マリーアントワネットなサバイバル④~エロエロ詐欺師のサバイバル・ミステリ~
昔の『サバイバル漫画』と『不良漫画』を探しに行く

昨年8月よりエロイ話が書けなくなった、現在エロリハビリ中で、実質エロエロ詐欺師のhuugetuです。
本日も、エロくない話です。
(2020年5月9日〜10日に記)
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マリーアントワネットなサバイバル
第四話
★これまでのあらすじ
観光客に人気のストロベリー島に家族と一緒に訪れたマリーとアン。
しかし島に滞在3日目に、二人以外の人間は皆、消えてしまった。
電気などのインフラが止まった島で、過酷ながらも贅沢?な二人のサバイバル生活が始まった。
大きな嵐に見舞われた翌日、より安全なホテルを求め、高台の方に来た二人は、レンガ造りのホテルと、小さな土砂崩れと、ステキな温泉を見つけた。
(前回参照=マリーアントワネットなサバイバル第三話)
******
レンガ造りのホテルの裏で見つけた、素晴らしい天然露天温泉。
久しぶりの入浴にはしゃいだあと、のぼせてくると、二人は温泉の真ん中の椅子に座り、飲み物を飲み、ゴルゴンゾーラチーズを乗せたクラッカーを食べた。
二人は温泉の真ん中に設置されたテーブルに肘をつき、今後の計画を話し合った。
「残念だけど。
このホテルへの移住計画は無しだね。
小山の土砂崩れが怖いから」
「うちのホテルも、昨日の嵐でもガラスが割れるようなまでの大被害はなかったから、まあよしとしましょうか」
「このホテルは、お風呂に入りたいときだけに利用することにしましょう」
「そうね」
他、色々話し合った。
明日はホームセンターにて、雨水や海水を浄水できる、大型ろ過機を手に入れようとアンは言った。
マリーは、”燻製”を作る機械も手に入れようと提案した。
「うちのホテルの大きな冷凍庫にあった肉のかたまりや魚は、いずれダメになってしまうわ。
その前に燻製や、干物にしちゃうのよ。
長持ちさせるために」
アンは目をキラッとさせた。
「それナイスアイディアね!
あとさあ、食料のことで言えば、ホムセン(ホームセンター)にあった野菜の種も使えるわ。
野菜を栽培するのよ。
自給自足よ」
色々話している途中で、マリーはふと思い出したことを言った。
「それからアンちゃん。
落ち着いたらぜひ、自転車に乗れるように練習して。
うちのホテルの自転車は流されてしまったけど、このホテルにもホームセンターにもたくさん自転車あったでしょ?
あれで練習してほしい」
アンは恥ずかしそうに答えた。
「わ、わかったわ。
あなたに二人乗り自転車を長時間も漕がさせたことは、本当にすまないと思っている」

アンは話を続けた。
「私、港を見に行きたいの。
他にもこの島、小さいけど飛行場もあるでしょ?
そういうところに外部と連絡の取れる何かのヒントがあるかもしれないと思って。
でも、どちらも、ここからは相当遠いのよね」
マリーは言った。
「そうか。
港も飛行場も遠いものね。
二人乗り自転車ではつらいわね。
いや一人乗り自転車でもきついかもしれないけど」
下半身を温泉につけたまま、足をパシャパシャさせながらワイングラスを手にして、マリーは何かを考え込んでいた。
そして数分後にハッとしたような顔をした。
ワインをグイッと飲んで、マリーは言った。
「バイクだったら、キー無しでも、エンジンに接続させる方法があるわ。
ここのホテル、バイクも何台かあったでしょ」
アンは驚いた。
「バイク?
あなたが中型バイクの免許持っているのは知ってるけど。
そんなにメカにも詳しいの?」
マリーは首を振った。
アンは不思議な顔をした。
「昔、お兄ちゃんの持っていた少年漫画で見たのよ!」
******
充分に温泉を堪能したあと、二人はお湯から出て、洋服に着替えた。
マリーはレンガ造りのホテルの壁に立てかけてあった自転車のハンドルに手をかけて言った。
「私、ちょっとショッピング街の本屋さんに行ってくるわ」
「えっ?」
アンが軽い驚きの声を上げると、マリーは、
「さっきの話。
鍵のついてないバイクを盗む方法が掲載されていた漫画を探してくるわ」
と答えた。
アンは驚いた。
「うそ!あなた本気なの?
冗談だと思ったわ」
マリーは言った。
「あのね、どっかの線とどっかの線をペンチかなんかで切って繋げるのよ。
そうするとエンジンがかかるの」
アンが目を丸くしていると、マリーは続けて、
「あとね、それとは他の漫画なんだけど、ろ過機がなくっても汚水をろ過できる方法が載っている”サバイバル漫画”も兄は持ってたわ。
小石とか布とか砂利で作れるの。
他にね、燻製を作る機械がなくっても、そこらへんにあるガラクタで燻製を作るやり方の描いてあるグルメ漫画もあったわ」
と言った。
「私、ショッピング街の本屋に行ってくるわ。
アンちゃんは悪いけど歩いてホテルに帰って、ホームセンターで野菜の種でも買ってて。
いや、盗んでて。
大型ろ過機や、燻製機を運ぶのは明日にしましょう。
そうだわ、私、お野菜の育て方の本も何か探してくるわ」

確かに、別に漫画にこだわることはなかった。
何か、サバイバル生活に役に立つことが書いてある書物を探せばいいのだった。
こんなリゾート地の書店に、バイクの盗み方の書物があるかはわからないけど。
しかし、今二人が別行動することについて、アンは強い不安を感じて、反対した。
二人は言い争った。
一人で書店に出かけると言うマリーと、別行動はしたくないアン。
最終的に、マリーが必ず3時間以内に戻ってくる約束をすることを条件に、別行動をすることになった。
アンは、温泉のパウダールームの壁についていた電池式のアナログ時計を外して、マリーの自転車の前かごに入れた。
ちょっと大きな時計だったので、自転車の前のカゴはいっぱいになってしまった。
しかし、自転車の後ろの荷台にもカゴがついていたので、本はそこに入れられるだろう。
「絶対に3時間後に帰ってきてね」
とアンは言ったあと、
「あ!ちょっと待って」
そう言って、アンはもう一度、温泉の更衣室に戻っていった。
アンは冷蔵庫からジュースのペットボトル2本と、クラッカーを二包みと、チーズを一包み出してきた。
アンは、これらをマリーに持たせた。
「道中で何があるかわからないから。
これ持って行って。
そして何もなかったら、必ず3時間以内に戻ってくるのよ。
気をつけて」
マリーも言った。
「なるべく3時間以内に戻るつもりだけど、もしも私の帰りが遅れても、アンちゃんは私を探しにウロウロ、外に出歩いちゃちゃダメだよ。
ますます大変なことになるからね。
あなたは外を出歩かずに、必ず絶対にホームセンターかホテルにいてね!」
アンは頷いた。
「そうね。
万が一、一瞬でも二人がバラバラになってしまうことがあっても、必ずうちのホテルを拠点にすることを約束しておきましょう」
****
アンは、ホームセンターにて、お花や野菜などの各種植物の種の中から、栽培の楽そうな、食べられそうな野菜の種を選びながらも思案した。
(キーを使わずにバイクのエンジンをかけるなんて。
そんなこと、盗みのプロでもない、メカニックのプロでもないマリーにできるのかしら?)
アンはここで独り言を口にした。
「バイクのエンジンなんて、いじって失敗して大怪我でもしたら、それこそ大変じゃないのよ!!」
アンはゾーッとした。
体中を震わせた。
そうだ。
今まで、なぜ、そんな大事なことに考えがに至らなかった?!
とアンは思った。
怪我や病気!!
たった二人しかいないこの島で、大怪我や病気になったらどうしよう!
アンは、野菜の種を選ぶ作業をを中断した。
アンは急いで、ホームセンターから歩いて15分くらいの場所にあったと記憶していたドラッグストアを目指して走った。
(医療品よ。
医療品の準備をしておかないと!
ホテルにも医務室があるはずだけど、そこが空いているかどうかまだ、確かめてないし)
「え~と、包帯、消毒液、ばんそうこう、体温計、風邪薬、解熱剤、冷えピタ・・・あと何が必要かしら?」
アンはブツブツ独り言を言いながら、ドラッグストアに向かった。

一方、その頃、マリーはショッピング街の中の大型書店の中にいた。
(あ~。
インターネットがあればすぐに手に入るだろう情報を、今は、こうして足を使って本屋さんで探すことになるとはね)
書店の本棚をアチコチ見回しながら歩いていたら、マリーは雑誌のコーナーにたどり着いた。
マリーは、夫がよく読んでいた雑誌や、夫の連れ子(今はマリーの可愛い子ども)の読んでいた雑誌などを目にした。
ああ、二人は今どうしているか?
島のどこかにいるのか?
それとも?もう・・・・・・
マリーの胸は痛んだ。
書店のもう一つ上のフロアに行き、コミックのコーナーに来たマリーは、昔読んだ他の漫画のことも思い出した。
(そうだ。
”狼煙(のろし)”の上げ方!
”のろし”の上げ方のことが書いてあった漫画を読んだこともあったわ。
SOSの合図の”のろし”。
港や、あるいは高い山でやってみたら、この島の近隣の海のどこかを航海している他の国の船が気づいてくれるかもしれないわ)
マリーは、他にも自分の乏しい知識を振り絞って思い出した。
(そうだ。
こんな童話も読んだことあったわ。
ガラス瓶にSOSの手紙を入れて、たくさん海に流そうか?)
*****
ドラッグストアで医療品と救急箱を手に入れたアンは、ホテルに戻りながら考えた。
(私たちが大型船に乗って、この島に着いた港。
あそこに行きたいわ。
あそこにヒントがあるかもしれない。
でもあそこは遠い。
私が自転車の練習をして、二人でお弁当でも持ってサイクリング形式で行くか?
でもなあ。
何とか、ホテルの駐車場に無駄にたくさん余っている車を動かす方法はないものかしら?)
アンはホテルに着くと、温泉から持ち帰ったマリーと自分の水着、自分が昨日まで着ていた洋服、マリーが脱ぎ捨てたパジャマ、使用済みのタオルなどをバスルームで手洗いしながらも考え続けた。
ホテルの外に出て、洗濯物を干しているとき、アンは日差しが急激に強くなり、暑くなったな、と感じた。
(そうだわ。
もうすぐ”暑さ対策”も考えねば)
そして、アンは自分の姉のことを思い出した。
姉は今、どうしているだろう?
暑さに弱かった姉。
今、島のどこかに生き残って、自分たちのようにそこにある物を使って生きながらえているとしても、冷房のなくなってしまったこの島で、姉は大丈夫だろうか?
ああ、早く姉を探し出さなければいけない、とアンは思った。
そのためにも自動車が欲しい。
そこで、アンはやっと思いついた。
(そうだわ。
ホテルの宿泊名簿かなんかに 客の所有している車のナンバーって書いてないものかしら?
もし、宿泊者名と車が結びつけば。
車の所有者の客室に、車のキーがあるかもしれないじゃない!
ホテルの客室を片っ端から探しまわり、部屋に残されているかもしれない自動車のキーを見つける!
そうしたら自動車が使えるわ!)
その時だった。
遠方から、ブロロロロ―ッというバイクの音が聞こえてきた。
「え?うそ!マジ?!」
アンは叫んだ。
なんとマリーは、もう盗んだバイクで走りだしたのかッ?!
マリーはどこかに乗り捨ててあったバイクを動かせるようにしたのか?
「すごい。
マリー、見直したわ」
とアンはつぶやいた。
しかし・・・。
バイクが近づいて来てわかった。
騒音を立てて走って来たのは、マリーではなかった!
アンのイメージしたような単車でもなかった。
それは、いわゆる”サイドカー”だった。
脇に小さな車台のついた、大型バイクだった。
しかも、遠目でもわかった。
サイドカーに乗っていたのは、マリーの着ていた服とは違う服を着た二人だった。
「救助が来たあーっ!!」
洗濯物を地面に放り出して、アンは歓喜の声を上げた。
~第五話に続く〜
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第一話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル①
第二話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル②
第三話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル③
第五話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル⑤
第六話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル⑥
第七話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル⑦
第八話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル⑧
最終回九話はこちら→マリーアントワネットなサバイバル⑨
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