世紀のロマンス、駆け落ち計画のオチ
注意・今日はエロシーンはない空想物語です

お久しぶりです。
エロ女経営者です。
******
A国の次期王様の弟さんのムード殿下のご家庭で問題が起きていた。
ムード殿下のお嬢様、ルーミ様は、民間の男性ジャック様という人と結婚したがっていた。
一度は、二人のお付き合いや婚約を認めようとしたムード殿下だったが、どうもジャック様のご家庭がスキャンダルというか、いろいろもめ事を抱えていることがわかった。
何でもジャック様のお母さまが、自分の元婚約者との間で借金トラブルをかかえているらしい。
お母さまは借金はしていない、お金を譲り受けただけだと言い、元婚約者様は、借金を返していただきたいと主張している。
どちらの意見が正しいのかは証拠もなく、お互い、言った言わないになっている。
このスキャンダルは、A国国民も知ることになった。
A国国民は、自分たちの大事な皇室のルーミ様のが、ジャック様とのご結婚を大反対した。
ムード様は、いったん娘の結婚を停めて、ジャック様に説明などを求めた。
しかし、ジャック様はムード様や国民の納得いくような説明はできなかった。
ジャック様は、ルーミ様のお心はしっかりと掴んでいたようだったが、お父上や、国民の心はつかめなかった。
国民はジャック様を嫌い、破談を願った。
そして、国民のモヤモヤや不満は、中々、決着(破談)をつけてくれないお父上のムード様や、ルーミ様にまでにだんだん、向けられてきた。
エロ女経営者は、そのルーミ様にご相談を受けたのだった。
そしてこの話の登場人物を整理すると、それぞれに言い分があることがわかった。
国民の感情もなんとなくわかるし、女経営者はそれぞれの人について弁護して、ルーミ様に以下のことを説明した。
①娘の結婚に悩む父上、ムード殿下を弁護する。
ムード様としては、まだ、自分の娘の婿にもなっていない、民間のジャック様の家庭の問題にそれほど口を出せない。
ってか、出すのがかっこ悪いと当初は思っていた。
自由と国民を愛するムード様にはそんなところがあります。
そして、何より最初にノリノリでこの話をすすめてしまったのも自分だったし。
だんだんジャック様という男に不信感を持ち始めたムード様だったが、今更、止めたくても、娘の心はジャック様にいってしまっている。
娘の気持ちを傷つけて、若い二人を無理やり別れさせることもムード様にはできなかった。
でも国民の気持ちを考えると、別れさせるべきのような気もした。
八方ふさがりだ!どうしたらいいんだ?
ジャック様の方からの結婚の辞退も期待したが、それは無理のようだった。
もういい!
もう許してやるから、ジャックはとっとと今日にでも、明日にでも、自分の力で借金を返済してほしい。
そうしたら許してやる。
全てではないが、それでも多少、国民の気持ちは収まるだろう。
そうムード様は願った。
ムード様は最初、ジャック家の借金を自分が立て替えてやるかと思ったが、それが国民にばれたら、それこそ大変なことになる。
もっと大炎上となるだろう。
皇室のお金をあんなジャック様の親の借金に使ったとなったら、きっと国民感情的には許せないだろう。
もしもそんなことをしたら、ムード様家の人気や信頼はがた落ちになることだろう。
また、いくばくかの手切れ金をジャック様に渡して、身をひいてもらうことも考えたが、これもダメだ。
このことをジャック様がうっかりもしもマスコミにでもばらしたら、国民はこれも許さないだろう。
願うのは、ジャック様親子が大人しくとっとと、自力で借金を返してくれることだ。
バイトをしてでも、自分の資産を売ってでもなんでも、何とかしてくれ!!
そしたら、すぐにでも結婚を許してやれる!
ムード様はそう願っているのではないでしょうか?
②婿候補のジャック様を弁護する。
母がやったことで、僕が問題視されるのはおかしい。
とジャック様はお考えても当然だと思います。
百歩譲って、自分の子供がやったことについて、製造責任者の親が責任を感じるのはアリだと思うが、その逆の親のやったことなんて子供は知らんがな。
子供に責任をとらすのはおかしい。
大体、母の元婚約者様は、随分年下の若いピチピチの母と結婚をしようとしたんだぞ。
そういう男性が女性にお金を使うのも当たり前でしょう?
何で結婚が無しになった途端に返せって言うのさ?
恋人と別れた途端に今まで奢って来たレストラン代を返せっていうセコイ男と同じじゃないのさ?
元婚約者様は僕の大事な母を弄んだのか?
彼には、僕の大事な母を一生涯愛する気持ちがなかったのか?
実は息子の僕としてはそんな悔しい気持ちもある。
また、もうひとつ言わせていただくと、ルーミ様と結婚の話がすすんだ段階で、僕は、もう普通の仕事ができなくなってしまった。
こんなにマスコミや国民に顔を知られてしまって、僕にはもう普通の市民として生きることが不可能になってしまった。
今、ここで結婚を無しにはできない。
もう引けない。
何とかしてほしい。
今更、僕を放り出すのであれば、皇室は責任をとってほしい。
大体、僕が何か悪いことをしましたか?
好きな女性と結婚しようとしただけだ。
ジャック様はこんな風に思っているかもしれません、と女経営者はそんな風にジャック様を弁護しました。
③ジャック様のお母上の弁護する。
女がつきあった男から色々金銭の面倒を見てもらうのはよくある話じゃないの?
こちとら、磨き上げた大事な身体を捧げているのよ?
けちけちしないでよ!
何で、後からお金を返せっていわれるの?
あと、私の問題は息子は関係ないでしょうが?
私が自分の”女力”で稼いだ金をただ、自分の大事な息子に回しただけよ。
私、女性のそういうお気持ちもわかります。
とエロ女経営者は母上を弁護した説明をした。
④ジャック様のお母上の元婚約者様の弁護をする
私のことを大好きだと言うから、彼女と結婚しようと思ったのに。
つきあっている途中で、なんだか、彼女がお金目的な気がしてきた。
若い女性と付き合えるのはありがたいと思ったが、私だって、どっかのドンファンみたいな大富豪者ではない。
何でもできるわけじゃない。
こっちが生活を切り詰めているのに、彼女はメチャクチャ、お金のかかる人だった。
もうこのままでは、お金を搾り取られて自分がおしまいだと思ったので私は別れることにした。
そして、彼女がお金を返すと言っていたから返してもらうのを待っていた。
しかし、それが済まないうちに、私も面倒を見てきた彼女の子供が皇室と結婚すると言うじゃあありませんかあ?
私に報告もなしに!
庶民の私からむしりとるだけ、むしりとって、自分たちはちゃっかり皇室とお近づきになるなんて!
こんなの許せるわけありませんよ!
エロ女経営者も、これも実に理解できる感情だと思いましたと説明しました。
⑤国民Aの意見
この結婚反対!
とにかく皇室に無駄な税金を色々使われるのがイヤ!
私たちの税金を使わないで!
悔しいのよ、
金が大事なのよ!
とにかく私たちは、金が惜しいのよ!
ルーミさんがもしも皇室を出てゆくのなら、全然いいわよ。結婚してもいいわよ。
今の国民はお金のことに本当に厳しいみたいですねと、エロ女経営者は頭を振りながら説明した。
⑥国民Bの意見
とにかく、私たちの愛する皇室の方が、少しでもスキャンダルのある人と結婚するのはイヤ!
やめさせてほしい!
皇室の品格が落ちる!
今や、あなたたちの象徴だっつっているのに、自分らの所業や品格はさておき、国民が皇室を敬愛し、自分たち以上にずっと特別なもので居てほしい気持ちも、私にはなんとなくはわかりますよ、心の支えなのかもしれませんね、とエロ女経営者は説明した。
⑦国民Cの意見
これがたとえ、庶民の結婚であったしても、ジャックは懸念するレベル!という人。
うちの娘がああいう男性と結婚しようとしたら、私は大反対するよっ!
これは、⑥の人と眞反対で、国民が、皇室は自分たちの仲間だとすっかり勘違いしている人たちが増えたということなんでしょうか?
その所以でしょうか?とエロ女経営者は言った。
⑧国民Dの意見
いいじゃん。別に。
若い二人が結婚したがっているなら結婚させちゃいなYO!!
税金つったって、今後、ルーミ様たちに使われるお金は警備代金とかそういう必要経費を除くと、案外、すんごいつましいらしいよ。
意外に貧乏らしいよ。
結婚については、いつか失敗したと思っていやになったらそのときに離婚すれば別に全然いいじゃんか。
ルーミさんにそういう離婚の権利はあるんだよねえ?元皇室の人でも、民間人になるわけだし。
あるいは、国民がそんなにダメっていうなら、ルーミ様もう先に皇室出ちゃえば?
法的には出れないんだっけ?
いや、出れるはず。
でもそれもややこしいのであれば、YOUたち、もう駆け落ちしちゃいなヨ!
色々考えて、これだな!と私めは思いましたと、エロ女経営者は言いました。

ルーミ様は、自分の学友の親であるところのエロ女経営者にこっそり相談をしていた。
どうしたら、愛するジャック様と結婚できるか、国民を納得させられるか、お父上と母上を納得させられるかについて。
エロ女経営者は、ルーミ様の幸せをかなえるために、協力者たちと力を合わせて、準備をすすめた。
問題解決の準備の整ったとき、エロ女経営者は、アメリカに渡った。
そして、今、アメリカにいるジャック様に会いに行った。
ジャック様はエロ女経営者を迎えた。
「ルーミ様からきいたんですけど、あなたが何か私たちの助けをしてくれるって?」
とジャック様は言った。
「はい、これでうまく行くと思います」
とエロ女経営者は言った。
「ルーミ様は?」
とジャック様がたずねると、
「もうすぐ、私の部下が連れて来ます。
出国するのが大変だったのですが。
さっき、飛行機に無事乗ったと連絡を受けました」
女経営者は説明した。
あなたたちは、駆け落ちをするのです。
女経営者の娘はアメリカ国籍を持っているそうだ。
女経営者は、自分の娘をアメリカで生んだ。
生まれたときは、娘はA国国籍とアメリカ国籍の二つを持っていたそうだ。
A国の法律では二重国籍はアウトだ。
なので、A国の法律では、22才になったときにどちらかを選択しないといけない。
選択しないと、自然とA国国籍になる。
しかし、アメリカには二重国籍禁止とかのそういう法律はない。
アメリカに行けば、エロ女経営者の娘はまだ、アメリカ国籍をちゃあんと持っているのだそうだ。
「私の娘は、ルーミ様の学友でしたが、ルーミ様と違って全く英語ができません。
中学英語で、英語の実力は止まっています。
また、海外と飛行機と船が大嫌いの娘は、遊びの旅行でさえ、今後もアメリカにいくつもりもありません」
エロ女経営者は説明を続けた。
「ルーミ様は私の娘になりすまし、アメリカで暮らすのです。
同じ年齢です。大丈夫でしょう。
ジャック様は、こちらで何かの資格を取るために勉強しているのでしょう?
その資格がとれれば、あなたはこちらでもは働けますでしょう。
それまでの間は、ルーミ様がアメリカで働きたいとおっしゃってます。
ルーミ様は私の娘のフリをしてアメリカで働くことができます。
私どもがルーミ様が働ける場所を探して提供します。
そして、世間のほとぼりの冷めたいずれは、私の娘に成りすましたアメリカ国籍を持つルーミ様と結婚すれば、あなたもアメリカに永住できるのではないですか?
もうマスコミやA国国民に怯えたりせずとも、あなたは自由にルーミ様とアメリカでずっと幸せに暮らせるのではないでしょうか」
しかし、ジャック様はすかさず言った。
「私にルーミ様を無理やり奪えと?
誘拐のように?
そんなことをしたら申し訳ない!!
最初のころは私に優しくしてくださったムード様や、ムード様の奥様を傷つけることになってしまうではないですか?
また、私の敬愛する今生の王様も傷つけるのではないですか?」
「駆け落ちなんて、実はそんは不幸なことじゃないですよ」
とエロ女経営者は言った。
「私も実は”駆け落ち結婚”だったんです」
ジャック様は驚いて、エロ女経営者を見つめた。
「駆け落ち当時は、私の父も母も祖父も悲しんだと思います。
でも、20年後には和解できました。
今は、父も母も私も夫も娘も幸せです。
大丈夫ですよ。
いつかムード様とも仲直りできる日が来ますよ!」
そうエロ女経営者は自信を持った力強い目でうったえた。
「しかし・・・」
とジャック様は言った。
「ルーミ様は皇室ではなくなってしまうのか?」
とジャック様は言った。
「はい、ルーミ様は皇室とA国を捨ててきます。
あなたのために!!」
とエロ女経営者は熱い目でジャック様を見つめた。
「しかしなぜ、そんな大事な話を僕に相談しないで進めるのです?
当事者の一人である僕に相談しないで?」
とジャック様は言った。
「そ、それは・・・」
エロ女経営者は少し言い淀んだが、結局はっきり言った。
「失礼ながら、私には、あなたが少しだけドジな人のように思えたからです!
ルーミ様をA国から脱出させるためには、大変な計画が必要でした。
せっかくのこの計画を先にあなたに言ったら、どこかにバレて、ヘタ踏むような気がしたのです!
ですので、あなたに内緒で、この計画をすすめることを私はルーミ様に提言しました!」
ジャック様は顔を下に向けた。
「でもルーミ様はこの計画に対して絶対、あなたが喜んでくれると信じています。」
エロ女経営者はそう言ったが、ジャック様は顔を下に向けたまま、ブツブツ言った。
「皇室でなくなる?
ルーミ様が皇室と縁を切る?・・・」
「はい」
ジャックは急に顔を上げた。
そして叫んだ。
「そ、それじゃ意味ない!!
意味ないんだよ!
僕は、皇室の彼女と結婚したかったんだよ!」
エロ女経営者はビックリした。
「あなた!彼女を愛していたんじゃないの?!」
「愛しているよ!!
でも皇室込みの彼女を愛していたんだよ!!
勘違いしないでほしい!
お金じゃないよ!!
何てことしてくれるんだよ!
子供のころから、僕はムード様もお兄様も今生の王様も大好きだった。
僕は皇室の人達が大好きだったんだよ。
ルーミ様もきちんと皇室のお仕事をしているから好きだったんだよ!
皇室のお仕事を投げ捨てるルーミ様なんて魅力が半減だよ!」
ジャック様はそう叫んだ。
エロ女経営者は驚いてジャック様を見つめた。
「あなた最低・・・」
女経営者は何かをジャック様に向かって言おうとした。
しかし、次の瞬間、急にエロ女経営者は言葉と止めて、片手で、髪の毛で隠していた自分の片耳を抑えた。
ジャック様が不思議に思っていると、エロ女経営者は自分の耳にイヤホンみたいなものをつけていたことがわかった。
そして女経営者はポケットから何か出した。
エロ女経営者は盗聴器のようなモノをポケットに隠し持っていた。
「いや、いやいや、ちょっと待ってください!
ルーミ様!ちょっと待ってください!」
エロ女経営者はその小さな機械に向かって叫んでいた。
ジャック様が不思議な顔をしていると、エロ女経営者は、ドアの方に歩いて行った。
ドアを開けると、ルーミ様と、エロ女経営者の部下が数人立っていた。
ルーミ様や部下も、イヤホンのようなものを耳にしていた。
ルーミ様は美しい髪を振り払いながら、自分の耳からイヤホンを取り去った。
ルーミ様は部屋に入ることもなかった。
そこにキリッとした美しい気高いお顔で立っていたままだった。
「A国に戻りますね」
ルーミ様は言った。
「ちょっと待ってください。
待ってください!!」
とエロ女経営者はルーミ様に言った。
しかしエロ女経営者の部下は冷静な顔で
「もしも、今すぐにA国に戻れば何もなかったことにできます!
ルーミ様が失踪したことは、まだ、一部の人にしかばれていないと思われます」
とキリッと言った。
ルーミ様も更にキリッとした気高いお顔で部下に言った。
「はい、私はすぐにA国に戻ります!」
「待って!待って!待ってください!
私の計画した世紀の大ロマンス!
後に語り継がれるはずの、駆け落ち計画があ!
おいこら!
ジャック!てめえ!そりゃねえだろ?」
とエロ女経営者は、グダグダになり、ジャック様の方や、ルーミ様の方を交互に見ながら叫んだ。
しかし、次のルーミ様の様子を見て、エロ女経営者はすっかり黙った。
エロ女経営者は、ルーミ様の心を知って、自分を恥じて黙りこんだ。
ルーミ様のキリッとした表情のままの大きな見開いた目から水があふれ出ていたのだ。
震えることもぶれることなく、気高さを保った凛としたルーミ様の美しい頬に、水は静かに一筋流れていったのだ。
エロ女経営者は倒れ込んだ。
今まで、国民が何と言おうと、お父上、お母上が何と言おうと目から水分など出したことのなかったルーミ様を一番傷つけたのは自分だったとエロ女経営者は思った。
エロ女経営者は自分のバカさ、浅はかさを思い知り倒れ込んだ。
でもそんな心配はなかった。
そんなことごときでダイヤモンドは傷ついていなかった。
ルーミ様は、お顔を拭くと、急にお優しい顔になり、そして嬉しそうに微笑んで言った。
「ちょっと一瞬、悲しかったけど、私の今まで頑張ってきた仕事を評価してくださった彼には感謝します。
恋と今の仕事と両立するためにはどうしたらいいか、投げ出さずに私は考え続けることにいたします。
まずはA国に戻り、今の気持ちを自分の口でA国国民にちゃんと伝えたいと思います」
-----終わり----------
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