色狂いになった若い未亡人②
知らなかった妻の姿

★これまでのお話 はこちら → ★色狂いになった若い未亡人①
天国の敦夫は、妻を止めることもなく、最後の段階まで男女の行為を見てしまった。
妻の口で愛撫された男は、ガチガチになったものをやがて、妻の中に入れていった。
再び仰向けにされた妻は、脚を大きく開かされ、男の硬い棒を自分の股の真ん中に入れられていった。
最初は軽く両手を男の身体に添えていた妻だったが、男が動き始めると、赤ん坊のように両手を握って、自分の頭の横に持ってきた。
無防備に赤ん坊のように身体を解放して、喘ぎ声を上げる妻の様子を敦夫は見た。
男が妻の中で出し入れするたびに、妻の全身もソファの上で上下に揺れた。
「あ・・・あ・・・」
おっぱいを上下左右に揺さぶりながら、妻は目を閉じて、苦痛の表情にも似た顔をして声をあげていた。
男の動きが激しくなると
「あああん!」
と大きな声を出して、再び男の身体に妻は手を伸ばした。
男はそれに答えて、妻の脚を持っていた手を離して、妻の身体に自分の身体を重ねてのしかかってきた。
妻は、男の背中に手を回すと、力をこめてしがみついた。
合体した男女の身体がしばらく一緒に動いていた。
「もっと〜!!もっと〜!!めちゃくちゃにしてえ!」
という妻の声をバックミュージックに。
やがて、自分以外の男の精液というものを初めて敦夫は見た。
妻の腹の上に放出された白い精液を敦夫は見た。
男が帰ったあと、敦夫の妻は、ソファに再び一人で倒れ込み泣いた。
大きな声で泣いていた。
妻は何で泣いているのか?
敦夫の胸は痛んだ。
妻がその1週間後に、また違う男と・・・どうもパート先の上司のようだった・・・セックスをするのを敦夫は見た。
妻は、職場の不平不満や甘えをその上司らしき男にぶつけていた。
上司は妻の話に丁寧に答えて慰めたり励ましてやったあと、妻を抱いていた。
敦夫は地上に飛び降りられずに、また男女のセックスシーンを見た。
上司に尻を向けて四つん這いになり、尻をふる妻を敦夫は見た。
正常位と異なり、バックの場合は妻のおっぱいが、よりなまめかしく見えた。
重力により下に垂れ下がったおっぱいをこの前以上に大きく揺らしながら、妻は男に犯されていた。
後ろから、妻の尻に自分の身体を叩きつける男。
後ろから、妻の揺れる乳房を掴みながら、腰を振る男。
やがて、妻のまあるいプリっとした尻の上に、白い液体が放出されるのを敦夫は見た。
*******
次の”新人死者の研修会”にて天使から注意事項のお話があった。
「残したご家族のことがご心配の方も多いと思います。
生前の人間が信じているような、”守護霊”的な役割をあなたたちがしたいというお気持ちも、私どもは尊重します。
でも、必要以上に生きている人に介入しすぎてはいけません。
生きている彼ら、彼女らは、たくましく一人で生きて行かないといけないのです。
死者のあなたたちに関係なく、今後ずっとです!!」
敦夫の胸は、ズキズキ傷んだ。
敦夫は、次の日、色々な男とセックスを繰り返す妻の気持ちを知る手がかりを見た。
夜中、妻がパソコンに何かを一生懸命、書き込んでいるのを見たのだ。
『夫が亡くなってからまだ3か月なのに、寂しくて知り合いの頼れる男性に頼りまくって、時にはセックスをしてしまいます。
こんな私をどう思いますか?
でも、寂しくて寂しくて、辛くて辛くて・・・』
妻は、ネットの人生相談のサイトに相談しているようだった。
しかし『夫が亡くなって3か月』は嘘だ。
ホントは1か月ちょっとだ。
と敦夫は思った。
まあいい。
妻の相談にはいろいろな人が回答を書き込んだ。
「お気持ちはわかります。
でも、自分を大事にしないと後悔することになりますよ」
などの親切な回答者もいたが、
「えー?連絡先教えてください。僕が慰めてあげますよー」
などの回答もあった。
妻はそれにヒントを得たのかどうか、次にネットの出会い系の掲示板サイトに申し込みをし始めた。
妻はそこで男を探し始めたのだ。
『若い未亡人です。
夫の代わりにお話をしてくれたり、相談にのってくれたり、あるいは他のこともしてくれる人募集です』
と妻は書き込んだ。
敦夫は、黙って見ていることが耐えられなくなった。
敦夫は、おばあさんとおじいさんに相談した。
「年に一回だけ我々が地上に降りられるって、その一回の時間って一体、何時間なの?」
二人は、今まで、一回につき数時間しか地上に降りたことがないのでわからないと答えた。
次の研修のときに、このことについて天使に敦夫が質問すると
「その人の体力、気力によりますね。
でも、半日も超えて地上にい続けた人は見たことがない。
それくらいが限界なんじゃないでしょうか?」
と天使は答えた。
それだけなのか・・・と敦夫はがっかりした。
さて、しかし、天国には、自分はもう二度と地上に降りたくないという人も少なからずいた。
その人たちは、2、3年に一度、完全なるレジャーとして、北欧にオーロラを見に行ったり、ナイアガラの滝を見に行ったりするだけで、自分の生前の知り合いのいるような場所には、一回も降りたこともないどころか、上から見ることさえしないという人もいた。
もう、自分の生前の世界に何の未練も興味もなかったり、それどころか嫌気がさしている人もいた。
そういう人たちは、天国で何十年過ごしたあと、生まれ変わって新しい人生を迎える日をただただ待って、天国で暮らしていた。
敦夫は、そういう人たちにお願いをしてみた。
自分のために地上に降りてほしいと。
敦夫のために”地上に降りる権利”を使ってくれる気はないか?と。
恥も外聞も捨てて、敦夫は天国の住人に片っ端からお願いをして回った。
「君は若くして亡くなったからいろいろ未練もあるんだね?
お気の毒だ」
「生前、人の役に立ったことなんか一度もなかったオレだ。
たまには人助けしてもいいかな」
と敦夫に同情してくれる人、協力してくれる死者が、なんと4人も見つかった。
敦夫のために地上に降りてくれるという太郎さんには、敦夫の実家に忍び込んでもらった。
実家の裏口から家に入る鍵が、庭の植木鉢の下に隠してあった。
母の留守に、太郎さんには実家に入り込んでもらい、そして母のPCを開いてもらった。
母はPCを持っていたが、ほとんど使っていなかった。
特に、母はメール機能は全く使っていなかった。
敦夫は太郎さんにお願いして、母のPCのメールを開けてもらった。
そこにたどり着くまでの各パスワードは全部、敦夫が知っていた。
なぜなら、母のPCの設定をしてやったのは敦夫だったからだ。
敦夫が、太郎さんにお願いしたことはこうだ。
妻の加入しているネットの出会い系掲示版に申し込んでもらい、妻にアプローチして約束を取り付けてもらう。
出会い系サイトの加入には、男性側は少しお金がかかった。
本当に申し訳ないと思ったが、敦夫は事前に天国から調べていた父の名義とクレジットカードを使わせてもらった。
太郎さんには、出会い系の申し込みと妻への最初のアプローチだけまでしてもらった。
太郎さんには妻の大好きな俳優にそっくりと自己紹介してもらい、自分も妻を亡くしたばかりで悲しい気持ちがわかる。
住所も近所などと偽り、妻に猛烈アプローチをしてもらった。
次の日には、二人目の死人の協力者の次郎さんに下界に降りてもらい、やはり母の留守にPCを使ってもらった。
太郎さんの書いたメールに興味を示したようだった妻から返事が来ていたので、次郎さんには、その日はできるだけ会話をたくさん書き込み、ますます妻の気を引くようなことを書いてもらった。
その次の日に、3人目の協力者の三郎さんに下界に降りてもらい、とうとう妻との逢瀬の約束を取り付けてもらった。
三郎さんも、敦夫の期待に応えた働きをしてくれた。
家からバスで30分ほどのところにある、ラブホテルのたくさんある繁華街で、三郎さんと妻は会う約束を取りつけてくれた。
あとは、満を持して、敦夫がその日に妻との約束の場所に行くだけだ。
それで敦夫はどうしたいのか。
今後、妻が変なことをしたとしても、天国の自分がこうして邪魔をできるんだ、ということを妻に伝えたいのか?
男と闇雲にセックスをしてはいけない、と説教するつもりなのか?
しかしそんな権利、もう死んでしまった敦夫にはあるのか?
敦夫の考えは、まとまらなかった。
でも、今はとりあえず、妻を出会い系を使わせないこと、一度会って話をしたいということで頭がいっぱいの敦夫だった。
会って話をしてみて、そのときの妻の様子によって今後のことは考えればいいと敦夫は思った。
とにかく、敦夫は妻と約束の日を心待ちにした。
しかし約束までにちょっと日が開いてしまったので、その間、妻は、
『〇日、会うのが楽しみ』とか
『どんな人なのかなあ?
俳優さんにそっくりだから会えばすぐわかるかなあ?』
などと、架空の男に向かって、母のメールに何回かメッセージを送っていた。
それに気づいて、敦夫は何か返事をしないとまずいと思った。
敦夫は慌てて、4人目の協力者の死者・四朗さんに地上に行ってもらうことをお願いした。
『僕は昨日、あなたの夢を見ました。
必ず約束に来てくださいね』
と、妻へ返事をしてもらうために。
このときは、慌ててお願いして、四朗さんに急いで地上に行ってもらったので、敦夫は四朗さんに注意事項をいろいろ徹底していなかった。
四朗さんは一本指でしか、キーボードをたたけなかった人だった。
とにかく四朗さんには、ちゃんとに文章を書くことだけを教え込み、それ以外の注意事項がおろそかになった敦夫だった。
四朗さんは目が悪かったので、PCを母がいつも置いていた場所と違う明るいところに持ってゆき、そこでメールを一生懸命書いた。
一本指で間違わないようにメールを書くことだけで、四朗さんはいっぱいいっぱいだった。
無事、文章の書けた四朗さんは、それだけで安心して、母のPCを元の場所とはちょっとズレたところに置いて、急いで天国に戻ってきてしまった。
さて、敦夫が妻と会う約束の日の前日に、大変なことが起きた。
敦夫が何気なく、実家の様子を天国のカメラスコープでのぞいたら、なんと敦夫の母と父が大喧嘩をしていたのだ。
鬼のような形相で、父に怒鳴りまくる母がいた。
「落ち着け?何だ?
何を怒っているんだ?」
と、困惑していた父も、そのうち切れだした。
夫婦は、口汚くお互いをけなしあっていた。
敦夫は、それをオロオロ眺めていたが、徐々に事情がわかってきた。
父が、”浮気の疑い”をかけられていたのだ。
もちろん原因は、敦夫が、太郎さん〜四朗さんに母のPCを使って書かせたメールだ。
母は、いつもと違う場所にある自分のPCを見て、誰かがPCを使ったことに気づいたのだ。
そして夫婦二人住まいのこの家で、自分以外でPCを使うのは、もちろん父しかいないと思った。
訳のわからない疑いをかけられた父も、逆上して、言わなくてもいい暴言を母に投げつけていた。
この誤解を解けるのは、敦夫しかいない。
しょうがない。
敦夫は、下界に降りなければならなくなった。
これは他の人にも頼めないし・・・。
敦夫は、年に一回使える地上に降りる権利を使ってしまった。
敦夫は、父母のために地上に降りて行った。
「父さんと母さんを仲直りさせたら、時間が許せば、妻のところに言って話ができる。
しかし、僕が地上にどれくらいの時間いられるか?
でも、まず父母は僕の出現に驚くだろうし、その説明を含めて、どれくらい時間がかかるか??」
などと考えながら、敦夫は地上に向かった。
----終わり-------------
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