マリーアントワネットなサバイバル⑤~エロエロ詐欺師のサバイバル・ミステリ~
果たして、私たちは取り残されたのか?生き残ったのか?

昨年8月よりエロイ話が書けなくなった、現在エロリハビリ中で、実質エロエロ詐欺師のhuugetuです。
本日も、エロくない話です。
(2020年5月10日〜12日に記)
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マリーアントワネットなサバイバル
第五話
<前回までのあらすじ>
観光客に人気のストロベリー島に家族と一緒にバカンスに来たマリーとアン。
しかし島に滞在3日目に、二人以外の人間は皆、消えてしまった。
電気などのインフラが止まった島で、過酷ながらも贅沢?なマリーとアンの二人きりのサバイバル生活が始まった。
と思いきや、さっそく救出が来たか?
宿泊しているホテルに、二人の人間の乗ったサイドカー付きのバイクがやって来たのだった。
(前回参照=マリーアントワネットなサバイバル第四話)
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救出が来た!!
アンはそう思って歓喜のあまりに、その場でピョンピョンとジャンプを繰り返した。
しかし、サイドカー付きの大型バイクがもっと近づいてくるのを見て、少しガッカリした。
サイドカーに乗った男二人は、どう見ても救助隊の人っぽくは見えなかったのだ。
なんか変な恰好してる。
救助に来る人たちの服装じゃない。
一般人だ。
あ~あとアンは思った。
でも救助隊でなくともいい。
喜びは半減だけど、自分達以外にも、この島に取り残された人がいたということだ。
そのことだけでも、喜ばしいことだ。
しかし、いよいよサイドカーが自分の目の前に来たときにアンは驚愕した。
大型バイクを運転していた男は、ヘルメットをかぶっていて、全身黒ずくめの皮のつなぎを着ていた。
バイクに付随したサイドカーに乗っていたのは、茶髪で、ふてくされたような細い釣り目の、ジージャンを着たガタイのいい若い男だった。
その顔は明らかに”不良顔”だった。
アンは恐怖におびえた!
救助隊ではなさそうな男二人組・・・・・・
アンは思った。
レイ●プされる!

友達のマリーしかいなくなったこの島。この世界。
サバイバル生活に入って、アンは忘れていた。
ここでは、アンは通常時の都会の街中では気をつけなければいけないことについて忘れていた。
夜道を一人で歩いてはいけないとか。
満員電車では、”ちかん”に気をつけないといけないとか。
マリーと二人だけのサバイバル生活のここでは、そういった危険からは、むしろ解放されていたと気づいた。
通常時、都市において、誰かに襲われることを常に意識したいたアンは、小さな防犯ブザーはいつも持っている。
この島においても、今でさえもそれをポケットに持っている。
しかし今は防犯ブザーを鳴らしたとて、助けてくれる人はいない。
アンは足がすくんだ。
この不良みたいな男たちに犯される!!
アンは絶望した。
逃げても無駄だろう。
すぐに捕まってしまうだろう。
バイクのエンジンを止め、運転していた男はゆっくりヘルメットを脱いだ。
その顔は骨がごつごつして恐ろしい顔だったが、もう老人と言ってもいい年齢に見えた。
その老人男性の口から、意外な声が発せられた。
「よかったわあ。
私たち以外にも人がいたのね?」
ごつごつした顔付きには似つかない、少ししゃがれてはいたが、高音の明るい、可愛らしい優しい上品な声だった。
次に、不良顔のガタイのいい若い男も、サッとサイドカーから降りると言った。
「あたしたち、島の港側から来たんです!」
若々しい、舌足らずの可愛い女の子の声だった。
二人は女性だった。

アンは、自分たちのホテルの中に(男みたいな)女性二人を案内した。
今や床が雨水でグチャグチャにはなってはいたが、一応このホテル自慢だった、広いロビーのゆったりとしたラウンジに、アンは二人を招き入れた。
「相変わらずステキなホテルね」
と、おじいさんみたいなゴツゴツした顔の、黒いライダースーツ姿のおばあさんは言って、キョロキョロとロビーを見渡した。
ゆったりした椅子とオシャレなテーブルの席に3人は着いた。
(足元はヌルヌルだったが)
おばあさんは、自分の隣に座った若いガタイのいい不良顔の女の子に向かって言った。
「ここのホテルはドレスコードがあるんで、最近はロビーにすら入れなかったのよ。
でも私がお金持ちだった若い頃には、よく遊びに来たものだわ」
ガタイのいい不良顔の女の子は、ウンウンとなだめるようにおばあさんに向かって頷いた。
今度は、おばあさんはアンの方にクルッと向かって言った。
「あなた、ここのメインダイニングの『魚介山盛りのオリーブオイルパスタ』は、もう召しあがった?
名物の『アイスヴァイン』は召しあがった?」
アンが戸惑いながらも、
「え?ええ」
と頷くと、おばあさんは、
「あれ、絶品でしょう?」
と嬉しそうに言った。
そしてその料理について語り始めた。
ガタイのいい若い女の子は、
「おばあちゃん!
そういう話はまた後でゆっくりしようよ」
とおばあさんのおしゃべりを止めようとした。
おじいさんみたいなおばあさんは、ガタイのいい女の子に反撃した。
「あなた!!
私のことを”おばあちゃん”って言ったらダメって言ったでしょうが!!」
ガタイのいい女の子は
「ごめんごめん。
それは謝るよ。
二度と言わないよ!
ミス・ネット。
ごめん。
謝るから、とにかく今はアンさんと情報交換しようよ」
と言った。
その面白いやり取りにあっけにとられた後、気を取り直して、アンは二人にたずねた。
「お二人はこのストロベリー島の地元の方ですか?
私はジャパンから来た旅行者で、友達と二人で取り残されました。
2日前の朝遅くに起きたら、誰もいなかったのです。
この島には一体、何が起こったのでしょう?」
アンは自己紹介や、家族のこと、現在の状況などを話したあと、二人の女性の話もきいた。
おじいさん顔のおばあさんは、『ネット』さんという名前だった。
島の外れの栄えていない海辺で、小さな家に引きこもって生活していたという。
ガタイのいい若い女の子は、『トワ』ちゃんといった。
日本で言えば、まだ女子高校生の年齢だった。
トワは通常時は、港街のギャンブル場のボーイ(女の子だけど男らしいルックスを買われたらしい)をしているそうだ。
今回、有給休暇を久しぶりにもらったので、3日ほど人気のない山林に一人キャンプに行ってたらしい。
そこで、また話が脱線しそうになった。
「このコの名前ね。
『永遠』と書いて、『トワ』と読むんですって。
すごいわよね。
今どきのキラキラネームよね~。
あ、そう言えば、他にもね、私の知り合いの娘さんの名前でね・・・」
と、ネットさんが言い出した。
それを制して、トワはアンに向かって言った。
「ごめんなさい。
この人、おしゃべりなんです。
いつも引きこもってたんで、たまに人に会うと超絶おしゃべりらしいんです」
そして、トワはネットの方を向いてたしなめた。
「ネット。
今は余計な話はやめようよ。
今は、アンさんとマジメな話をしようよ」
孫みたいな年齢のトワに注意をされて、ネットは首をすくめた。
次にトワは、アンの方に再び向きなおり、言った。
「アンさん。
さっき、”一昨日目覚めたときに誰もいなくなってた”って言いましたよね?
それって、おかしい」

トワの話をきいて、アンは驚いた。
トワいわく、港の方では、4日前から人はすでにいなかったそうだ。
「あたし、しばらくで山奥でキャンプしていて、4日前の朝に家に戻ったら、もう港街には誰もいなかったんです」
「港町の方は、そうだったんだ?」
とアンは言った。
しかし次に、トワはもっと驚くことを言った。
「誰もいなくなっていたので、怖くなって、あたしは島のあちこちを自転車で探索しました。
3日前に、あたしが自転車でこっちの方に来たときにも既に、このホテル付近にも誰も人はいませんでしたよ」
「ウ、ウソでしょう!?」
アンの記憶では3日前は、家族とともにビーチで遊んだり、ホテルでディナーを食べていたはずだ。
でもトワは、既に3日前から、このホテル周辺にも人がいなかったと言う?
一体、どういうことなんだろうか?
アンは、ネットの話もきいた。
話の端々で、話が脱線しがちなので、随分と時間を要してしまったが。
要約すると、ネットおばあさんは、通常時、汚い海辺の閑散としたところにある自宅に引きこもりがちだったという。
テレビもスマホも持たず、外部に何があろうと、外部のことを気にしない生活だったという。
通常は、自分以外の他の人をシャットアウトしていたという。
人がたずねて来ても居留守を使うくらいだったという。
しかし、ネットさんは、3週間に一度だけ、”黒のつなぎ”を着て、サイドカー付きの大型バイクに乗り、食料品の大量調達のために街に出るそうだ。
ネットは言った。
「今は貧乏引きこもり老人の私の唯一の自慢がサイドカーなのよ。
サイドカーは、私の今の唯一の自慢の資産と言ってもいいわね。
でもね、私も昔は、もっと大きいお家に住んでいて・・・」

また話が脱線しそうだったので、ネットおばあさまのそこから先の話は、トワが引き取って続けて、アンに話してくれた。
トワは言った。
「あたしが、4日前に誰もいなくなった港街を自転車で探索してるときに、サイドカーに乗っているネットに出会ったんです。
ネットは3週間ぶりの街で、急に人が全くいなくなっていたことに驚いていました」
ネットは、
「みんな死んでしまったんだと思ったわ」
と言った。
アンの頭はグルグルした。
二人の話をきいてみても、みんなが死んでしまったのか、それとも、どこかに連れ去られてしまったのかは、相変わらずわからない。
でも、それよりも不思議なこと。
トワの話では、3日前から、このマリーとアンの泊まっていたホテルの周辺にも人がいなかったという。
(私の認識では、今から2日前に突然家族たちがいなくなったはずなのに。
どういうことなのか?)
とアンは考えた。
そのとき、マリーが帰って来た。
大型書店にサバイバル術の書物を買いに行っていたマリーが帰って来た。
従業員入口から入って来たマリーは、両手に本を抱えて、喜びの声を上げながら、広いロビーに走り込んできた。
「なに?なに?
外にあったサイドカー!!
救出隊が来てくれたのおッ?!」
~第六話に続く〜
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第一話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル①
第二話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル②
第三話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル③
第四話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル④
第六話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル⑥
第七話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル⑦
第八話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル⑧
第九話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル⑨
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