新型コリナ殺人事件⑥〜エロリハビリ中のミステリー⑥~
作者が飽きてきたので収束に向かいます

昨年8月よりエロイ話が書けなくなった、現在エロリハビリ中で、実質エロエロ詐欺師のhuugetuです。
本日も、エロくない話です。
(2020年4月22日〜25日に記)
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新型コリナ殺人事件
~第六話~
登場人物
・私=エロツカヤ
・私の母=シブヤンスキ―
・私の元夫=バクチンスキ―
・私の息子=キンニクノフ
・私の弟=ウワキン
・私の弟嫁=マジメッカ
・私の姪=ナガサレリーナ
・私の甥=ノビツィン
★これまでのあらすじ★
五月に新型コリナ感染症で死んだと思われていた、大邸宅に一人で住んでいた老女シブヤンスキー。
シブヤンスキーの死後●●日後、娘のエロツカヤのところに刑事から電話がかかってきた。
刑事の話では、シブヤンスキーの死因は感染症ではなく、殺人の疑いがあると。
エロツカヤの甥のノビツィンが、シブヤンスキーは病院のナースに殺されたのではないかという告発をしたのだった。
ノビツィンは、その看護師が、自分の母親マジメッカともめているのを目撃したことがあると言う。
刑事、エロツカヤ、ノビツィンの3人は、マジメッカ夫婦とナースに何か関係があり、シブヤンスキーの死にも関係があるのではないかとの疑いを持った。
刑事とエロツカヤは、会社の資金繰りが上手くいかなくなっていたウワキンが、不倫関係にあったナースを使って、シブヤンスキーを殺したのではないかと思うようになっていた。
しかし、新事実がわかった。
ナースは医療現場には、もう三月からいなかった。
ナースにはシブヤンスキーの殺人は出来なかったはずだということがわかった。
**********
ナースはもう随分前から、病棟の方には来ていなかったんですって?
週に一度か二度、ときどき病院の事務方の方に来るだけだったという。
コリナの最前線にはいなかった。
だから、例えば点滴をいじるとか、呼吸器に何か細工をするとか、とにかくナースにはシブヤンスキーを殺すのは無理だったと。
私は最初、刑事の言っている意味がわからなかった。
あまりの驚きに理解できなかった。
でも私は急いで我に返り、頭を働かせた。
「ということは、どういうこと?
その遺書はどういうこと?」
私は必死で頭を働かせた。
「ただ、ウワキンと不倫をしてしまったことだけを悔いての自殺だということなの?
やってはいけないことをやってしまったという遺書の意味は?」
刑事は自分のしているマスクの位置を直しながら言った。
「病院側は、彼女の遺書には、あまり疑問を持ちませんでした。
病院の方たちには、色々な意見をききました」
病院関係者A
『ああ、彼女は新型コリナにひどく怯えていてノイローゼ気味だったから。
ちょっとおかしかったから心配はしていました。
でもまさか自ら死ぬとは』
病院関係者B
『おつきあいしている男性から、こんな危ない職場を辞めなければ別れるなどと言われたのかもしれません。
彼女は年上の恋人にかなり夢中でした。
やってはいけないことというのは、不倫のことでしょうか?』
病院関係者C
『もともとは非常に真面目な人だったので、仲間が命をかけて医療現場を守っている時に、自ら職場を放棄したことについても、自己嫌悪で悩んでいました。
やってはいけないことというのは、職場放棄のことだったのではないでしょうか』
また、刑事はナースと特に仲のよかった職場の女性の友達にこんな話もきいたという。
病院関係者D
『年上の恋人がなかなか奥さんと別れてくれないので、彼とよくもめていました』
また揉めた挙句に、ナースはウワキンを傷つけたこともあったというのだ。
これは、刑事が外科の医師にきいたという。
外科医
『私がおおごとにならないように処理しましたが。
大喧嘩のあげくに、ナースがウワキンさんを刃物で傷つけたこともあったのです』

なんということだろう。
ナースがそんなことになっていたとは、想像もできなかった。
刑事はウワキンにも話をきいたという。
ウワキンはナースとの浮気は認め、喧嘩の挙句にナースにナイフで手を切られたこともあったと認めたという。
刑事は自分の考えを述べた。
「ノビツィン君が、いつか言っていたこと。
ナースが、ウワキンの妻マジメッカさんに向かって、『あなたの大事なものを殺してやる』っていう言葉。
あれは、愛をこじらせたナースが、ウワキンさんを殺すという意味だったんでしょうかね?」
遺書の”やってはいけないこと”というところに少し不自然な部分もあったが、ナースの動向を知っていた病院関係者やウワキンからすると、わりと納得のいく文面だったようだ。
「ああ、そういうことなんですね。
それならば・・・。
私も、なんとなく納得しました」
と、私は深く頷いた。
「でも、振り出しに戻りましたね」
「振り出し?おかしな言い方をしますね。
結局、シブヤンスキーの死には殺人も何もなかったということなんではないでしょうか?」
*********
マスク姿の刑事は私に、他に何か言いたそうだったが、私はそれを遮った。
「あの刑事さん。
すいません。
実は今日はこの後、私、ちょっと予定がありまして」
私は出かけなければならなかったのだ。
「そうですか」
と刑事は残念そうに言った。
「残念です。
このあと、この前おっしゃってたお食事にお誘いしようと思ってたのですが」
と悲しそうに刑事は言った。
その悲しそうな目は美しかった。
刑事のお食事のお誘いの言葉は嬉しかったが、私はそれどころではなかった。
他に大事な用事ができたのだ。
刑事が私の家を出て、駅の方に向かったのを確認したあと、私は自分も家を飛び出た。

この私の母、シブヤンスキーの殺人疑惑事件について、刑事は、自分と相棒とのたった二人で捜査をしていると言っていた。
今、新型コリナで世間は大変なことになっていて、たった一人の都民の殺人事件ごときにはそんなに手を回せないと言っていた。
でもそれにしても、テレビドラマなどでは、二人組の刑事がよく出てくるのになあ。
刑事というものは二人組で一緒に行動しないといけないのかと思っていたのに、一度も刑事の相棒の姿を私は見たことがなかった。
それほど今は、警察も手薄なのかと思っていた。
しかし私は甘かった。
私の好きだった刑事の相棒は、別の線でこの事件を捜査していたようだ。
刑事との念願のお食事を断ってまで、私のやらなければいけなかったこと。
刑事がちゃんと駅の方に向かったのを確認したあと、私は別れた夫バクチンスキ―のアパートに急いで向かっていた。
それを刑事の相棒に尾行された。
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●刑事の相棒が後に語った話●
僕の相棒の”マスクイケメン刑事”が、昔、オレオレ詐欺事件のときに関わった、資産家のシブヤンスキーさんの死について、疑いを持っていた。
発端は、シブヤンスキーさんの孫のノビツィン君からの告発だった。
マスクイケメン刑事は、ノビツィン君がエロツカヤさんの携帯電話を使って自分に告発してきたときにこう思ったそうだ。
ノビツインは自分の両親を疑っている。
それで伯母のエロツカヤさんに頼って来たと。
マスクイケメン刑事は、最初はエロツカヤさんは信頼できる人物だと思ったそうだ。
マスクイケメン刑事は、ノビツィン君の告発に基づき、病院のナース関係者や、ウワキンさんを調べた。
僕もそれを手伝った。
病院は今てんやわんやで、なかなか入り込めなかったが、病院の近所をあたったり、ナースの周辺をあたったりした。
しかしあるときに、マスクイケメン刑事に僕は言われた。
「君は、私とは違う方面からこの事件を調べてくれないか?
ナースとウワキンにとらわれずにもっと自由な発想で」

それで僕は一人でシブヤンスキーの通っていた英会話教室を調べることにしてみた。
英会話教室の運営者や、教師や教室の生徒のお仲間にあたってみた。
すると最近、シブヤンスキーに急接近してきた太郎という男がいたということがわかった。
4月の上旬から英会話教室に新しく入会した男だった。
英会話教室の生徒さんたち、シブヤンスキーのお仲間たちに話をきくと、太郎とシブヤンスキーは見る見るうちに仲良しになっていったそうだ。
今まで授業のあとは、みんなで渋谷のどこかのレストランに寄って食事をしたり飲んだりしていたそうだが、太郎が出現してからシブヤンスキーは皆さんと別行動をするようになったという。
授業が終わると、
「うふふ。今日も私たちは別行動で〜」
といい、太郎と二人だけで食事に行ってしまうようになったという。
シブヤンスキーは太郎に夢中のようだった。
そしてシブヤンスキーは、3年も通っていた大好きだった英会話教室を4月の中頃に急にやめた。
僕は英会話教室の運営者に話をきいた。
「なんでも、シブヤンスキーさんは娘さんのエロツカヤさんに、うちの教室をやめろと強く言われたそうなんです。
こんな時期に渋谷の英会話教室に通うなんて、コリナに感染しにいくようなものだと。
それはわかりますが。
しかし、私たちも商売なので、仕方なく教室を続けていたのですが」
英会話教室の教師は語った。
「お嬢さんに言われて教室をやめるときも、シブヤンスキーさんはあまりガッカリしていませんでしたよ。
お別れのとき、嬉しそうに私に言いましたよ。
『娘がうるさいんで、このお教室はやめます。
今後は、太郎さんと二人だけで英会話の勉強をすることにしましたわ。
うふふ。
でも先生、もしわからないことがあったら、今後もメールできいてもいいですか?』
って、楽しそうにおっしゃってました」
それが4月の20日ころ。
そしてシブヤンスキーさんに発熱や咳の症状が出はじめたのが4月の27日ころ。
すぐに入院し、コリナ感染症の陽性反応が出た。
その後、見る見る容態が悪化し、5月の頭にはお亡くなりになった。
僕は、太郎を調べようと思った。
英会話教室の届け出にあった住所に行き、太郎に話をきいた。
「シブヤンスキーさんから、突然連絡が途絶えたので不思議に思っていました」
と太郎は言った。
「そうですか。
お亡くなりになったのですか。
知りませんでした。
短いお付き合いだったので僕には何の連絡も来なかったな」
と太郎は言った。
太郎の部屋には、大きなトランクケースが二つほどあったので、僕は不思議に思い、たずねた。
「こんな時期にご旅行ですか?」
太郎は
「はい、国内がこんなときに、なんですが。
いや、だからこそちょっと気晴らしに旅行に。
まだニッポリーナからの観光客を受け入れてくれる国もあるんですよ」
と言った。
太郎をもう少し調べようとしていた矢先に、またイケメンマスク刑事に突然に言われた。
「明日は、君はエロツカヤさんを尾行してほしい」
僕はエロツカヤさんの家のそばで待機した。
夕方、イケメンマスク刑事がエロツカヤさんの家から出てくるのを見た。
その20分ほど後に、エロツカヤさんが家から走り出てきた。
僕は、エロツカヤさんを尾行した。
驚いた。
エロツカヤさんは、太郎の家に向かったのだった。
****続く****
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