おっさんが、女子のふりして、女子に近づいたら(後編)
ネットで知り合った女の子は、売春目的だったのか?

これまでの話はこちら➡おっさんが、女子のふりして、女子に近づいたら(前編)
娘が、僕のネット友達の19才のミキちゃんに『別れを告げに』会いに行ってくれることになった。
娘は、うちからではなく、大学の寮から直接、待ち合わせ場所に行くという。
ミキちゃんとの待ち合わせ場所は、うちより、大学の方が近かったし。
ミキちゃんとの接触時間は絶対に2分以内にしてくれと、僕は頼んでいた。
何か話すと、僕とミキちゃんがLINEを散々していたことが娘にわかってしまうし、またミキちゃんには、娘がシロネコではないことがバレそうだし、プレゼントを渡したら、すぐに帰ってきてくれと頼んだ。
娘は、出かける寸前に電話をくれた。
「これからミキちゃんに会ってくるよ」
「すまないな。頼む」
しかし、その電話を切った途端に僕は、急に不安に襲われた。
今まで考えもしなかったことを急に思いついた。
ミキちゃんって、本当に19歳の女の子なのか?
だって、僕だって嘘をついていたんだ。
向こうが嘘をついている可能性だって、ゼロじゃない。
そう思いついた途端、僕は家を飛び出した。
「娘が危ない!!」
僕は、待ち合わせ場所に急いだ。
電車の中で何度も娘のスマホに電話したが、娘は出なかった。
僕はあせった。
胸騒ぎがした。
ああ、僕は馬鹿だった。
自分のどうでもいい趣味のために、大事な娘を危険にさらすなんて。
僕は、電車を飛び降りて、タクシーに乗り換えた。
「お願いします!急いでください!」
タクシーの中でも、悪いことが頭をグルグルよぎる。
ミキちゃんも、僕と同じようにおっさんだったとしたら。
そして、目的は僕と異なり、18歳の女の子をどうにかしようというエロ目的だとしたら。
長らくLINEをやり取りし、シロネコちゃん(僕)を安心させ、そしておびき出して・・・。
僕は、狂ったように娘の携帯に電話をかけ続けた。
留守電に何回もメッセージを入れた。
「会うな!ミキちゃんに会うな!」
「ミキちゃんは男かもしれない!危ない!」
「今すぐ、寮に引き返してくれ!頼む!もういい!」
「待ち合わせ場所に行ってはいけない!」
娘が男に襲われるところを想像すると、僕は狂いそうになった。
でも、ガタイのいい柔道選手の娘のことだ。
男を撃退してるかもしれない。
そうだ、そうだ。我が娘のことだ。
男に勝つかもしれない。
僕は一縷の望みにすがった。
『背負い投げ~っ!!!』
と言いながら、男を成敗している娘を想像した。
お願いです、神さま。僕の娘をどうぞお守りください。
僕は、両手を握りしめ、祈りながらタクシーに乗っていた。
少しすると、タクシーが渋滞に巻き込まれた。
僕は発狂しそうだった。
もう、間もなく、ミキちゃんとの約束の時刻だ。
「お願いです!
急いでください!急いでください!」
と運転手さんに向かってヒステリックに叫んだ。
「そう言われてもねえ。渋滞じゃあしょうがないねえ」
と、運転手は言った。
そこで、娘からの着信音が鳴った。
「だいじょうぶかああ!!」
僕は、スマホに飛びつき、そう叫んだ。
娘は言った。
「お父さん。
どうしたの?危険とか、帰って来いとかさあ」
のんびりした声だった。
よかった。
僕は、ひとまず安堵して、言った。
「もういいんだ。会うのはやめてくれ。
ミキちゃんは危険な人かもしれない。
僕も、今、そっちに向かっている!」
しかし、娘は言った。
「うーん。
危険な人ではなさそうだよ。
女性だし」
「え!もう会ったのか?」
「今、柱の陰から見てる。
目印って言ってた、大きな緑の鞄の人見つけた。
こっちの目印の、お母さんのスカーフは隠してて、まだ見せていないよ」
「やめろ!
もういい。
近づかないでくれ。
君が無事なら、もうミキちゃんなんてどうでもいい。
僕がそこに行くまで、その人に話しかけてはいけない!」
「う〜ん。
でもさあ。
もうちょっと様子見てみるよ。
しかし、とても19歳には見えないなあ。
もう少し大人の女性に見えるなあ。
もらった写真の顔とは、確かにそっくりだけど」

どういうことだ?
ミキちゃんは男ではなかったが、年齢詐称してたってことか?
「様子見て、安全そうな人だったら、プレゼントだけ渡して帰るわ。
また電話するね」
と娘は言うと、電話を切ってしまった。
「あーっ!待て!」
と、僕は叫んだが、電話はもうつながらなかった。
どういうことだ?
ミキちゃんが単に年齢を偽っていただけなら、全然かまわないが。
とにかく、僕も急ごう。
道が混んでしょうがなかったので、僕はタクシーを降り、また電車に乗り換えた。
この方が早いかもしれない。
電車の中で、僕がかけた電話に娘が出た。
「大丈夫か?」
と僕はきいた。
娘は言った。
「うん。今、お茶しにいくところ。
二人でカフェに向かって歩いているところ。
大丈夫だよ、大勢人がいるから安全だし」
「や、やめろー!」
と僕は叫んだ。
しかし、娘は意外なことを言った。
「あ、ミキちゃんは、『シロネコさんは男だと思ってた』って言ってるよ。
なのに、私なんかが来ちゃったから、びっくりされてるよ」
え?は?
はああ?
「ちょっと事情があるみたいなんで、とにかく話してみる。
あ、カフェに着いちゃった。
また電話するね、お父さん」
「待てーッ!切るなあ!」
電車の中にも関わらず、僕は叫んでしまった。
は?
え?
僕は、頭が混乱した。
娘の言ったことを一生懸命、整理してみた。
ミキちゃんは19歳ではない。
もう少し年上の女性。
そして、シロネコ(僕のこと)を男だと思ってた??
は?
LINEのやり取りで、僕が、男とばれていたのか?
まあ、それはそれでいい。
でも、どうして、それでLINEを続けた?
どうして僕と会おうとした?
19歳ではなく、もっと大人の女性だったミキちゃん。
自分の若いときの写真を僕に見せていたミキちゃん。
僕が男とわかっていて、会おうとしたミキちゃん。
僕には、また違うことが想像されてしまった。
ミキちゃんは売春目的だった?
僕は、とにかく早く、待ち合わせ場所に行きたかった。
娘が心配だった。
もう、ミキちゃんがどんな人でもいい。
娘に、僕とミキちゃんとメル友だったことがバレても構わない。
とにかく娘が無事ならいい。
しかし、とんでもないことが起きた。
僕の乗っていた電車が急停車した。
「こわッ!!」
「なに?なに?」
などと、車内の乗客たちはざわついた。
まもなく、車内放送が流れた。
何か電気関係の事故で、しばらく電車が停車するという。
うっそだろ?!
こんなところで、足止め食っているわけにはいかない。
しかし、駅と駅の間で電車は止まってしまったので、電車を降りてタクシーに乗り換えることもできない。

電車内で待たされているうちに、少しだけ僕は冷静になって落ち着いてきた。
娘は、人が大勢いるカフェで、大人の女性ミキちゃんに会っている。
最悪の危険は回避されたのではないだろうか?
少し安心して、また電車内であまりに手持無沙汰だったので、僕は変な想像を始めてしまった。
*****
(以下、僕の妄想)
実は、売春婦だったミキちゃん。
20代後半か30代、多分アラサーくらいのミキちゃんは、19歳のときの写真を出して、男を誘っていた。
19歳の写真につられて会いに行った男は、きっと一瞬ガッカリする。
でも、多少年齢詐称してても、いいオンナには変わりない。
それに、19才よりアラサーの方が、男側にとっては気楽だ。
遊ぶのにはちょうどいい。
罪悪感が全くわかない。
19歳の写真のミキちゃんは真面目そうだったが、きっとアラサーのミキちゃんは、エロい雰囲気を身にまとっている。
清楚だったプックリした桜色の唇は、もっと濃い色のつややかなリップで飾られている。
大きな丸かった目は、化粧の上達度もあり、エッチな感じに少しだけ吊り上がって、アーモンドの形状のようになっていて、男を魅きつける。
みずみずしかった肉体は、何やらクネクネしたエロい肉体になっている。
それに釣られて、男はミキちゃんに誘導されるがままにホテルに向かう。
ミキちゃんの綺麗なマニキュアをした細い指が、男のジッパーを開け、男根をつまみ出す。
ひざまづいているミキちゃんは、男根を持ったまま、男の顔を見上げる。
ニヤッとエッチに微笑みながら、男の顔を見上げる。
そして、おもむろにお口をアーンと開けると、男のイチモツはミキちゃんのお口の中に。
ヌメヌメしたお口の中は、”ミニ膣”だ。
男のモノは、ヌメヌメのお口の中で上下に擦られる。
同時に、柔らかいプックリした唇で擦られる。
お口に男のモノを出したり入れたりしながらも、同時にミキちゃんの舌先は、男のてっぺんをチロチロと突く。
舌先で舐めまわしたり、舌先をとがらせて、男の先端をつついたりする。
そして、チュバチュバ音を立てつつ、男の側面や先端を散々弄んだあと、ミキちゃんは急に激しく吸い込み出す。
ミキちゃんは、自分の頬がコケるほどの吸引力で、男のモノを吸い込みだした。
男根を舌で舐めまわし、男根の側面を刺激しつつ、同時に吸い込み出した。
力強く、男のモノをジュルジュル吸うミキちゃん・・・・・・

僕の妄想の途中で、電車は動きだした。
僕は、頭を大きく左右に振った。
何を考えているだ、僕は。
ミキちゃんが悪い男じゃなかったとはいえ、娘が心配だ。急がなくちゃ。
その後、目的地の駅に着き、娘に電話しようと僕がスマホを開くと、娘からメールが来ていた。
『お父さん
”●×△カフェ”にいるよ』
********
カフェの一つのテーブルから、娘は僕に手を振った。
「お父さん!
おそーい!」
娘しかいなかった。
ミキちゃんらしき人は、もういなかった。
とにかく、いつも通りの元気な娘の姿を確認できたとたんに、僕は涙が出てきそうになってしまった。
僕がよろよろと娘のテーブルの席に近寄ると、娘は立ち上がった。
そこで、僕は思わず娘に抱きついてしまった。
「無事でよかった。
バカなお父さんを許してくれ」
娘はケラケラと笑った。
テーブルの上には、綺麗な包装紙と、センスのいいリボンと、可愛い小物や、可愛いコスメがたくさん並んでいた。
コスメには、僕には見覚えがあった。
ミキちゃんが、LINEの写真で送ってくれたものの中で、僕がとりわけ褒めたシリーズだ。
その可愛いグッズたちの中に埋もれて、娘が勉強のときに使う、段ボールみたいなごっつい表紙の厚いノートがそこに置いてあるのが、少し違和感だったが。
「このお化粧品、ユミさんにもらったんだよ。
あ、こっちからのプレゼントはちゃんと渡したよ」
と、娘はニコニコして僕に言った。
は?
ユミさんて、誰や?!
娘は、可愛い包装紙やグッズを横にどけると、自分の太いノートを、僕に押しつけて来た。
「読んで。
ここに書いてもらったんだよ。
ユミさんからお父さんへのメッセージ」
だから!ユミさんて誰や?!
**********
シロネコ様
今日は、お目にかかるのを楽しみにしていたのですが、ご到着をお待ちしないで帰ります。
ミキです。
本当は、ユミと申します。
ミキというのは、私の娘の名前です。
娘の写真を出して、娘になりすまして、サイトに登録していました。
私は、娘になった気持ちで、誰かと話がしたかったんです。
実は、私たち夫婦は、ある理由で、娘を勘当したことがあります。
もう二度とうちに帰って来るなと言って、勘当しました。
でも、それは浅はかでした。
後悔しています。
私達は、娘に会えなくなってしまいました。
いくら、後悔してもしきれません。
私は娘になって、娘の気持ちになって、誰かと話がしたかった。
娘の友達と話しているような気がして、シロネコさんと話しているのは楽しかったです。
でも途中で、シロネコさんは、実は男性なんじゃないかと気が付きました。
ちょっとした言葉遣いや、何かで。
また、恐らく私と同年代の方なのではないかと思い始めました。
シロネコさんも、何らかの理由があって女の子に成りすまして、話がしたかったのだろうと思いました。
もしかしたら、私と全く同じ境遇の方なんではないか?とまで、私は妄想し始めました。
シロネコさんもお嬢さんを亡くされた方なのではないか?
娘さんと喧嘩したまま、会えないまま、死別されてしまった人なのではないか?
と、私は勝手に思い始めました。
私は、シロネコさんとぜひ、お会いしたいと思いました。
しかし、今日、亡くなったどころか、とても元気いっぱいのお嬢さんが登場したときは、本当に驚きました。
本当に素敵なお嬢さん。
明るくて元気で、生き生きしていて、私も何だか元気をわけてもらいました。
シロネコさん、どうぞ、お嬢さんとずっと仲よくしてくださいね。

僕は、胸がつまった。
ユミさん、ミキちゃんのことを思うと胸がしめつけられた。
いや、僕だって、僕だって、もう少しで、娘を危険な目に合わせて、一生後悔するところだったと思うと、本当に涙が出そうだった。
娘は、僕の方を見ずに、ガサガサと大きな音をたてて、コスメやグッズや包装紙やリボンを自分の鞄にしまっていた。
僕は、ノートの他のページをパラパラ見た。
僕は、
「なあ。
これ、大事なノートなんじゃないか?
前の方に授業のことが色々書いてあるぞ」
と娘にきいた。
すると娘は、太い手で僕の手からノートを奪うと、ノートをビリビリとはがしはじめた。
「おいおい!!」
娘は、切り取った大量の授業のノートの切れ端や、白紙の部分を自分の鞄につっこんだ。
そして、表紙だけがやけに立派な、ページは薄くなった、ユミさんのメッセージだけになったノートを僕に渡してきた。
テーブルの上に残っていたアイスオーレを娘はズズズ―ッと飲み干した。
「さ、帰ろっか」
と娘は言った。
娘が立ち上がったので、僕も立ち上がった。
僕は娘に言った。
「寮まで送っていくよ」
娘は、僕の顔をちらと見て笑った。
終わり
前編はこちら➡おっさんが、女子のふりして、女子に近づいたら(前編)
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