くんづほぐれつ社内男女関係②
純愛を貫く不倫

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そのテーブル全体で盛り上がり、何人かで2件目に行こうという話になった。というか私がそう仕向けた。
社員食堂では美咲が遠くのテーブルで女の先輩達につかまってずっと話に突き合わされているのを見かけた。
太川君はやはり他のテーブルで盛り上がっているのを見た。
私たちのテーブルの人は他のテーブルの知り合いも少し誘って、結構な人数で会社を出て近所の居酒屋へ行った。
そして皆と別れた後、私と部長は3件目へ。
そうホテルへ。
案外簡単だった。
美咲と同期の私に興味があったのかどうかわからないが、部長は私の話を熱心に聞いてくれた。
社員食堂にいる後半から、酔っぱらい出した私は嘘をついていた。
「実は私ずっと部長のファンだったんですよね。」
二件目に行く途中も私は
「もっとお話しがしたいたから次の店でも隣に座っていいですか」
と部長にこっそり言った。
居酒屋で私は部長にかなり近寄り、時々、しなだれかかったり部長の膝や腕にタッチを繰り返した。

ホテルに入ると静かに抱きしめられた。
さすが飢えていないわ。
これくらいの年齢の方と何度かホテルに行ったことあるけど、みんな部屋に入るなりガツガツとしてきたのに。
でも女に対する逆の礼儀(?)もあってか、部長はちゃんと少しは興奮しているところを見せた。
私に軽くキスしたあとは、だんだん深く深く私の唇をむさぼりだした。
部長が私のお尻や背中をなでまわし始めたので私はちょっと身体を離し、
「お風呂に入らせて」
と言った。
部長はすぐに私を解放して
「どうぞ」
と言った。
抱かれるとき、部長は私の体のあちこちを愛撫しながら
「綺麗だね」
とささやいた。
乳首を撫でられ私が小さな声を出すと
「可愛いね」
とささやいた。
アソコの突起部分をいじられ、穴の中をピチャピチャと音を立てて指をいれられた時、私は大きな声を出した。
私が感じて、身体をねじり悶える姿を楽しそうに部長は見ていた。私を執拗に悪戯しながら部長は楽しんでいた。
前戯で、私が一度イッテしまったあと、部長がいよいよ入ってきた。
部長は私の入口付近を細かくこすりつつ、何回かに一回、私の奥のほうに突っ込んでくる。
そして部長は引き抜いてゆく。
そしてまた突っ込んでくる。
私はさっきよりももっと大きな声を出した。
その後、激しく奥の奥を何回も突かれたときに私は再びイッテしまった。
*****
セックスのあと、横たわると部長はすぐに寝てしまった。
私は必死でフラフラと起き上がると部長の寝ている上半身裸の写真を携帯で撮影した。
大きなシャッター音が出たのであせったけど、部長は起きなかった。
私は一人でこっそりホテルを抜け出してタクシーを拾った。
私もまだ少し酔っていた。ちゃんといろんな判断ができなかった。
家につくとパソコンを立ち上げ、携帯で撮った部長の写真を転送すると、私はパソコンから美咲の社内のPCアドレスに部長の写真を送った。
******
翌朝、目を覚まして、私は何てことをしてしまったんだと反省した。
いや百歩自分を甘やかして、部長とセックスするのはいいとしよう。
そのあと、写真を何で美咲に送ってしまったのだろう。
バカ!バカ!自分の大馬鹿!!
この写真のせいで、美咲と部長がうまくいかなくなってしまったらどうするのだ?
バカ!ひとさまの関係を壊す理由なんて私にはない。
ひとしきり自分を責め立てたあと、でも私は一生懸命、自分に言い訳をした。
よく考えてみてよ。
『太川君と美咲は、ピカピカの独身同士のちゃんとした未来のあるカップル。』だ。
一方、
『妻子ある中年の部長と美咲との関係』は明らかに間違っている。
美咲と部長を別れさせるために私は正義の行いをしたのだ。
私は自分に言い聞かせた。
美咲と部長が別れたら、
美咲が戻ってきて太川君はハッピー。
部長の奥さんもハッピー。
美咲も、妻子持ち男に人生を狂わされずに済んでハッピー。
部長は自業自得ということで別にいいでしょう。奥さんを裏切って、美咲とセックスし、美咲を裏切って私とセックスしたのは本当のことなんだから。
でも罪悪感から、私はなるべく、もうこのことを考えないことにした。
美咲とも部長とも顔を合わせないようにした。
部長からは一回メールが来ただけで、無視したらそれ以上は私を誘って来なかったし。
私は太川君と二人で飲みに行くのも少しの間は控えた。
しばらくしてから、太川君と久しぶりにサシで飲みに行ったら、美咲は年上の男と別れたが、太川君のところには戻って来なかったという話を初めてきいた。太川君は美咲に別れを告げられたという。
「もうそれから何も手につきません。心にポッカリ穴が開いて、毎日自分が何しているのかわからない状態で仕事だけとにかくしています。仕事に打ち込んでいないともう死にそうです。」
と太川君は言った。
「今日は飲もう」
と私は言った。
そして私はその夜、太川君とセックスをした。
若いたくましい太川君の肉体に抱かれた。
太川君は荒々しく私の体を求めた。
お風呂にも入らせてもらえずにベッドに押し倒された。
「いや、シャワー!シャワー!」
ともがきながら私は服を脱がされた。
そして太川君は私の体にむしゃぶりついてきた。
これが他の男だったら
「ちょっと待ってよう!ガツガツすんな!」
という感想を持ったと思うが、太川君に身体を激しく求められると、自分の心や存在が求められているような喜びを私は感じた。
私に挿入すると最初から太川君は激しく動いた。
下から私が顔を見ると、私に今まで見せたことのないような男の顔で太川君が私を見つめて、ハアハアしていた。
嬉しかった。
何度も激しく出し入れされ、私はイッテしまった。
太川君はベッドの中では野獣のようだったが、事が終わるといつもの太川君に戻った。
「なんかすいません。
というか、ありがとうございますっていうのか、なんていうのか。
助かりました。自分、死なないですんだっていうかなんていうか・・・」
と照れながら、すまなそうに言った。
私が落ち込んだ太川君を慰めるために寝てあげたと思っているようだった。
友情みたいなもので?
とにかく、私たちはこれからお付き合いが始まるような雰囲気ではなかった。
私はこの思い出を自分の中で封印することにした。
****
それから10年以上たって転職をし、その会社を辞めた私だった。
転職して2年後、昨日、久しぶりに旧会社の友達と電話で話をしたときにきいた。
「あ。美咲さんていうあなたと同期の綺麗な人いたでしょう?」
私はドキッとした。
「美咲さんってずっと独身だったでしょう?
でもこの前、大昔上司だった人と結婚したのよ。●●さんっていう人。
地味婚でひっそりと。」
あの部長の名前が出た。
私は驚いた。
「美咲さんの若いころいた部署の部長さんだったんですって。●●さんはもうお子さんも成人してて、確か1年くらい前に奥様がお亡くなりになったんだけど。」
私は何も言えなかった。
「やっぱり男の人って妻に先立たれると弱いものなのね。寂しいのものなね。すぐに次に奥さんが欲しくなるものなのね?」
という友達の言葉は上の空できいていた私だった。
自分や太川君に比べて、あの不倫カップル二人が純粋な美しい人たちに思えてきた。
身体だけくんづほぐれつしたけど、本当はもつれていない。
これがドラマなら不倫カップルが主役で、私と太川君はただの脇役だったのだろう。
-----終わり-----------
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