マリーアントワネットなサバイバル⑥~エロリハビリ中の人の書くサバイバル・ミステリ~
本日は、食べ物の画像多めでお送り

昨年8月よりエロイ話が書けなくなった、現在エロリハビリ中で、実質エロエロ詐欺師のhuugetuです。
本日も、エロくない話です。
(2020年5月12日〜14日に記)
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マリーアントワネットなサバイバル
第六話
<前回までのあらすじ>
観光地のストロベリー島に、家族と一緒にバカンスに来たマリーとアン。
しかしある朝遅くにホテルで二人が目覚めると、全ての人間が消えてしまっていた。
電気などのインフラが止まった島で、過酷ながらも贅沢?なマリーとアンの二人きりのサバイバル生活が始まった。
と思いきや、サバイバル生活3日目に、地元民の女性が二人が、サイドカーでやって来たのだった。
それは、おじいさんみたいなゴツゴツした顔のおばあさんと、ガタイのいい、男みたいな不良少年顔の若い女の子だった。
女の子いわく、マリーとアンのホテルの周辺に人がいなくなったのは、二人の認識とは違い、もっと前からだったというのが、気になるところではあった。
(前回参照=マリーアントワネットなサバイバル第五話)
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ストロベリー島の地元民のトワちゃんとネットおばあさんは、マリーとアンのホテルに泊まることになった。
これからは四人で協力して、救助が来るまで生き残らなければいけない。
マリーとアンは、隣のホテルの”天然温泉露天風呂”を新規同居人たちに紹介した。
トワちゃんとネットおばあさんは、大喜びで温泉に入った。
「暖かいお湯なんて久しぶりだね」
「気持ちいいわあ」
四人のその日の夕飯は、電池式ライトの明かりの中で、とても美味しい魚介と野菜たっぷりのオリーブオイルとガーリックのスパゲティを食べた。
ホームセンターから持って来たカセットコンロを四っつも使って、アンとネットが作ったのだった。
「私が大昔によく食べた味を一生懸命思い出して、ここのホテルの人気メニューをできるだけ再現してみたのよ。
どうかしら?」
とネットは言った。
「まだダメになってない食材がたくさんあったから、ふんだんに贅沢に使っちゃったわ」
と、アンは言った。
「美味しい!
私が初日にここのレストランで食べたのと遜色ない味ですよ!」
とマリーは嬉しそうにスパゲティを頬張りながらネットに言った。
「材料は同じですからね」
とネットは、すました顔で言った。
「おいし〜い!
ネットもアンさんも、料理上手だったんだねっ?」
トワも、不良顔の釣り目をもっと細くして、大喜びでバクバクとスパゲティを食べた。
そのトワの姿をニコニコしながら見守るネット。
みんな喜こんでいた。
しかし、その数分後にアンは顔を曇らせて、厳しい言葉を言った。
「電気の止まってしまった冷蔵庫。
今は美味しい物を食べられるけど、一体、いつまで食材がもつことか・・・・・・」

その夜、アンとトワは、四階の廊下にマットレスと毛布で作った、簡易ベッドの上に横たわりながら話をした。
二人は、懐中電灯をひとつだけ置いた廊下で寝転がっていた。
アンは、地元民の少女、トワの話をきいた。
トワは、母親を数年前に亡くし、今は天涯孤独で、このストロベリー島の港町の半・違法賭博場で、ボーイとして働いていると言った。
この国の戸籍制度がどういう状況なのかアンにはよくわからなかったが、トワには住民票もないし戸籍もないという。
日本で言えば、まだ女子高校生の年齢なのに、学校にも行かずに賭博場で働いているという。
恵まれた日本から来たアンには、なんと言っていいかわからなかった。
アンは自分の頭にパッと思いついた、なけなしの慰めの言葉を言った。
「でも、あなたは英語がこんなに堪能なんだし、あなたの将来は有望だと思うわよ」
(作者注・説明していなかったが、日本人のマリーとアン、ストロベリー島の国民のトワとネットは、英語で会話をしていた)
トワは言った。
「観光客の多いこのストロベリー島では、他の国の言葉が喋れるなんて当たり前のことですよ。
英語ができたって、別に何にも自慢にもならないし、何のアドバンテージにもならない」
アンは、何だか申し訳ない気持ちになり、黙ってしまった。
アンのその姿を見て、あわててトワは明るい声で言った。
「あたし、この男みたいなルックス、不良みたいな顔のおかげで、実は結構女性のお客に人気なんです。
繁華街のちゃんとしたホテルのギャンブル場からも、ボーイのスカウトの話がこの前あったんですよ!」
でも、そう言ったあと、トワは思い出したように言った。
「ああ、もうそんなの関係ないか。
島民はみんないなくなってしまったんだったっけ」
その声は、可愛らしい舌足らずの不安そうな少女の声だった。
一方、マリーとネットは、アンたちの寝っ転がっている廊下から一番近いところにある客室にいた。
客室のダブルベッドの上で、乾電池式の大きなライトを二つ点灯させ、マリーが今日ショッピング街で手に入れた書物を二人は読んでいた。
野菜の栽培方法や、汚水を濾過する方法や、バイクのエンジンの構造や、燻製や干物の作り方が書かれた書物たち。
年の功、かつ物知り、かつ超絶おしゃべりのネットにレクチャーを受けながら、マリーは本を読んだ
ショッピング街の書店には、マリーが日本で昔、兄の本棚で見た記憶のあった漫画もあった。
今回役に立つと思われた、日本のサバイバル漫画のひとつは、この国ではなぜか中国語に翻訳されて売っていた。
マリーには、その漫画の絵はわかるが、文章が読めなかった。
「ここに描いてある、雨水や汚水を浄水する方法が知りたいんだけどなあ」
と、マリーはつぶやいた。
「貸して」
というと、マリーからその漫画を受け取り、ネットが、それもスラスラ解読した。
「すごいですねえ。
ネットさん、中国語もできるんだ?」
マリーは驚いた。
ネットは、言った。
「まあね。
これくらいはね。
私は、今や通常時は引きこもりの世の中の何の役にも立たない老人ですけどね」

次の日の朝、マリーとアンとトワが、ネジ式の小さな目覚まし時計の音で目覚めると、ネットがいなかった。
三人が着替えてホテルの一階のキッチンに行くと、ジュージューという音ともに、いい匂いがしていた。
キッチンには、エプロンをしたネットがいた。
ゴツゴツしたおじいさん顔のネットがエプロンをすると、街の食堂の店主みたいに見えた。
三人の顔を見ると、
「カセットコンロは低温なのでなかなか苦労したわ」
とネットは言った。
ネットは、鶏の唐揚げを作っていた。

「わあ!美味しそう。
これは、ジャパン版のフライドチキンじゃん。
ネット、こんなのも作れるんだ?
うちの店も日本人のお客がよく来るから、店長がチャレンジしたことあったけどさ、失敗してたよ。
ネットばあちゃん、すごいね」
とトワは言った。
すかさず、ネットはトワに注意した。
「私をおばあちゃん呼ばわりすんなって、何度言ったらわかるの!」
トワは、
「ごめんごめん。
いや、ホントに驚いてつい」
と言った。
しかし、日本人のマリーとアンはもっと驚いていた。
ネットは、何と”おにぎり”まで作っていたのだ。

「お鍋でお米を炊いたのよ。
少し苦労したけど」
とネットは言った。
「どうして?
どうしてこんな、今私が一番食べたかったものを作ってくれたんですかあ?!
ネットさんって、超能力者ですかあッ?!」
とマリーは叫んだ。
アンも驚いていた。
「このストロベリー島で、まさか”おにぎり”を見るとは思わなかったわ」
ゴツゴツしたおじいさん顔のおばあさんのネットは、みんなにチャーミングにウィンクしてみせた。
「ウフ。
私、大昔にほんの数カ月だったけど、ジャパンのオトコとつきあったことがあるのよ♡」
トワは、小さな声で思わずつぶやいた。
「マジですごいわ。
マジ尊敬、このばあちゃん」
その声はネットには聞こえなかったようで、今回はトワはネットに怒られなかった。

楽しい朝食のあと、アンが言った。
「生ゴミがたまって来たわ。
どうしましょう?」
誰もいない電気さえなくなったこの島、もちろん、自分たちの出したゴミを処理してくれる清掃業者さんがいるわけもない。
ホテルのキッチンのはじっこには、生ごみの入った大きなビニール袋が三つほどたまっていた。
急激に暑くなってきたこの島。
もうすぐ虫がたかってきそうだ。
さっきも一匹のショウジョウバエを、キッチンの入口付近で退治したアンだった。
四人で話しあった結果、ホテルの裏手の土の地面に穴を掘って、そこに生ゴミを埋めようということになった。
「穴を掘るスコップがいるね。
ホームセンターにあるはずよ」
とマリーが言った。
そして、マリーは思い出したようにアンの方を向いて言った。
「あ、そう言えばホームセンターと言えばさ。
アンちゃん、昨日、野菜の種は手に入れたの?」
アンは言い訳するように答えた。
「最初は、自給自足のために野菜の種を吟味してたんだけど、途中でそれよりもっと大事なことがあると気づいて、昨日はドラッグストアに行って、包帯や消毒薬やお薬をかき集めたのよ」
そこまで言ってアンは、老人のネットの方に向き直った。
「ネットさん、持病は?
いつも飲んでるお薬なんかは大丈夫ですか?」
トワが、(あっ!まずい)と言う顔をしたと同時に、ネットはアンに向かって怒鳴っていた。
「失礼ね!
私を年寄り扱いしないでちょうだい!」
*****
ゴミ捨て問題もそうだけど、雨水や汚水を”ろ過”する機械がほしい。
ホテルには大きな貯水のタンクがあって、トイレを流したりする分には多分、相当長期間使えると思われた。
しかし、問題は飲み水だ。
今はまだいいが、今後もずっとタンクの水を飲むのは危険だろう。
まだこのホテルや隣のホテルや、ホームセンターにも、飲料水のペットボトルはたくさんあるけど、いつかそれもダメになってしまうだろう。
とにかく、一度ホームセンターに浄水器を入手しに行こうということになった。
アンは、ネットの運転のサイドカーに乗り、ホームセンターに”ろ過機”を買いに(盗みに)行くことにした。
ホームセンターでは、野菜の種と肥料とスコップも調達する予定だ。
二人が外出してるときに、マリーとトワは、昨日のアンの発案、ホテルの客室を片っ端からあたって、自動車のキーを探すことにした。
ホテルの駐車場には持ち主のいなくなった自動車がたくさん駐車したままになっている。
しかし鍵がないので、動かすことができない。
ホテルの客室に、自動車の鍵があれば自動車を使える。
残されているかどうかはわからないが、とにかく探すことにした。
自動車は必要だった。
マリーとアンとしては、島中をめぐってでも、はぐれてしまった夫や子供や姉を探したい。
一方、ネットだってそうだろう。
ネットのサイドカー付き大型バイクのガソリンだって、もうすぐになくなってしまうだろう。
そこにガソリンを補給するためにも、ホテルの駐車場にたくさん放置されている車は使いたかった。

マリーとトワは、ホテルのフロントから各客室の部屋の合鍵を探し出し、それを持って、三階から六階までの客室を探索しまくった。
客室は、鍵のかかっている部屋もあったし、開けっ放しの部屋もあった。
マリーとトワが、三階の客室を探しまくっても自動車の鍵は見つけられなかった。
四階の客室を二人で探しているときに、マリーはトワにたずねた。
「このホテルは海外客の方が多いのかな?
自動車で来ている人は少ないのかあ。
でもこのホテルは、大人気のビーチの方じゃないから、地元のお客さんも多いってきいてたんで、自動車で来ているお客がいるんじゃないかと思ったんだけど」
トワは答えた。
「あたし港街に住んでいるから、よく見ましたけど。
”本土”からも、このストロベリー島に、カーフェリーに乗ってマイカーとともに来るお客も多いですよ」
トワの言う”本土”というのは何かというと。
説明しよう。
このストロベリー島は、”ドイぺチーノ共和国”という国の離れ小島の一つだった。
ストロベリー島の属する国、”ドイぺチーノ共和国”は、他の国とも地続きの大きな国土を大陸の方に持っていた。
トワいわく、大陸にある本土からこの島にカーフェリーで来る客もたくさんいるはずだということだった。
トワのその言葉にマリーは希望を持った。
~⑦に続く〜
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第一話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル①
第二話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル②
第三話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル③
第四話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル④
第五話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル⑤
第七話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル⑦
第八話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル⑧
第九話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル⑨
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