マリーアントワネットなサバイバル⑦~エロエロ詐欺師の書くサバイバル・ミステリ~

街でチンピラ集団に出会う、かよわき女性たち4人


チェックの制服でこちらにお尻を向けて脚を上に上げている

昨年8月よりエロイ話が書けなくなった、現在エロリハビリ中で、実質エロエロ詐欺師のhuugetuです。

本日も、エロくない話です。
(2020年5月14日〜16日に記)

*************


マリーアントワネットなサバイバル

第七話


<前回までのあらすじ>
ドイぺチーノ共和国の離れ島、観光客に人気のストロベリー島に、家族と一緒に日本からバカンスに来たマリーとアン。
しかしストロベリー島に滞在3日目に、二人以外の人間は皆消えてしまった。

電気などのインフラが止まった島で、過酷ながらも贅沢?なマリーとアンの二人きりのサバイバル生活が始まった。

サバイバル生活3日目に出会った地元民の女性二人。
大型バイクを操る、おじいさんみたいなおばあさんのネットと、ガタイのいい不良顔の少女トワ。
4人で協力して、マリーとアンは生き残らなければならない。

(前回参照=マリーアントワネットなサバイバル第六話)

********

マリ―とトワは、ホテルの客室を片っ端から捜索して、自動車のキーを探していた。

五階の客室のベッドの枕をひっくり返したり、デスクの引き出しを覗いたり、クローゼットに残された客の洋服のポケットなどを探りながら、マリーは言った。

「自動車が手に入ったら、港や飛行場の方にも行って、なにか外部と連絡をとるヒントを得たいわね」

トワは、少し離れた洗面所で作業をしながら、言った。

「私の住んでいた港街には何もヒントらしきものはありませんでしたよ。
誰もいなくなってたし、船も全部なくなってました。
あたし、自転車で飛行場も見に行きましたが、飛行機も一機もなかったです。
まああたしと違って、大人の皆さんの目で見たら、何かヒントがあるかもしれませんが」

そこでトワは作業をやめ、クローゼットを探っているマリーの方に近づいて来た。

そして作業を続けるマリーの横顔に向かって言った。
「他にあたし、自動車が手に入ったらぜひ行ってみたいところがあるんですよ」

「んん〜?」
と答えつつも、マリーはトワの方を見ずに客の洋服やコートのポケットを探し続けた。

トワは続けて言った。
「あたし、太陽光電気で動いているおうちを知ってます」

マリーは作業する手をやっと止め、トワの方に向き直った。

「あたしの職場である賭博場の常連のお客の家なんですけど。
部屋の電灯から、キッチンから、お風呂から、全ての電気を、屋根につけたソーラーシステムでまかなっているおうちがあるんです」

マリーは、トワのその言葉に目を輝かせた。
「すてき!
そのおうちに行けば、私たち電気が手に入るじゃないのよ!」

トワは、
「でも、そのお客さんの住所がうろ覚えなんです。
スマホの画像でおうちの外観は何度も見せてもらったことがあるので、あたし、現物を見ればわかると思うのですが。
ただ住所が・・・。
住所は、岩場町の四丁目か三丁目かあたりだったか、いや、石橋町の三丁目か四丁目だったか?
それとも波場町だったか?
記憶があやふやなんです」
と言った。

マリーは、言った。
「とにかく自動車が手に入ったら、あなたの心あたりのあるそこらへん中を走り回って、太陽光電池の家を探しましょう!」


マリーとトワが、ホテルの客室で自動車のキーを探していたころ、アンとネットは、ホームセンターにて、雨水ろ過機や、野菜の種や、スコップや、乾電池やカセットコンロのガスボンベなどをかき集めては、ネットの大型バイクのサイドカーに積む作業をしていた。

地道なこの作業をしつつも、ときどき手を止めては、おしゃべりなネットは自分のことをアンに語った。

「私、昔はお金持ちで、”ドイぺチーノ共和国”の本土の、栄えている場所に住んでいたのよ」

アンは作業を続けながらも、相槌や、合いの手や、ツッコみをちょいちょい、ネットに入れてあげた。

「ああ。ドイぺチーノ共和国のそこは、とても素敵な街ですよね」
とか、
「すごいわ。ネットさん、そこにお住まいになってたんですね」
とか、
「ジャパンでも、本当の通の旅行者はドイぺチーノ共和国の本土に行くんですよ。
私たちみたいにミーハーな者は、すぐにストロベリー島に旅行しがちなんですけどね」
などと。

アンの合いの手に、ネットはご機嫌よさそうだった。

「あなたは日本のキャリアウーマンなの?」
ネットはアンにたずねた。

「いいえ、私は日本では教師をやっています」

二人は打ち解けて、色々話をしながら作業を続けた。

しかし、会話の合間に、アンが少し気になることをネットが言った。

「私、自分の住民票をまだ共和国の本土の方に残したままなのよね。
なんか私のつまらないプライドみたいなものなのかしら。
住民票をストロベリー島に移していないのよね」

黒いミニスカで後ろ姿で立っている

五階と六階の、ある客室で、マリーとトワは、やっと自動車の鍵を二つ手に入れた。

すぐにホテルのフロント行き、二人は客室名簿をめくった。
そこには、お客の部屋番号、氏名、住所、自動車の車種・ナンバーなどが書いてあった。

「五階のキーは、レンジローバーの ヴェラールだって!
ナンバーは、”ドイト川569・は・199”」
「六階のお客のはマツダロードスターの赤です!
”イタリ337・よ・209”」

「駐車場に行って、この車たちを探すわよ!」

二人は、駐車場で、鍵の自動車を探し出し、マリーが試しにエンジンをかけた。
エンジンが、ブロローッという音を出したときに、二人は歓喜の声を上げた。


マリーとトワが自動車を手に入れた頃、ちょうどアンとネットもホームセンターから帰って来た。

四人は、ネットの作った朝ごはんの残りの唐揚げとおにぎりのお弁当と、ペットボトルを持って出発した。

ネットは自分のサイドカー付きのバイクで、あとの三人はレンジローバーに乗ってマリーの運転で出かけた。
本当はマツダのロードスターに乗ってみたかったが、それは二人乗りだったのでやめたのだった。

「なんでよ?
トワが私のサイドカーに乗って、マリーとアンだけが自動車に乗ればいいじゃないのさ?」

そうネットが言うと、トワは遠慮がちに言った。
「正直に言うと、バイクのサイドカーってさ、ガタガタして、あんまり乗り心地いいもんじゃないんだよね」

とにかく、ネットのバイク一人乗りと、自動車に三人乗りの布陣で一行は出かけた。

まず、トワの言っていた、太陽光電池の家を探しに行った。

あちこち走る途中で、この島の自然の美しさが目についた。
太陽を浴びる緑の木々や、木になっているフルーツの美味しそうなこと。

「ああいうフルーツの木に手をかけて育ててゆくのもいいね」
と後部座席で、アンは言った。

トワの記憶を頼りに、一つ目の街を探しても、太陽光電池の家は見つからなかった。
「じゃあ、次の候補地の方に行ってみましょう」

次の目的地までは少し長かった。

助手席のトワは、運転手のマリーにたずねた。
「アンさんは日本の学校の先生をやっていたんでしょ。
マリーさんも?」

運転しながら、マリーは答えた。
「私は去年までは企業に勤めてたんだけど、今は8才の子供のママ専門よ」

「ええ?
マリーさんってそんなに若いのに、お子さんって、もう8才だったんだ?」
とトワは驚いて、マリーにきいた。

そこでアンが、後部座席から面白そうに口を挟んだ。
「あはは。別に、全然若かあないわよ。
トワちゃん、この人は別にあなたの店の女性のお客さんじゃないんだから、お世辞はいらないのよ」

「うるさいなあ!」
とアンに言ったあと、マリーはトワに説明した。
「私、一度結婚に失敗してね、昨年再婚してね。
その旦那の連れ子が8才なの」

OLが椅子に後ろ向きになって大股開いてを座っている

一行は、ショッピング街を通りかかった。
そこを通った方が、目的地への近道だったと思われたからだ。

ショッピング街を抜けている途中に、突然、トワが大きな声を出した。

「あ!!
あの手芸屋さん!!
ずうっと行きたかったんだあ。
子どもの頃から行きたかったんだあ。
でもあたし、こんな男みたいなルックスだから、恥ずかしくって今まで手芸なんてできなかったんだけど。
ほんとは毛糸でセーターとか編みたかったんだあ」

マリーは車を停めた。

「トワちゃん。
ちょっと、その手芸屋さんに行って来れば?」

レンジローバーが停まったので、ネットもサイドカーを停めた。

「なになに、なんで止まるのよ?」
ネットはバイクから降りて来て、3人の車の方にやってきた。

マリーは言った。
「トワちゃんが前から行きたかった手芸屋さんがあったんです」

「今、そんな場合かっ?!」
と、ネットは呆れ顔で言った。

しかし、アンもトワを”援護”したのだった。

「トワちゃんは、毛糸で編み物をしたかったんですって。
それは、よいことですよ。
もしかしたら、私たち、冬まで4人だけでこの島で過ごさなくちゃいけないことになるかもしれませんよ。
編み物でお洋服を作るという技術も必要になるかもしれませんよ」

ガタイのいい不良の男の子顔のトワは、嬉しそうにソワソワしながら、手芸屋に向かって行った。

「トワちゃん!
毛糸だけじゃなく、編み方が書いてある本もちゃんと買うんだよ!」
とマリーは叫んだ。

トワは嬉しそうにマリーに振り返って頷いてから、手芸屋さんに入っていった。

ネットはブツブツ言った。
「本なんかいりませんよ。
編み物なんて、私がちゃんと教えてあげられますよ。
私だって若いころは、イギリス人の彼にアーガイルのセーターや、カナダの彼氏にカウンチングセーターも作ったことあるんだから」


数十分後、トワは、毛糸や編み棒を手に入れて、嬉しそうに自動車に戻って来た。
その後、車を走らせショッピング街を通り抜ける前に、次にちょっと停車したいと言い出したのは、今度はマリーだった。

玩具を売る大型の店の前でマリーは、レンジローバーを停めた。

「ここで、私、おもちゃの銃を買いたい」

マリーいわく、この島には人間だけはいなくなってしまった。
でも、鳥だけはあいかわらずたくさんいる。

本物の銃でなくてもいい。
今のおもちゃの銃は、危険なくらい進化している。
アレを手に入れたいと。
食糧危機に備えて、いつかは我々は、この島の小動物を狩猟して食べなくてはいけない、とマリーは主張した。

アンは反対意見を述べた。
「いや!無理!
鳥を殺して食べるなんて無理!
そんな狩りみたいなことをする必要はないでしょ?
野菜やフルーツをみんなで育てていけば、食料はそれでいいじゃない?
タンパク質の確保は、海辺の貝を拾えばいいのだし」

ネットも言った。
「そうですよ。
私も鳥を撃つなんて、そんな野蛮なこといやですよ。
タンパク質?
それなら、たとえばお魚釣りはどう?
私の家の周りは、さびれた汚い漁村ですよ。
今でも細々と、お魚を安全な前近代的な形式で釣ってますよ。
そこでお魚を釣ればいいのでは?」

マリーは言った。
「わかりました。
魚釣りの道具も視野に入れて、私、ちょっと玩具店や周りの店を見てまいります」


なかなかマリーは戻って来なかった。

マリーの帰りをバイクに乗って待つネット。
自動車に乗って待つ、アンとトワ。

ネットは、しびれを切らしてバイクから降りた。
そしてアンとトワの自動車に近づいてきて言った。
「ちょっとマリーさんが何してるのか見に行ってくるわ」

しかし、ネットは、バイクを降りて少し歩くと、玩具店の前を通り過ぎた。
そして、アンとトワの方に振り返って言った。
「私、ちょっと、あっちにある、チョコレートケーキで有名なケーキ屋さん見てくるわ」

「やれやれ、この非常時に、自分こそお買い物がしたいんじゃないの?」
トワはそう言って笑った。

チョコケーキの上に白いレオタードで脚を縦に開脚して座っている

やがて、マリーとネットが、アンとトワの元に戻ってきた。

ネットは手ぶらだが、口の端にチョコレートをつけていた。
マリーは、たくさんの物を手にしていた。
偽物の銃をたくさん持っていた。
大きいのから小さいのまで。
まるで、本物みたいに精巧なやつから、明らかに子供のおもちゃみたいなやつまで。

「手頃な銃あったよ。
充分、小動物を殺せそうな銃を手に入れたよ。
あ、ごめん。
釣り具はなかった」
とマリーは言った。


さあ、やっと3人が落ち着いてくれて、アンはホッとした。
では、ソーラーシステムの家を探す旅を続けるとしよう。

しかし、ここでアンは、自分がとても尿意をもようしていることに気づいた。

アンは恥ずかしそうに告白した。
「私、トイレに行きくなっちゃった」

ネットは、
「あ、トイレなら、もう少し先のデパートのトイレが綺麗ですよ。
少しここからは歩きますけど、広くって綺麗なトイレがありますよ」
と言った。

アンは3人と離れて、トイレのために、少し遠いデパートに向かった。


ネットの言ったとおり、デパートのトイレは綺麗な清潔なトイレだった。
水の流れも充分だった。

窓際にあった個室の化粧室にも明るい陽射しが降り注いでいたし、大きな鏡のついた広い素敵な化粧室だった。

満足してデパートのトイレを出て、早くみんなのところに戻ろうとアンは思った。

しかし、そのときに、アンは恐ろしい光景を見た。

トイレを出たところで、デパートのフロアの向こうから、六人ほどの男がこっちに向かってくるのが見えたのだ。


私たち以外に生き残った人たちが、この島にいた!
という、そういう喜びはなかった。

男たちが何か口々に奇声を発しながら、こっちに向かって来るのだった。

「うひょひよひよ~っ!!」
「女がいるぜえ!」
「やっほう!女だ!女だ!」
「久しぶりに見る女だ!」
「やっちゃおうぜ!!」

白いブラウスに黒のミニで大股を開いて机に上に座っている

アンは、デパートの中を走って逃げた。

しかし、六人のチンピラみたいな男が追ってくる!

アンは、半泣きで走った。

走りながらアンは考えた。
「私ももっと、日ごろからマリーみたいに身体を鍛えていればよかった。
毎日ジョギングをしているマリーだったら、あいつらをぶっちぎれたのに!
私には無理!もうすぐ捕まる!
みんなのところに戻る前に捕まる!」

アンは、必死に走って何とかデパートを脱出した。
しかしチンピラたちも追ってくる。

走りながら、アンの頭の中はグルグルした。
(みんなのところまで逃げられたとしてもダメかも。
私たち4人が全員襲われちゃうわ!
どうしよう?
私一人だけが、ここで犠牲になった方がいいのかしら?)



~八話に続く〜



*************


第一話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル①
第二話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル②
第三話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル③
第四話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル④
第五話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル⑤
第六話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル⑥
第八話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル⑧
第九話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル⑨



***************

★お知らせ★もうすぐこのブログはインターネットエクスプローラーで見られなくなります。皆さん、他のブラウザ用意してください。よろしくお願いします。


最新ページに行く

〈索引ページに行く〉

〈女性の特徴別検索に行く〉


↓見てほしい全記事の題名!(しかし・・・注意・ちょっと開くまで時間がかかります!!)
全記事リスト






関連記事

2Comments

ダンディー?  

No title

新しい発見などが、あった矢先とんでもない展開だね😵6人じゃ😢捕まってしまう😢

2020/05/16 (Sat) 19:29 | EDIT | REPLY |   
huugetu

huugetu  

Re: No title

地震や台風や”飢え”だけじゃないよ
怖い物は

2020/05/16 (Sat) 21:26 | EDIT | REPLY |   

コメント