新型コリナ殺人事件③〜エロリハビリ中の人が書いてるミステリー③~

ウワキンとナースの関係をさぐる


脱ぎかけている様

昨年、8月よりエロイ話が書けなくなった、現在エロリハビリ中で、実質エロエロ詐欺師のhuugetuです。

本日も、エロくない話です。
(2020年4月17日〜19日に記)

***********

新型コリナ殺人事件
~第三話~


登場人物

・私=エロツカヤ
・私の母=シブヤンスキ―
・私の元夫=バクチンスキ―
・私の息子=キンニクノフ
・私の弟=ウワキン
・私の弟嫁=マジメッカ
・私の姪=ナガサレリーナ
・私の甥=ノビツィン



★これまでのあらすじ★
新型コリナ感染症で死んだと思われていた、大邸宅に一人で住んでいた老女シブヤンスキー。

シブヤンスキーの死後●●日後、娘のエロツカヤのところに刑事から電話がかかってきた。

刑事の話では、シブヤンスキーの死因は感染症ではなく、殺人の疑いがあると。

エロツカヤの甥のノビツィンが、シブヤンスキーは病院のナースに殺されたのではないかという告発をしたのだった。

ノビツィンは、その看護師が、自分の母親マジメッカともめているのを目撃したことがあると言う。

刑事、エロツカヤ、ノビツィンの3人は、マジメッカ夫婦とナースに何か関係があり、シブヤンスキーの死にも関係があるのではないかとの疑いを持った。


******
下尻

ノビツィンと刑事がうちに来てから二週間ほどたった頃、私は床掃除をしていた。

テレビをつけながら、ききながら、雑巾で居間のフローリングを拭いていた。

最初は大人しくテレビの前に座って朝のニュースを見ていたのだが、下を見るとホコリが少したまっていたのだ。

神経質な私は気になってしまい、雑巾とバケツを持って来て掃除を始めた。

そのとき玄関のチャイムがなった。

誰だろう。こんな朝に。

宅配など頼んでいない。
この感染症が問題になってから、一度も頼んでいない。

売り込みだろうか?

最近、売り込みが多かった。

2月には牛乳屋さんが訪ねて来た。
そんなこと初めてだった。

「免疫がつく栄養の高い牛乳です」
無料で、サンプルを何種類かくださるというのは、大変ありがたかったが、私はそれよりも牛乳屋さんがマスクをしないで話していることの方が気になってしまった。

ともあれ、サンプルを何本か置いていった牛乳屋さんは、瓶の回収に一週間後に再びうちに来た。

「どうです?美味しかったですか」
「とても美味しかったです。ありがとうございました」
「ではご購入いただけないでしょうか」

私はこの場で数本買うのは構わなかったが、いや、ぜひ宅配の契約をしてくださいと牛乳屋さんは言った。
申し訳ないが、それはお断りした。


3月のはじめには生命保険会社さんのセールスさんから電話が入った。
「エロツカヤさん。近くにぜひ、お会いできないでしょうか?」

真面目で親切な信頼していたセールスさんだったが、私はその言葉だけでムッとしてしまった。

この時期に、わざわざ会いましょうって?
今までも一年に一回くらしいか会っていないのに?
この感染症が大変なときに会いましょうって?


それは、私が年金保険の契約をしている生命保険会社さんだった。
「エロツカヤさんの今ご加入の保険は、新型コリナで感染で、入院・死亡した場合の補償はついていません。
コリナ関係で入院・死亡した場合にも対応している保険のご案内をしたいのですが」

私は、他の保険会社では、昔からちゃんと医療保険に入っていたので
「結構ですわ。
でもご親切にありがとうございます」
と言い、早々に電話を切ろうとした。

しかし生命保険会社のセールスさんは電話を切ろうとする私をとめて、今度は
「では、今現在のエロツカヤ様のご契約の元で、お金をお貸しできる制度があるので、そのお知らせにうかがってもいいですか?
これから経済が何かと大変になるかと・・・」
と言った。

私はイライラしながらきっぱりと、でも丁寧に言った。
「お金をお借りする予定はないので結構です。
でも、私のことを心配してくださって、ご親切に本当にありがとうございます」

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3月中旬のある夜にも突然の来訪者があった。
そのときは、玄関のドアに近づいたら、すぐに誰かわかった。

外で、話声がしたのだ。
「エロツカヤおばちゃんに怒られないかな~」
「大丈夫だよ。
突然遊びに行くと喜ぶんだぜ、うちのお母さん」

私の息子のキンニクノフと、姪のナガサレリーナだった。

二人に会ったのはお正月以来だったので、本当は嬉しくもあったが、私は言った。
「どうしたのよ。
こんな時間に。
今はウロウロ動き回るんじゃないと、電話であれほど言ったでしょう?」


「ほらやっぱり怒られた・・・」
という顔をして、ナガサレリーナはキンニクノフの方をちらと見た。

キンニクノフは、ふざけたように首をすくめた。

その姿に、私はカッとした。

「ナガサレリーナちゃん、40分も電車に乗ってうちに来たの?!
ばか!!
そして、キンニクノフ!
あんたは、もっとバカよ!!」

私はヒステリックに言った。
「キンニクノフ!
あなた、今、どういう時期だかわかっているの?
みんな動くなと言われているのよ。
中には、東京から、地方に疎開している人もいるくらいなのよ。
逆にまだ警戒の出ていない地区に住んでいるあなたが、わざわざ危険な東京来るなんて!
あんたはバカなの?」

キンニクノフが軽い感じで
「俺の肉体は鉄壁だから、大丈夫、大丈夫。
そのために今まで鍛えてきたんだし~」
と言うので、ますます私は頭に血が上った。


「ばか!!
あんたの問題じゃないのよ!
あんたが、東京で、もし感染して、それでまた地方に帰ったら、そっちの地方の人に感染を広げてしまうかもしれないのよ!!」


そんなことが4月にあったっけ。

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しかし、そんな危機感のなかったキンニクノフとナガサレリーナも、彼らにとってのおばあちゃんシブヤンスキーが、5月に亡くなってからは、神妙になったものだった。

キンニクノフは、
「オレ、お母さんには会いに行ったけど、おばあちゃんにはお正月以来、会ってないよ。
オレのせいじゃないよね?」
と涙ながらに言った。

その言葉をきいて、ナガサレリーナは、その場に崩れ落ちて、突っ伏して泣き出した。

その場にいたみんなが、ナガサレリーナのまわりに集まり、なだめたりしていると、ナガサレリーナは、泣きながら懺悔をするかのように喋り出した。

「私もずっと自粛してたけど、一回キンニクノフちゃんに誘われてエロツカヤおばちゃんの家に遊びに行ったのと、あと3回だけ友達に誘われて、繁華街に遊びに行ったの」

嗚咽をしながら、ナガサレリーナは懺悔を続けた。

「私は出かけたくなかったんだけど、強引に誘われて!!
そして遊びに行った先のお土産をおばあちゃんに持って行ったことある!」

ナガサレリーナはなだめるみんなの前で泣き続けた。
「わたし?わたしのせいなの?
わたしがおばあちゃんを感染させたの?」


******


話が随分と横道にそれてしまったので、6月の現在に戻そう。

この日の来訪者は、またどこかの売り込みだろうか?あるいは、母のお葬式関係者かな?などと思いつつ、雑巾を置くと、私は玄関に向かった。

来訪者は、刑事だった。

二週間ぶりに見る刑事は、なんだか更に精悍な顔付きになっていて、前回会ったときよりさらにイイ男になっているなと、私は不謹慎ながら思ってしまった。

相変らずマスク姿だったが。


「今日はご報告と、更にエロツカヤさんにお聞きしたいことがありまして」
と刑事は言った。

「どうぞ、お入りください」
と私は言った。

刑事が靴を脱いで私の家に入ったあと、私が傘をつっかえ棒にして、玄関のドアを全開にしたままにしようとしていたので、刑事は不思議な顔をした。

「換気です」

足を組む


刑事を家に入れ、洗面所で手を洗わせ、アルコール除菌させ、居間に招き入れ、ソファに座らせた。

そして、私はさっき使っていた雑巾やバケツをかたづけ、居間のドアも窓も全開にしてから、刑事から少し離れた硬い木の椅子に座った。

私の一連の行動を刑事は眺めながら、私が動きを止めるのを待っていた。

私がやっと落ち着いて木の椅子に座ると、刑事は口を開いた。

「ノビツィン君の言っていたナースのことを調べてみました」

次に刑事が口にした言葉で私は鳥肌が立った。

「確かにナースは、あなたのお母様、シブヤンスキーさんの入院していた病院のコリナの患者さんにつきそう部署の勤務でした」

「ああ!」
私は、思わずそんな声をあげてしまった。

「ただし、ナース本人を含め、それ以上の病院内部で何があったかの情報については、今は私たち警察でも調べることはできません。
何しろ、今はこんなときですから」

そうだった。
20XX年の1月から、我が国ニッポリ―ナで広がり始めたコリナ感染症。

お隣の大国、『武国』由来の怖い感染症。

6月の現在では、我が国ニッポリーナの首都ここ東京では、もう医療機関は大変なことになっていたのだ。

たかが一人の都民の殺人疑惑事件なんて、調べている場合ではなかったようだ。
みんな、それどころではなかった。

「いずれにしろ、解明は今は無理ですね。
もう少し、感染症のことが落ち着かないと」
と刑事は言った。

しかし、刑事は病院のナースたちが平常時によく行っていたランチの店や、ナースのご近所などにはきき込みをして、少しだけ情報を得ていた。

「ナースには年上の恋人がいること。
ナースが、何度か中年の男性を家に連れて帰ってきたことがあったということはわかりました」

「うそでしょ?」
私は両手で、思わず震えてしまった自分の肩を抱きしめた。

私は震えながら、刑事にきいた。
「そのナースはやはり、私の弟のウワキンとつきあっていたのでしょうか?」

刑事は、言った。

「ナースとマジメッカさんの路上での言い争いについては、ノビツィン君が目撃したというのではなく、通行人からの通報だということにして、あなたの弟さん夫婦に話をおうかがいしました」

私は、木の椅子の上で身体を硬くしながら、ソファに座っている刑事をじっと見つめた。

二人の言ったことはこういうことだったそうだ。

●マジメッカの話=確かに、ゴミを自分の家の前にポイ捨てした女性と喧嘩したことはあるが、通りすがりの人で知らない人だった。

●ウワキンの話=そんな女性など知らない。ナースなど知り合いにもいない。


次に刑事は、ウワキンの周辺を調べたという。
すると、ウワキンの行きつけのバーがわかった。


そのバーの主人はこう語ったという。
「ああ、ウワキンさんね。
そのお客さんね。
一度、綺麗な若い女性をうちに連れてらっしゃったことがありますね。
いつもは男性といらっしゃるのに、珍しいなと思った記憶があります」

そして店主は言ったそうだ。
「忘れもしないです。
ウワキンさんが初めて女性と一緒にうちに来た日は。
何しろ、偶然なんですが私の誕生日だったので、よく覚えているのですよ」

転がる


刑事は話を続けた。
「その情報を持って、もう一度、ウワキンさん・・・あなたの弟さんに当たってみました。
若い女性のことは伏せて、その日にいきつけのバーに行ったかどうか確認しました」

ここで、刑事は私の方を向いた。

「弟さんは、
『よく覚えてないけど、多分、その頃は仕事が忙しくて行きつけのバーなどには、まったく行けていなかったと思う。
ただ、そのころ、別のレストランバーで姉のエロツカヤに会った記憶がある。
その間違いじゃないですか?』
とおっしゃいました」

刑事は、私の目をじっと見て言った。
「エロツカヤさん、●月×日、弟さんにお会いになりましたか?」

刑事の切れ長の鋭い目。
堀の深い顔。
マスクはしているが、なんていい男なんだろうと、私はまたまた不謹慎にも思った。

話の内容の重大さも頭に入って来ずに、私は刑事の鋭い美しい目に一瞬、ぼーっとしてしまった。

でも、すぐに我に帰った私は、木の椅子を立ち上がった。

「日記を見てみます!」

私は、居間に置いてある小さな本棚に歩いて行って、そこから日記帳を取り出した。

私は、ほぼ毎日、日記をつけているのだ。

私が本棚の前で分厚い日記帳をめくっていると、刑事も立ち上がって、私の横に来た。

私がビクッとすると、刑事はあわてて私から離れた。

私は●月×日の日記を探した。

「ああ!ありました。
●月×日。
その夜は、私はテレビでやっていた映画に夢中ですね。
びっしりと、そのことの感想が何ページにも渡って書いてあります」

私は、ほら!と、いうように刑事の方に日記を向けた。

刑事は手を伸ばして私の日記を受け取ると、そのページを見た。

刑事は●月×日の私の日記を読んだ。

刑事は、今、何にも役に立たない私の映画の長々とした感想文を読んでいた。

しかし途中で私の感想文にあきたのか、刑事はパラパラとページを飛ばした。

少しページをめくったあと、突然、刑事の手がピタリと止まった。

刑事は目を見開いて、私の日記を凝視した。

「ここに書いてあります!」

刑事は言った。

「●月×日の次の日です!」

刑事は私の日記を読み上げた。

「『ウワキンとレストランバーで会った。
死んだ父の残した不動産関係で話があったので。
大事な話だったのに、ウワキンは話に身が入ってないわ!
ムカつく!!
私が、話をちゃんときいてよ!と言ったら・・・』」

人に自分の日記を朗読されるのは、恥ずかしいものだ。

刑事は続けて、私の日記を読んだ。

「『ウワキンは
姉さん、ごめんごめん、昨日、行きつけのバーで可愛い女の子と盛り上がって飲みすぎちゃったから、二日酔いでゴメン!
とか抜かしてやがる!
もー。
我が弟ながら、しょーがないなあ!
あののんべえは!』」
と、刑事は私の日記を読み上げた。


****続く****

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2Comments

ダンディー?  

No title

凄いなあ長編作だね🎵

2020/04/19 (Sun) 16:41 | EDIT | REPLY |   
huugetu

huugetu  

Re: No title

まだまだ
ダラダラ続く予定です

2020/04/19 (Sun) 22:58 | EDIT | REPLY |   

コメント