のアパートの部屋に次に入る人ももう決まってしまいました」
その学生は説明しました。
「しかし、ここに来て、僕は最後の試験で大失敗したようでして。
教授が助けてくれると思ったのですが、どうも助けてくれない感じで。
多分、僕は留年決定です。
内定の決まっていた会社への入社も、多分、おじゃんです。
もう1年、大学に通わないといけない。
あと1年間この土地で住むところを僕は探さないといけなくなりました。
そしたら、こちらの寮の広告が目にとまって」
お母さんは、悲しそうな表情で、
「まあ~。
それはそれはお気の毒に。
大変なことになりましたね」
と、学生に向かって言いました。
私は、確認しました。
「それはお気の毒に。
でもうちの料金システムはご理解いただいていますか?
あなたは、あと1年間しかここに住まないのに、半年間は二倍の料金をいただく可能性もあるのですよ」
学生は、
「それなんですけど、小学校が一緒だった近所の子が、たまたまこの大学の入試を受けていて、合格発表はまだですが、多分、あいつは合格すると思うのです。
で、そいつが一緒に住んでくれると言うのです。
その子の親御さんは、むしろ自分でアパートを探さなくてもいいし、僕と一緒だったら安心だということでありがたいと言ってます。
ですので、多分4月からちゃんと、二人部屋を二人で使わせていただけると思うのです」
と言いました。
私は、頭を抱えました。
多分、多分、多分の不確定要素ばかりか????
多分この人は留年する、多分近所の子が入学する?
でもまあ、うちと契約したいとその学生が言うのですから、しょうがありません。
”多分留年”の学生さんとは、3月半ばから一階に入居ということで、仮契約をかわしました。

次に一階の部屋の契約が決まったのは、なんとご家族でした。
「4人家族で二部屋お借りしたいのですが、可能でしょうか?」
ご家族のメンバーは、父、母、男の子の二人でした。
私とお母さんは、激しくのけぞりました。
どうもワケありっぽいです。
ご家族の元々のお住まいは東京。
長男はここの大学の二年生で、小さな学生アパートで暮らしていましたが、昨年末から、その小さなアパートにご家族みんなで、こっそりと引っ越されたそうです。
次男の子は、この土地にある高校に転入されたそうです。
でも、元々、学生しか住んではいけないアパート。
4人家族が住んでいることがバレて、このたび、アパートの家主にご家族は追い出されることになったとのことです。
ご家族は言いました。
「4人で二つのお部屋を借りることはできませんでしょうか?
もちろん、寮費は4人分お支払します」
私は絶句しました。
これこそ、夫やお父さんに相談する案件です。
しかし、お母さんは、目をウルウルさせて、即答しました。
「東京からみなさんでこちらに来たんですか。
何かご事情があったのでしょうね。
ご苦労なさったのですね。
もちろんです。
もちろん、ぜひ入居してください」
ちょ、待てよ!と、私は思ったのですが、お母さんは止まりませんでした。
お母さんは契約書を出して来てしまいました。
ご家族の入居を来週からで契約してしまいました。

夜、仕事から帰って来た夫とお父さんも、4人家族の入居の話をきいて、やっぱり絶句しました。
「だってお気の毒じゃないの?
ご家族みんなで東京から逃げるようにここにいらしたのよ。
何があったのかしらないけど可哀想だわ。
それに家族の中のお一人は、ちゃんとここの大学生なんだからいいでしょ?
高校生の次男もいずれここの大学に入りたいって言ってるし」
そうお母さんは説明しました。
口をあんぐりしたまま、まだ物を言わない夫とお父さんに、お母さんは続けて言いました。
「それにね。
少しやってみて思ったんだけど。
やっぱり24人分の食事を、私とのぞみさんだけで作るのは中々大変そうだわ。
あの家族の奥さんにも手伝ってもらったらどうなんだろうと思って。
今は、近所のスーパーでパートのお勤めしてるんだけど。
ここに入ったら、賄いもあるし、今後はフルタイムで働こうと思っているとおっしゃってたわ。
じゃあ、私たちの寮の運営の手伝いをしてもらったらどうかしらと思って」
お父さんは首をブンブンと振りました。
「その人を雇うってのか?
そんなことしたら、その人の人生をずっと預からなくちゃいけないんだぞ?
そんなの責任もてないだろ?
学生を4年間だけ預かるだけとは、意味が違うんだぞ。
良美さんは、全然社会のことがわかってないよ!
あなたは甘いんだよ!」
と、お父さんはお母さんに厳しい言葉を投げました。
お母さんは泣きそうになりました。
お父さんが、
「今度から、寮の入居者の面接は僕が立ち会う!
良美さんは頼りにならないよ!」
と言うと、お母さんはとうとう泣き出しました。
夫は、
「まあまあ」
と言いました。
「その人は、うちでは絶対に雇わない。
でも入居させてあげようよ。
ご家族には、きちんと寮のルールを説明して守らせて。
ルールを破るようなことがあったら、即、出て行ってもらうことにして。
それでいいね?」
「二郎!お前も甘いんだよ!」
とお父さんは怒鳴りました。
次の日は休日でした。
お父さんは、「断固4人家族の入居を断る!」と言って、家族の旦那さんに電話しました。
しかし、旦那さんは休日もお仕事をしているということで、アポがとれませんでした。
代わりに近所のスーパーの仕事の休憩時間に、奥様に抜け出してもらって、うちに来てもらいました。
奥様の姿を見た瞬間に、お父さんは、ハッという顔をしました。
それまでの怒りの表情から急に変わって、驚いたような、それでいて柔和な表情になりました。
私はその表情の変化を不思議に思いましたが、夫を見ると、夫もハッという顔をしていました。
この席にお母さんは同席していませんでした。
お母さんは朝からグズグズと半泣きで、ずっと風呂掃除をしていて出てきませんでした。
「まあ。ご主人様ですか。
若旦那さんも。
このたびは、学生さんの寮に4人家族で入居なんて、大変ご迷惑をおかけします。
ご厄介になります。
どうぞよろしくお願いいたします」
そう奥様が言うと、お父さんは、笑顔で、
「はい。
こちらこそよろしくお願いします」
と答えていました。
夫は、「え?」という顔を一瞬して、お父さんの方を向きましたが、それ以上は何も言いませんでした。

「わあ!よかった!よかった!」
お母さんはご機嫌になりました。
「お父さん!ありがとう!さすがね、心が広いわね!」
「ま、まあな。
困っている人を見捨てるわけにはいかない」
お母さんは喜んでいるけど、でも私は、胸に引っかかりがありました。
私とお母さんは、あの奥様を特に美人だとは思わなかったけど。
そう言えば、確か、学生時代にも会社勤務時代にもいました。
女子から見ると、「なぜ?」というような美人でもない女の子が、男子にとてもモテたこと。
その女の子たちに、奥様はどことなく似ていました。
目も小さいし、ヒラメ顔で、それほどグラマーでもないんだけど、色白でなんか色っぽく、何か男性を妙にひきつける女性。
*******
その日の夕方は、双子ちゃんが寮に来ました。
引っ越しはまだですが、双子ちゃんのお住まいは隣の県だったので、来やすいのです。
引っ越し屋さんに、もしも”ぞんざい”に扱われて壊れたら困るということで、双子ちゃん達は、趣味の楽器を自分の手で運んできたのでした。
「寮の中では、楽器の演奏はしないので安心してください」
「引っ越しの前ですが、楽器をお部屋に先に運び入れてもいいですか?」
と、事前にきいていました。
楽器を部屋に置き、帰ろうとする双子ちゃんをお母さんは止めました。
「せっかく来たんだから、お茶でもしていかない?」
一階のリビングで、うちの家族と一緒に双子ちゃんは、お茶を飲み、お菓子を食べました。
「どんな曲をひくの?」
「音楽大学も目指していたの?」
などと、私たちが質問することに対して、弱冠緊張しながら双子ちゃんたちは、答えていました。
その時でした。
あの4人家族の、長男と次男がやって来たのでした。
チャイムが鳴ったので、私はリビングのソファーから立ち上がって、玄関に向かいました。
「今日、バイト先で余ったものをたくさんもらったので、お裾分けに持ってきました」
長男はケーキの箱を、次男はお魚の入った発泡スチロールの箱を持っていました。
私は、
「まあ!どうもありがとうございます」
と言いながら、二人から、お裾分けを受け取りました。
「よかったら、お茶をしていかれませんか?」
4人家族の大学生の長男と、高校生の次男を連れて、リビングに戻ると、お母さんが、
「あらあらあら~」
と言って立ち上がりました。
そして、私の手からケーキを受け取りながら、
「まあ、ありがとうね~。
今、いただきましょう。
あなたたちも座って座って」
と言いました。
私とお母さんは、お魚を冷凍庫にしまってから、キッチンでお茶を入れ直し、ケーキをお皿に乗せました。
私とお母さんがお盆を持ってリビングに戻るとき、お父さんが「感心だなあ、君たちは。学生なのに休日も働いているのか?」と大きな声で喋っていました。
リビングのテーブルに戻ると、双子ちゃんたちの様子が、さっきと変わっていることに気づきました。
さっきまで、私たち大人の質問に対して、顔をこわばらせ、緊張しながら答えていたのに。
今の双子ちゃんたちは、頬をピンクにして、目を大きく見開いて、お父さんと男の子二人の会話をなんかワクワクした表情で、じーっと見つめていました。
私は男の子たちの顔を見ました。
家族難民というインパクトが強すぎて、私は、今まで、そういう目では見てなかったけど。
じっくり見ると・・・。
確かに・・・。
この兄弟、なかなかのイケメンだわ・・・・・・

次回に続く
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