星の王子様と、彼が残してきた花のその後
お客さんに復縁の手助けをしてもらう相談室

お久しぶりです。ヤホー相談室です。
と、言っても今日はヤホーはいません。
彼は、この相談室から出て行ってしまいました。
ここ一週間はヤホ子が一人だけで相談室を開けていました。
「あれ?以前お世話になったときは相談員さんは男性だったと思うのですが、女性に変わったんですか?」
と訪ねてきた相談者のお客さんであるところの遠藤さんは言いました。
「は・・はい」
とヤホ子は少し、言葉につまりながら答えました。
ヤホーは一週間前にここを出て行ってしまいました。
ヤホ子と喧嘩したことをきっかけに。
つき合いが長くなり、初めは気を使って遠慮してたヤホ子はだんだんヤホーに対してワガママになりました。
一緒にここで暮らすようになってからは、ますます・・・。
昨年はヤホ子はヤホーに散々自分の要望をつきつけては、ワガママを言って困らせました。
ヤホーが自分に夢中だと知っていたからです。
ヤホ子はヤホーに惚れられていることをいいことに、何でも言うことをきかせようとしました。
ヤホーを縛りつけました。
そして、ヤホ子はそのくせ自分は好きなときに家を開けて自由に遊んで、ヤキモキするヤホーの様子を見て楽しみ、振り回しました。
ヤホ子はヤホーに対して大変、傲慢でした。
そして、とうとうヤホーに愛想をつかれました。
「もう疲れた」
と言って、ヤホーは1週間前にここを出て行ってしまったのでした。
「俺は1カ月ほど休暇をとり、今まで行きたかった日本のあちこちを旅してみる。
北海道とか四国とか。
その間は相談室は閉めててくれてもいいし、一人で開けてくれててもいい。
俺はどっか自分の好きな土地を見つけてそこで新たな商売するつもりだ」
とヤホーはヤホ子に言い、ここを出て行ってしまったのでした。
そんなヤホーのことを思い出して、ボーっとしたヤホ子は、慌てて首を振りました。
今は仕事をしないといけない!
「今日のご相談はどういったことでしょうか?」
ヤホ子は無理に明るい顔を作って、相談者の遠藤さんに微笑みかけました。
遠藤さんは言いました。
「ご相談ですが。
お恥ずかしい話なのですが。
私は、故郷に捨ててきた女性のことが忘れられずに、彼女が今、どうしているか知りたいのです」
「ほう」
ヤホ子はおもしろそうな相談だと思いました。
「ところで相談員さん。あなたは、”星の王子様”って知ってますか?」
と、突然、相談者の遠藤さんは突飛なことを言い出しました。
でも
「あ!」
ヤホ子は思わず叫び、椅子から立ち上がりました。
そのリアクションに今度は遠藤さんのほうが少し驚いた顔をしました。
ヤホ子は言いました。
「実は私、”星の王子様”昨日、読んだばかりなんです!
大掃除をしたら本が出てきたんで昨日ちょっと読んでたんです。
何てタイムリーなの?」
ヤホ子は、自分がここを出て行かなくちゃならないと思って、昨日荷物をまとめたり、掃除をしていました。
なぜなら、この相談室兼住居はヤホーの持ち物です。
ヤホ子に腹を立てて思わず出て行ったヤホーでしたが、本来はヤホ子が出てゆくべきなのです。
ヤホ子はヤホーにメールをしました。
「あなたが出てゆくのはおかしい。私が出て行くわ。
すぐ荷物をまとめるわ。
それが筋でしょう?」
ヤホーは何と返事をくれるだろうか。
何でもよかった。
事務的でも何でもいいので、何かやり取りをきっかけにヨリを戻す糸口が欲しかった。
(あ!スマン。”ですます調”が疲れたのでここからはやめます)
ヤホ子はヤホーから返事が欲しかった。
でもヤホーから返事は来なかった。
この一週間、一回も。
それでもとにかくヤホ子は自分の荷物の整理は続けた。
ゆっくりゆっくりと、いつまでも荷物をあっちこちに移動させてひっくり返したり、整理の途中で出てきた、昔買って全く読んでなかった雑誌を見つけて読んだり。
そのときに”星の王子様”の本が出てきたのだった。
その本はヤホ子がここに来るときに実家から持ってきたものだ。
「あなたは”星の王子様”を昨日読んだ?
それはちょうどいい。」
相談者の遠藤さんはそう言った。
「あれにバラの花の話が出てくるでしょう?
王子様が自分の星で大事にしていたバラの話」
遠藤さんは星の王子様についての解説を始めた。
星の王子様は小さな星に一人で住んでいた。
そこにあるとき、植物の種が飛んできた。
王子様はその植物が成長するのを見守った。
ある日、植物は美しい花を咲かせた。
でもその花は自分の美しさを鼻にかけて、王子様を苦しめるようになった。
傲慢なことを言ったり、我儘を言ったり。
王子様は、花に水をやり、風から守る衝立を立ててやったり、夜は覆いガラスをかぶせてやったり、花につくした。
でも花は勝手なことを言って、王子様の心をゆさぶったり、わざと咳をして、王子の心をすまない気持ちにさせたり。
それである日、疲れ切った王子は、花を残して星を出て行くことにした。
花は自分はバカだったと謝罪し、自分は王子のことを好きだったことを最後に言った。
でもプライドの高い花は
「もう決めたのならさっさとお行きなさい」
と言って、涙を隠して王子を見送った。
遠藤さんは言った。
「あの美しいワガママな花の話。
なんか、故郷に残して来た僕の昔の彼女のことを思い出しちゃうんです。
そして、綺麗で傲慢な花に疲れて、愛想をつかして王子が逃げ出したっていうところも何か、僕に似ているんです」
遠藤さんは続けた。
「その後王子は、自分の星を離れて、あちこちの星を訪ねているうちに、あの花は自分にとってかけがえのない大切な物だったとこを知り、自分があのワガママな花を愛していた気持ちに気づくんですよね。
王子は地球では、あの花と同じバラが何千本も咲き誇っているのも見た。
王子様の花は自分だけが特別に美しいというようにいつも傲慢にふるまっていたけど、実は地球ではありふれた花だった。
でも、王子様は自分がいろいろ面倒を見てきたあの花は、やはり、自分にとって特別な花だったと気づくんですね。」
ヤホ子は遠藤さんの話をそこまできいて、泣き出してしまった。
突然、机につっぷして、声を上げて泣き出した。
遠藤さんはびっくりした。
若い女性にこんな変な話をして、キモイとか、なんじゃそりゃ?とか、鼻で笑われるとか、そんなリアクションを取られる可能性は考えていたのだが、目の前にいる女性が泣き出した!?
「ごめんなさい!ごめんなさい!
こちらが相談に乗らないといけない立場なのに!
泣いてしまって、申し訳ありません!」
とヤホ子は泣きじゃくりながら言った。
「ど、どうしたんですか?」
と遠藤さんがきくと、
「なんか、私も自分たちのことのように思えてきて」
とヤホ子は言った。
ヤホ子は遠藤さんに自分とヤホーの話をした。
ヤホ子は自分のことを美しいワガママなプライドの高いバラの花と重ね合わせているようだった。
そしてヤホーを星の王子様だと思っているようだった。
「でも、あれのラストって、王子が自分の気持ちに気づいたときはすでに遅しなんですよね。
王子は、自分の星から遠く遠く離れた星で、わざと蛇にかまれて死んじゃうんですよね。
多分、星に残してきた花ももう死んでしまっているんだろうということも匂わせながら」
とヤホ子は泣きながら、遠藤さんに言った。
遠藤さんは自分が相談に来たはずだったのに、なぜかヤホ子を慰めることになってしまった。
「いや、蛇にかまれて死んだわけじゃない。
王子様が消えてしまったのは、自分の星に戻って、その後、花と幸せに暮らしたのではないかという解釈もできますよ!」
と遠藤さんはヤホ子に説明した。
遠藤さんが相談室に来た目的は本当は違った。
自分が故郷に残して来た彼女がどうしているか、こっそり調べに行ってほしいという依頼をしに来たのだった。
しかし、そのことを言う前に、逆に相談される側になってしまった遠藤さんだった。
ちょうどそのとき、ヤホ子のメールに、やっとヤホーから返事が来た。
一週間ぶりの返事。
着信音にヤホ子はスマホに飛びついた。
『君が別に出て行かなくてもいい。
近いうちに僕の荷物は、業者に取りに行かせることにする。
その相談室は売り払ってくれても、放置して出て行ってくれても、そのまま君が一人で続けてくれても構わない。
そのことについては、そのうち弁護士をそちらに送るので、その人と話してほしい。』
どんな返事が来るかと思っていたら、ヤホーからの返事はそんな冷たいものだった。
業者に荷物を取りに行かせるなんて、弁護士を送るなんて、ヤホーはもうヤホ子にもう二度と会いたくないんだ。
ヤホーは、自分が残した”花”に対して、何も思ってないらしい。
ヤホ子は、ヤホーにとってそんなものだったのだ。
そのあと、遠藤さんはヤホ子につきあって、やけ酒を飲むこととなった。
相談室を閉めて、二人は酒を飲んで、グチャグチャ未練話をして涙ぐんだかと思うと、逆に陽気なフリをしてヤケになって歌ったり、踊ったりした。
そして、べろべろになった二人は挙句にセックスをしてしまった。
**********
遠藤はヤホ子の豊かなおっぱいをまさぐった。
「ああん!」
ヤホ子はおっぱいを揺らしながら、身体をよじった。
遠藤がヤホ子の乳首に触れたとき、そこはもう硬くなっていた。
コリコリしたそこを手でいじって、そのあと、遠藤は口に含んだ。
硬い突起部分の側面を舐めながら、ふっくらした周辺を揉みながら遠藤は、ヤホ子に声をあげさせた。
遠藤が突起部分の頂点を舌でつついたり、乳輪全体をチューチュー吸い始めると、とても大きな声をヤホ子はあげた。
遠藤はヤホ子の下半身に移り、お股のピンクの突起部分にも同じことをしてみた。
ヤホ子は狂ったように喘ぎ、身体をくねらせまくった。
お股のピンクの部分をいじられ続け、ヤホ子は一回、イッテしまった。
イッたあと、ふらふらとヤホ子は起き上がり、今度は遠藤の硬い硬いモノを自分の手にとった。
遠藤の硬い棒を細い美しい指で持ち、ヤホ子はそのてっぺん部分をペロペロした。
いやらしい顔で横眼で遠藤を見上げながら、ヤホ子はてっぺん部分を舐めた。
そしてヤホ子はパクッと口を大きくあけると、遠藤の棒を口に入れた。
ヤホ子は片手で遠藤の棒を持ち、片手で長い髪をかきあげながら、お口で遠藤のモノを出し入れさせた。
ジュプジュプ、いやらしい音を立てて、ヤホ子は遠藤のモノをお口ですすった。
遠藤のその棒が、ヤホ子のお股の穴に入ったときは、ヤホ子はまた、再び、大きな声であえぎはじめた。
遠藤の棒を自分の下半身のお口でしめつけながら、ヤホ子はなめらかな身体をよじって喜んだ。
遠藤はヤホ子の下半身のお口の中に自分のモノを擦り続けた。
ヌチャヌチャまとわりついてくるヤホ子の穴の中で遠藤は動きまくった。
ヌメヌメぬちゃぬちゃまとわりついてくる穴の壁を押し分け、押し分け、遠藤は動いた。
そしてやがて穴の中に遠藤はドクドクと放出した。

次の朝、お酒が覚めてみると、二人はお互いちょっと気まずかった。
しかし、気まずさを吹き飛ばすくらい、そんなことよりも二人はひどく体調が悪くなっていた。
お互いグチャグチャになった顔を洗い、服を整え、
「うえー、気持ち悪い。
飲みすぎましたねえ。」
「私は頭痛がします。
頭、われそうです!!」
と言いあった。
そして、遠藤さんはフラフラ、ヨロヨロと帰って行った。
一時の癒し。
寂しい男女のいっときのなぐさめあい。
そういうこともあるわとヤホ子は思った。
しかしその一週間後くらいに、遠藤さんが再び、ヤホー相談室を訪れたのでヤホ子は驚いた。
遠藤さんはドアを開けて部屋に入りかけたが、何故かドアノブを手にしたまま、ドアを開いたままの状態にしながら微笑みながら黙って立っている。
ヤホ子はその状態を不思議に思った。
あんなことをしてしまったので、遠藤さんは何か遠慮してるのか?
「遠藤さん、いらっしゃい。何してるの?寒いわ。ドアを閉めて入ってらっしゃいよ」
ヤホ子は、相談室の椅子から立ち上がりながら、遠藤さんに向かってそう言った。
そのときだった。
遠藤さんの抑えていたドアの向こうからヤホーが現れた。
なんだかきまずそうに、体をゆらゆらさせながら、照れくさそうにドアの向こうからヤホーが現れた。
「ヤホー!!」
ヤホ子は叫んだ。
ヤホーはそっぽを向いたままモジモジしていた。
遠藤さんはヤホーの腕を取ると、相談室の中に引っ張り込み、ドアを閉めた。
そして、まだモジモジしているヤホーに代わって遠藤さんは言った。
「実は以前、私が相談したときに、ヤホーさんに都内の女性を連れ込んでも大丈夫な安いビジネスホテルについて教えてもらったんですよ。
で、今回、もしかしたらヤホーさんはそこに潜伏しているんじゃないかと思って、僕、行ってみたのです」
と遠藤さんはヤホ子に向かって説明した。
どんな相談してんだよ?とヤホ子は一瞬だけ思ったが、そんなの今はどーでもいいや!と流した。
遠藤さんいわく、ご自分のお仕事の合間に、そのビジネスホテルに何回も行き、入口で朝、晩、一週間張ってたら、やっと昨日、ヤホーを捕まえたという。
そして、遠藤さんは、ヤホーがいなくなってヤホ子がどんなに悲しんでいるか、また、今までの自分の態度をどんなにヤホ子が反省して後悔しているかを伝えてくれたんだと。
そして、ヤホーは戻ってきた!!
ヤホーはヤホ子のそばに近づくと恥ずかしそうに笑った。
ヤホ子はヤホーに抱きついた。
満足そうに笑いながら、遠藤さんは
「じゃあ、私はこれで」
と言い、相談室から去ろうとした。
「ありがとうございました!」
とヤホーは遠藤さんの背中に向かって叫んだ。
「待って!!待って!待って!遠藤さん!」
ヤホ子は遠藤さんを呼び留めた。
「今度はあなたの番です!」
ヤホ子は遠藤さんに向かってそう言った。
*******
ヤホーとヤホ子は、遠藤さんの別れた彼女のいる故郷に向かうことにした。
SNSから、彼女のお友達が東京にいることを知り、二人はまずその人に会いに行った。
「実は、ここ最近はやり取りしていないので近況は知らないのですが、彼女はまだ一人ものだと思いますよ。
何でも昔別れた男の人のことが忘れられないらしく」
とその人は言った。
おお!
ヤホーとヤホ子は遠藤さんにその話をした。
遠藤さんは嬉しさを隠せないような、でもその気持ちを押さえつつ、
「でも私は彼女とヨリを戻すなんていうずうずうしい気持ちはないんですよ。
ただ、彼女が今どうしているのか知りたいだけで」
と言った。
「まあ、行って見てみましょう。彼女のことを調べてきます」
とヤホ子は言った。
ヤホ子とヤホーは遠藤さんの故郷に行った。
彼女の家はすぐにわかった。
最初は周りに聞き込みをしようと思ったが、もうこの際、ダイレクトに行くことにした。
彼女の家を訪ねると、玄関を開けて、女性が出てきた。
とても可愛らしい美しい人だった。
確かにちょっとだけワガママそうなプライドが高そうな感じもした。
ヤホ子が遠藤さんの知人ですと名乗ると、女性の顔色は変わった。
「え、遠藤さん?
わ、私たちは、ほ、本の少しの間しかつきあってなかったわよ!」
と彼女は言った。
「なっ!何しに来たのよ?あなたたち、何者よ!」
「遠藤さんがあなたを心配してます。近況などをうかがいたくって」
とヤホーが言いかけたところ、
「ふざけないでよッ!
さっさと帰ってよ!」
と言いながら、彼女はヤホーたちを玄関から追い出そうとした。
そして言った。
「今、奥で、彼氏が寝てるんだから!
やめてよ!とっとと帰ってよう!
誤解されたら、どうしてくれんのよ!」
そのとき
「おーい!薔薇子?どうしたあ?お客さんかあ?」
と男の声が聞こえてきた。
ドスドス、廊下を歩いて男が玄関の方に近づいてくるようだ。
薔薇子さんは、急いでヤホーたち2人を外に連れ出した。
そして玄関のドアをぴしゃりとしめた。
薔薇子さんはヤホーたちを家から遠ざけるべく、腕をつかむと引っ張って、歩くことを促した。
「あっち!あっち!ファミレスがあるから、!あっち!」
家から少し離れたファミレスにつき、テーブルに座ると薔薇子さんは言った。
「もー勘弁してください?なんなんですかあ?
遠藤さんが何だっていうんですかあ?」
薔薇子さんは頭を振りながら言った。
「私、今、昔からずっと大好きだった人と、やっと同棲までできて、幸せをつかみかけているのよ!
お願い!邪魔しないで!
遠藤さんとの過去なんて絶対に知られたくないわ!
遠藤さんにも言っておいて!
これ以上私につきまとったら、うったえるわよって!」
薔薇子さんはヤホーとヤホ子に向かって一生懸命そう言った。
まー、そんなこともあるだろう。
遠藤さんの”綺麗な花”は王子様の帰りを別に待っていなかったみたいだ。
普段はそれくらいのことは事前に想定もできる、冷静な判断もできるヤホー相談室の二人だったのに、今回は自分たちのこともあって、自分の頭がお花畑になっていたことをヤホ子は反省した。
ヤホ子とヤホーは、東京までの帰りの飛行機の中、遠藤さんにどうやって説明するか、どうやってなぐさめるべきか?大いに悩んだ。
-------終わり----------
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