父が寝ているときに、唇にこっそりキスをしてくる娘①
夜中にキスをしてくる娘

私は、彩芽に好かれていることを知っていた。
彩芽は妻の連れ子だ。
独身時代に妻は、よく幼い彩芽を連れて、私とのデートに来た。
出会った頃は彩芽に対して、私はとても気を使った。
彩芽には亡くなったお父さんへの思いもあるだろうし、自分の母親が他の男に取られてしまうのを嫌だと思っているかもしれない。
私は、この子の小さな心には、絶対嫌な思いをさせないようにしなくちゃと考えた。
結婚するのであれば、この子の本当の父親になるつもりで大事にしないといけないと思った。
私と妻の結婚は多くの人に反対された。
私の女友達は
「独身のあなたが、なんで年増の子持ち女と結婚しないといけないの?」
と言った。
男友達は
「お相手は将来的に自分と娘を養ってくれる男が必要なんだろ?
じゃないと、6つも年上といえあんな美人が、お前みたいな30半ばになっても彼女も作れない男のことを何で好きになるのだ?」
と言った。
先輩は
「もしも、連れ子がいずれ反抗期とかそういうことになったとき、お前は我慢できるのか?対処できるのか?
俺なんて実の子でさえも、グレたときには相当キツかったぜ?」
と言った。
みんなキツイことを言うけど、一応、私のこの先のことを心配してくれているのは確かだったが。
妻も周りに反対されていたらしい。
結婚したあとに、妻にきいたのはこんなことだった。
「あなたが、今一番優先すべきは子供のことよ。
男なんて二の次にすべきよ。
あなたは自分でもお金を稼げているのだし」
「知っている?
虐待されている子供って、誰からされるかって。
母親の恋人からとか、血のつながっていない父親とかがとても多いのよ」
「俺自身の気持ちでいう。
自分の血のつながってもいない子なんて、俺は本気で大事にできないと思う。
まあ世の中にはそうじゃない素晴らしい男もいると思うが。
俺には無理」
「大事なお子さんのためにも父親が必要って言うのはすごく気持ちわかるわ。
でも未婚の男は絶対やめなさい。
子育ての苦労をこれっぽっちも知らないのよ。
あなたが結婚するのであれば、同じように連れ子のいる男性とか、あるいは、今はいなくても、一度は子を持ったことの経験のある男の人とかがいいと思う」
こういうことを妻は友人たちに言われたらしい。
でも、何度も私と会ったことがある妻の親御さんは、何も言わずにすぐに結婚を認めてくれた。
そして、私の両親も一切、反対しなかった。
実は、私自身が、母の連れ子だった。
10歳のときにできた新しい私の父は優しく、たくさん遊んでくれて、いつも私のことを大事にしてくれた。
時には義父だって、子供の私を叱らなくちゃいけない場面もあった。
もともと穏やかな性格の義父は私を叱ることに戸惑っていた。
でも義父は、反抗期の私を勇気を出して怒ってくれたものだ。
そういうときは、すごく悩みながらも、一生懸命たくさんの言葉を尽くして、義父は私に話しかけてくれた。
思春期の1,2年の間は、義父にも反抗していた私だったが、今はとても感謝しているし、愛している。
そう、私には生きたお手本の義父がいたのだ。
だから、周りが反対するほど、自分は心配はしていなかった。
そして私はうまく彩芽の父親役をこなすことができた。
妻も彩芽も毎日安心して、幸せに私との家族生活を送れたようだ。
・・・途中までは。

結婚後、彩芽に『お父さん』と呼ばせなかったのはまずかったかもしれない。
妻がそれを彩芽に強制しようとしたときに、私は止めた。
「いいよ。彩芽ちゃんには天国にお父さんがいるんだし。
呼び名なんてなんでもいいじゃないか」
と。
「でも・・・最初は違和感があったとしても、私はちゃんと『お父さん』って呼ばせたほうがいいと思う」
と妻は言った。
結局、彩芽は私のことを今までの呼び名通り、『よしちゃん』(妻が独身時代に私を呼んでいた呼び名)で呼び続けた。
代わりになぜか妻が私のことを『お父さん』と呼び始めた。
それにつられて、彩芽がいつか私のことを『お父さん』と呼ぶことに期待をかけたのかもしれない。
*****
彩芽との出会いは、私が義父を持ったときと同じ、10才のころだ。
もっと小さな小さな女の子が、実のお父さんに
「大きくなったらお父さんのお嫁さんになる」
と言うことはよくあること。
しかし、彩芽が16才のときだった。
彩芽は美しい少女に成長していた。
脚も胸もお尻も色っぽく成長してきていた。
ショートパンツ姿やミニスカートやパジャマ姿でウロウロされると私は目のやり場に困った。
まあ、これは普通のお父さんでもあることかもしれない。
電車が不通になってしまい、学校から帰れなくなった彩芽を車で迎えに行ったことがあった。
思えば、車で二人きりになることはめったにない。
いつも私たちは結婚前のデートのころから三人で行動していた。
彩芽は車の中で、助手席で言った。
「私、よしちゃんのお嫁さんになりたいな」
運転していた私は大笑いした。
「それ!言ってほしいやつ!
父が娘に言われたい一番のやつ!」
私は大笑いしながらそう言った。
大笑いの理由は、半分は本当におもしろかったのと、あと4分の1は本当にうれしかったのと、あとの4分の1はエロイ気持ちを隠すためだった。
彩芽が17歳の頃だった。
私と妻の寝室には、ベッドが二つ並んでいた。
シングルサイズの妻のベッドとダブルサイズの私のベッド。
セックスをするときは私のダブルサイズのベッドでする。
二つのベッドの間は1メートルほど離れていて頭の方には広めのナイトテーブルがあり、電気スタンドと本がたくさん置いてあった。
早朝、ベッドで本を読むのが好きな妻が、私の睡眠の邪魔をしないように、二つのベッドの間をわりと広めに開けて置くことにしたのだ。
ある深夜、夫婦の寝室のドアを開ける微かな物音で私は目を覚ました。
私のベッドはドア側だった。
ときどき、仕事で深夜帰宅することがあったので、妻を起こさないようにベッドをそっち側にしていた。
寝室の外の小さな灯りのついた廊下に、可愛らしい陰が映った。
彩芽だ。
私は目をすぐに閉じた。
いつか夜中に、初めて生理が始まってしまったときに、困った彩芽が妻を訪ねて部屋に来たことがあった。
心配して
「どうした?どうした?」
と大騒ぎした私を妻は制止した。
そんなことがあったので、今回は何かわからないが、私は起きないことにした。
でも彩芽は妻のベッドの方に行かなかった。
まっすぐ私のベッドの脇に来たことが気配でわかった。
彩芽は私の顔に近づいたようだ。
しばらくすると、何か柔らかいものが私の唇に押し当てられた。
一秒もなかった。
サラサラっと小さな衣擦れの音がしたかと思うと、彩芽は寝室から出て行ったようだった。
***
それ以降、毎日のように、深夜、私の唇には柔らかいものが押し当てられた。
二秒くらいのときもあったし、五秒くらいの長いときもあった。
私は妻と違って、ちょっとしたことで目を覚ましてしまう体質だった。
でも、いつも私は気づかないフリをして、平気なフリをして、寝たフリを続けた。
体を微動だにさせずに眠ったフリを必死で続けた。
最初は驚いた。
どうしたものかと思った。
でも深夜にこっそり、私にキスをしにくる彩芽が可愛くてしょうがなかった。
困った、困ったと思いつつも、いやらしくニヤニヤというよりも、微笑ましくて笑ってしまう私だった。
妻、がパート先の会社の一泊の慰安旅行に行ったことがあった。
今までは、外泊どころか、飲み会さえもずっと控えていた妻だったが、もう彩芽も大きくなったし、たまには社内の行事に付き合うことにしたらしい。
その夜も彩芽は深夜、私のところに来た。
彩芽にキスをされたときに、私はとうとう目を開けてしまった。
バッチリと。
彩芽も私が目を覚ましたことに気づいた。
「キャッ」と小さな声を上げると彩芽は後ずさりした。
そして、急いで寝室を飛び出して行った。
うわ。
この後、非常に気まずいことになるかも。
しかし、そうはならなかった。
朝食時は彩芽は元気で、そしてちょっと意味深な顔でニヤニヤしていた。
朝は私の方が先に出る。
会社に出かけるときに、彩芽は玄関に送りだしに来た。
「行ってくるよ。
君も遅刻すんなよ」
と私は彩芽に言った。
彩芽は信じられない言葉を私に向かって発した。
「行ってきますのチューは?」
「アホか!ちゃんと鍵閉めろよ!!」
と私は言って、慌てて家を飛び出した。
義父をからかうな。・・・・・・誘惑するな。
その後、妻が祖母の体調が悪くなったということで実家に帰った日の夜も、彩芽はまた妻不在の夫婦の寝室に来た。
この日は『こっそり』とではなかった。
寝ていた私は、彩芽の強い口づけで起こされた。
起き上がった私に彩芽は言った。
「もっと続きがしたい」
「だめだよ」
私は意を決して、がばっと立ち上がった。
そして、部屋にあるウォーキングクローゼットに走りこんだ。
彩芽はびっくりしていた。
私は、大急ぎでパジャマの上からズボンをはき、コートを羽織り、財布を手にすると、ベッドルームを飛び出した。
「どこに行くの?!」
彩芽は玄関に向かう私の背中に叫んだ。
「朝、帰ってくる!
ちゃんとチェーンをして寝るんだよ!」
そう言うと私は家を飛び出した。
無理だった。
これ以上彩芽と一緒にあのベッドルームにいて我慢できそうもなかった。
彩芽に襲い掛かってしまいそうだったのだ。
仕方なく、私は逃げた。
家から歩いて20分ほどのところにある、深夜の漫画喫茶に行き、朝まで時間をつぶした。
*****
その後、彩芽とこんな会話をしたことがあった。
妻が風呂に入っているときに、居間で二人きりのときだった。
「私、18歳になったんだよ。知ってる?よしちゃん」
「知っているよ。
プレゼントあげたじゃないか」
「だから、もういいんだよ。
いろいろエッチしても」
「何を勘違いしているんだよ?
18歳以上でOKなのは赤の他人の場合!
家族は、18歳未満でも以上でもそんなことはしないの!」
「じゃあ私、家族じゃなくなる。
うちと縁切る。
そうしたらよしちゃんとエッチできる?」
「もし、君が家族じゃなくなってしまったら、普通のよくある不倫じゃないかよ。
僕にはお母さんがいるんだし。
でも言っとくけど、そもそも親子は縁を切れないんだよ。
お母さんと君は、どんな場合でも日本の法律では縁が切れないんだよ」
もう完全に会話がおかしいと我ながら思った。
私が18歳時に、自分の義父と交わした会話とは全然違う。
------続く-------------
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